2014.9
食を考える

堤ちはる「子供にとってなぜ食は重要なのか」
子供にとって親から提供される食事は、マナーを含め、愛着行動や基本的信頼関係の構築のためにも必要不可欠なものである。親やから子供への食を通じてのかかわりは、その子供のその後の人格や、その子供が親になった時のかかわり方に影響を及ぼす。特に孤食は避けるべきであり、家族がそれぞれ好きなものを食べる個食も栄養のバランスや好き嫌いを増悪させる。そのほか偏りすぎる固食などさけるべき「こ」食の紹介。
また空腹感を覚えることの大切さや食わず嫌いへの対応など多岐にわたっている。

表真美「食と家族」
食卓を囲むことの時代の変遷について論じられている。
そもそも現代のように家族がテーブルを囲って食事をする風景は戦後でありそれもメディアなどのよって喧伝されたからである。それまではちゃぶ台が家庭に普及する大正時代からともされている。それまでは仕事の合間にそれぞれが自分の都合で、あるいは作り置きのものを長く食べ続けていた。また大正期は家事の合理化と規律が結び付き、戦時中は感謝の気持ちや家族の精神的紐帯のために食卓での家族だんらんが強調された。
イデオロギーとしての批判もあるが、それでも誰かと一緒に食べる食事は美味しいことには変わりはない。もっとも人と食べる食事は患らしいと思う人もたくさんいるが…また、誰かと一緒に食事をとりたくても取れない状態に置かれている若者や高齢者が多数いる。食への意欲はその人の生きる力にも関係することを考えれば何かしらの対策が必要である。

2015.11.9

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