2014.4
2025年,社会はどうなる

対談 2025年問題を考える

認知症500万人時代と向き合う(本間昭)
認知症ケアは,トータルケアと言われ,早期診断から看取りまで,あるいは薬物療法に加えて社会・心理的な対応が必要という場合もある.どちらであっても先に述べたような認知症診療では多職種が生活と同様にキーワードになる.
しかし,実際は医療と福祉の連携はあまりうまくいっているとは言えず,また市民の理解もすすんでいない.また本人も病識が薄いため対応が困難であることが多い(本人家族が希望せず受審につながらないケースが多い).医師からすれば治療薬の効果があまり出ない認知症への診療は難しいと言える.物忘れが気になったらすぐに相談に来て欲しいことを主治医が繰り返し話すだけでもだいぶ違ってくるのだが…
認知症の人の入院が拒否されたり,在宅で生活し続けるためのサービスが質量ともに不足しているのが現状である.

食事介助を望まないという選択が可能な国に変わる必要がある(高橋泰)
今後高齢者が増えていくと,施設や人員を増やせば社会保障費がうなぎ登りに上がり,借金漬けになる.高齢者の自立とか健康を推進しましょうという話.できるだけ介護サービスを使わずに元気に生き,そして死んでもらうためにはどうすれば良いか.介護の介入が少ない方が虚弱から自立に戻ることが多いとのこと.フランスでは20年前までは胃ろうがあたりまえであったが,いまは胃ろうをすることが虐待と思われるなど延命が全て良いとは言えない.
ハイブリットエンジンを搭載することで,省エネが可能になったように今後は高齢者にも医療面でかかりすぎていることを改める必要があるとのこと.

他,買いもの弱者と食の砂漠…フードデザート問題などが取り上げられていた.買いもの弱者は単に距離とか店舗が少ないであるが,デザートは公衆衛生や所得,健康意識の低さが絡み合った問題である.

インタビューでは,有名な経済学者から聴いている.成熟した社会の中で低成長の時代を日本は自覚して生きていきましょうと言うこと.成長力を高めるために格差が拡大するのはある程度仕方が無いとか,成長力を高めれば清秋的には格差問題も解決するというトリクルダウンはすでに歴史的にも失敗している.富めるものが富,貧しいものは貧しいままであり続ける.女性参画では福祉職はすすんでいるように見えるが,制度を作る,体制を整備するという所では女性が十分に活用されているとは言えない.

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