2014.11
変わる社会福祉法人

社会福祉法人制度には何が求められているのか(芝田英昭)
 訪問介護分野ではもはや社会福祉法人は21%であり営利団体が63%となってはいるが、未だに全体的には43%でありその規模の大きさは無視できない。しかし、社会福祉法人に対し政府は、市場化の元で企業と戦えるように社会福祉法人を企業化すること。そして採算の取れない公益活動の推進を打ち出し、それができない場合は退場(行政指導)もやむなしという方向性にある。営利団体による不正受給などの規制強化等もあり一時期、社会福祉法人の存在意義が見直されたこともあったが、内部留保問題などでその風当たりは依然強い。公益活動の推進は、貧困ビジネスの氾濫を食い止めさせることがねらいである。

福祉サービスの契約化・多元化時代における社会福祉法人の在り方(佐藤克彦)
 厚生省が提出した「社会福祉法人制度改革の在り方」についての概説と課題について述べている。端的に、一つの法人が抱える問題と法人制度(システム)の問題を混在させており、公平性の観点から企業と競合させると言ってもそ、前者が経営の問題、後者はシステム上の統治(ガバナンス)性の課題であると分ける必要がある。むしろ措置による支援を強化するのも社会福祉法人の役割として強調されるべきではないかとする提言などもあり、割合建設的な内容である。また色々な意味で内部留保は必要であるとの視点に立っている。

これからの社会福祉法人の公益性(狭間直樹)
 結局内部留保についての財務諸表の積極的な公開を求めているようで、もしそれがなされれば、大きな社会問題になりそうな気がする。結局、社会福祉法人の公益性を世の中にアピールすることが必要だったし、そのことを怠ってきたのではないか。低所得者や多問題家族や重度重複障害などへの対応、ホームレス、虐待への対応な度、営利企業などでは受け入れない対象も受け入れてきた。
2014.11.4

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