2013.7
都市の福祉と地方の福祉

鼎談(ていだん) それぞれの地域に対応した福祉を考える

地方分権と福祉の政策(鏡諭)
地方分権改革の一環として,地域福祉が注目されていることについて論じている.この論者はダラダラと制度や法律を並べて,最後にちょっと自分の意見を書いて終わりの人なので,特に学ぶことは無い.特養については,介護保険が始まるまでは家族状況や資産要件などのさまざまな入所条件があったが,介護保険により要介護認定のみとなっている.しかし,公的助成などは引き続き続いていて矛盾している.規制緩和を進めるか,介護保険から特養を外すかの選択がのぞましいとの意見.このことをずっと述べて,タイトルとの整合性が全くない.

子どもの減少と保育の課題(櫻井慶一)
出生数の減少は,大学のように18年ごとなるのに比べ保育所などはその年の出生数がそのままダイレクトに響くことについて論じている.一件保育所の数は増えているように見えるが,30人以下の小さな私立保育所の増加は,人口減少を背景にした結果であり,簡単に統廃合ができず地域としての唯一の拠点として残しているとみるべきである.近い将来必ず保育所経営は深刻な事態となっていくとみるべきである.
すでに過疎地の保育所では給料の削減や人員の削減などが行われている.背景には過疎地には仕事無く大人自体が減っていることがある.地域で子どもを育てること自体機能していていないと言える.

その他,生活困窮者自立支援制度の取り組みや医療格差,限界集落は消えてしまった方が良いのかと言った内容の論文が掲載されていた. 都会では,ホームレス対策が急務であるが地方ではそもそもホームレスが少ないが故に生活困窮者の性格が違うこと.医療も中央では人の交流が盛んで情報の共有が容易だが地方ではそうもいかないことから教育体制のあり方を変える必要があること.限界集落は微細にみると孤立しているわけでは無く,緩やかなネットワークがあること.しかし,現代のシステムから効率性が尊重され淘汰されていくべきだと思われていることなどが述べられていた.

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