2012.6
社会福祉士資格は活かされているのか
社会福祉士・介護福祉士資格制定から25年を迎えて
座談会
- 社会福祉士は制度と言うよりは(社会全般の)国民・利用者の立場に立って社会資源を結びつけ支援していく立場であると捉える。
- 不登校・ニート・高校中退者・ひきこもり・非正規雇用、教育・司法・就労などを臨機応変に結びつける発送である。
- 認知度に関しては、介護福祉士やヘルパーは業務と名称が同じで名乗りやすいが社会福祉士はせいぜい相談員ですという程度で名乗ることが難しい。
- 行政の地域支援能力も低下しており、民間に所属する社会福祉士が個別支援のアウトリーチをしながら社会的包摂の実現など、地域福祉を担って欲しい(地域福祉コーディネーター)。
- 障害・高齢・児童と縦割りで見るのではなく、地域・過程としての横軸で捉えて調整していく総合力が求められる。
- 社会福祉士養成校で卒後教育をしているところは少ない。医学では当然のように継続教育がされていることを考えれば卒後教育は必須である。
- 福祉と経済が摩擦を起こすのではなく、弱者を包摂して経済活動に復帰させるという認識を社会が持つことが大事。
- 実習に関しては指導者の業務と教育のバランス、そして指導の質にバラツキがあるのが問題だ。
レポートは地域包括支援センター、権利擁護活動での弁護士との連携、総合相談としての社会福祉士の役割など
社会福祉士制度を活かすために(白沢政和)
- 持っていても余り役に立たない資格、それでいて合格することが難しい資格。それが社会福祉士である。
- 地域包括支援センターでの必置、障害者、児童分野でも配置基準や加算として取り上げられてきているが制度が開始されて20年以上経ってからのことである。
- その他、医療や更正、福祉事務所などでも横並びにいろいろあるが、更正分野では契約雇用で非正規であり優秀な人材は集まりにくい。
- その一方で社会的排除や制度の隙間などの対応で社会福祉士に掛かる期待は大きい。
- ソーシャルワークの中核を担っているのは社会福祉主事である。これを社会福祉士に転換することが重要である。
- その他、職能団体、養成校、学会に対する提言がある。
2014.11.23