2010.4
地域のおける社会福祉法人の役割

地方の時代、社会福祉法人の存在意義(関川芳孝)
社会福祉法人の意義は何処にあるのか。地域に住む利用者や家族にとって、信頼でき質の高いサービスを提供する事業者であれば何処でも良いのではないか。NPOとか民間事業所でも良いことになるので、相対的に社会福祉法人の存在意義は低くなる。またサービス利用しない一般人にとってその意義は無きに等しい。先駆性や創造性、採算買いのサービスなど社会福祉法人の設立要件の原点に返るべきである。更にそうした新規事業への長期展望や経営戦略を組み込んでいくべきである。
更に地域のニーズの把握と実現可能性耶蘇の意義を見出すことで地域住民に認められる法人となる。地域住民や自治体、NPOなどとの連携を通じて新しい公共を作り出す一端を担っている。

座談会
・社会福祉法人は事業として、制度化された在宅福祉事業以外には手を出せなかったが2000年以降に地域福祉の一翼を担えるようにやっとなったというのが実情。
・公共性とは措置を委託して本来市町村や都道府県がやるべき事をやるという身だったが措置が契約に変わった時点で公共性は成り立たなくなっている。
・公益性にしても、社会福祉法人が行うデイサービスと民間が行うデイサービスの違いは何処にあるのか。
・特養にしても個室化してホテルコストを取るとか有料老人ホームや長期化している老健との違いが何処にあるのか。特養を社会福祉法人でなければ行けない理由が薄い。
・安定性も社会福祉法人の特徴であるが最近はNPOでも継続性が担保されている組織があることを考えると社会福祉法人だけの特徴ではないと思われる。しかし、社会福祉法人は撤退に関して法的にも制限があり容易にできない。という意味で不自由ではあるが、担保はされている。
・貧困や出所後の支援など様々な手の届かないフィールドはたくさんある。そうしたところにセーフティネットを張り巡らすのも公益性や公共性としての社会福祉法人の意義があるのではないか。
・社会福祉法2条3項の第二種社会福祉事業の一番はじめに生活困窮者に対して相談に応じたり現物や金銭の支給をするという条項がある。

2015.11.9

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