2004.9
地域福祉型福祉サービスの展開

社協「地域福祉型福祉サービスとは」
地域福祉型福祉サービスとは、宅老所、グループホーム、ふれあい・いきいきサロン、住民参加型在宅福祉サービス、入所施設施設の小規模地域密着型施設の取り組みを指す。
宅老所
は、ディサービスを基本としながらも利用者が必要なときは訪問(ホームヘルプ)を行い、また泊まりも提供するというように、利用者を自宅から切り離すことなく、必要なサービスを柔軟に提供している。ふれあい〜と共通する部分も多いが、それに比べると身体的なケアを必要とする人も受け入れている。
ふれあい〜
は、サロンの中で自然に交流する中で閉じこもりがちな老人に対して人間関係を回復・維持を図っている。身近な地域住民による助け合いという面では住民参加型〜と類似しているが、サロンは交流活動を中心にしており、日常生活の支援という面では住民参加型に比べ部分的である。
住民参加型〜
は、先に書いたとおり、地域住民同士の助け合いである。受け手担い手双方が登録メンバーとなる。担い手は単にケアをになう人としてだけではなく、参加の姿勢を問うかたちで募集するため、メンバーとなった担い手一人一人の使命感が強い。ターミナルケア、ニーズを制度が井出もか萎えようとするサービスの創出などが期待できる。
グループホー
ムは、宅老所と共通しているが、グループホームは居住施設として自宅から移り住むことが基本となっている。このため、グループホームと宅老所両方の機能を持つために、同一主体が両方のサービスを実施している場合も多い。
地域小規模児童養護施設
は従来の児童養護施設が持つ居住機能を地域小規模施設として地域分散化し、ケア単位の縮小と家庭的用語環境を確保するものである。本体施設からバックアップを受けることが前提。
共通
してみられることは
1.個を大事にした主体的空間の創出
2.対象を限定しないサービス〜幅広く受け入れる
3.ニーズに合わせて機能を組み合わせる
4.幅広い担い手によるサービス
5.利用者が参加したサービス
6.地域とつながるサービス
7.当事者・住民・事業者の協働運営によるサービス
8.地域ニーズに敏感できめ細かい対応するサービス
9.街づくりにつながるサービス
10.地域に属するサービス
これらは既存のサービスの中にもあったが、こうした要素を意識すること、取り組みやすい枠組みをつくっているのが地域福祉型福祉サービスである。

座談会 地域福祉型福祉サービスの普及に向けての課題
はじめにサービス供給、事業ありきではなくて、目の前の当事者に、躊躇なく関わっていく精神。いまある様々な福祉サービスも、本当はそこが原点。住民と一緒に何かをしていこうと言うところに価値を求める。
地域、地域といっているけれど、行政でもどこでも、例えば対応困難な児童がいたときに、自分たちの身の回りで助け合っているだろうかということを、私は一番思う。自分の目の届くところからやっていかないと、地域の中の助け合いは口だけのことになってしまいます。地道な集会や学習会などを開催して、障害者と地域を結びつけていくことが求められる。
いま普通に住んでいる人たちの心が育っていない←これが一番の根本

永山昌彦「当事者主体による援助プログラムの開発」

当事者主体〜自立生活センターの説明
であった。障害者は自己選択、自己決定、自己責任とは無縁の環境の中で生活してきた。しかし、最近の障害者関連福祉施策では、地域でどうやって普通にクラスかが大きな課題として上がっている。減少した生きる力を育む必要がある。それはただ単に生活マニュアルを伝授、教育するだけではなく、自尊心の回復やありのままの自分でよいのだという気持ちを養っていくことである。そのためには専門家より同じ境遇を共有する障害者当事者同士が支援し合うことでより当人の意に添った支援とエンパワメントが可能になる。
ピアカンセリングと自立生活プログラムはセンターの基本である。

藤井博志「地域福祉型福祉サービスの展開」

社会福祉法4条「地域福祉の推進」
はノーマライゼーション社会の実現。その人らしい地域での普通の暮らし(地域生活の質)が保障される地域自立生活支援の条件整備を明確な地域福祉の目標とすることを示唆しているといえる。
地域福祉型福祉サービスは、このような時代背景を受けてネーミングされた地域福祉資源である。このサービスは、地域生活障害として捉える実践形態である。ICFの参加制限などが影響されている。
また、安易な施設入所のためのケアマネから、あくまで地域での生活実現を図ろうとするコミュニティケア手法としての本来のケアマネをめざす。それは自ずと法制度の枠内に止まらないサービス開発へ向かうことになる。
さしあたって、市民性、ボランタリズムをキーワードとする地域福祉型福祉サービスであるが、その施策化にあたっては、市町村地域福祉計画策定の場を活用することが最も重要である。福祉計画では、住民参画を中心とした行政、福祉の街づくりを抽象的なスローガンとして協議するのではなく、地域福祉型福祉サービス群がめざす地域生活の暮らし方を具体的にイメージすることによって、関係者にとってもリアリティを持った協議が可能になる。そのことによって、この協議の場が実質的な権利開発の場となる。
このように、行政施策化が望ましいところであるが、地域福祉型福祉サービスの多くは在宅施策であることから、国の義務的経費を伴わない財源裏付けの弱いサービス群である。したがって、行政計画の遡上にのせる民間側からの具体的な提案が強く求められる。
2005.11.16

ホームインデックス