2004.6
子どもを護る 育む

横矢真理「子どもを犯罪や事故から守るために」
子どもの危険回避研究所では、「事故・犯罪・いじめと虐待・病気・環境問題・災害」の6分野に分類している。危険回避能力をアップさせる体験学習では、地域安全マップづくりが最適である。実際に町歩きをして自分たちで危険な場所をチェックして手書きでマップを作ることである。
地域活動の問題の一つに、地域住民の多くが「地域で子どもを護ろう」という気持ちが強く持っているのに、地元の小・中学校に通っている子どもの居ない家には情報が入りにくい。

実践レポート
「母親達を中心とした民間パトロールによる安全な町作り」
「コンビニエンスストアなどとの連携による子ども達の保護育成への取り組み」
「子ども110番の家のさらなる有効活用を目指して」
「学校で起こる犯罪危機管理の現状と子ども達への支援」

中村攻「都市空間から見る子どもの犯罪被害防止の視点」
ある大都市での実態調査では、4割前後の子ども達が小学校の高学年になるまでに犯罪の危険性に遭遇していることが明らかになった。地方都市でも2から3割の確率で犯罪の危険に遭遇し、農村部でも1から2割が犯罪の危険に遭遇している。
刑法犯として警察が取り上げた事件でだけでも300万件に及んでいる。これは毎日8000件近くの割合で犯罪が起こっているわけである。犯罪の視点から都市空間を考える場合、まず何よりも必要なことは、日本の都市空間は、犯罪の発生などを前提に作られていないという点である。公園での樹木によって死角が生じるとか、管理が不十分とか。本来、公園はいわば町のリビングルームであり、何かにつけて地域の人々が集まってくる公園ほど、安全な公園はない。学校も同様であり、そもそも学校は安全で自由なものであり、安全であればそれだけでよいというものではない。

実践レポート
「親の苦しみを理解し、信頼関係を築く〜虐待防止への支援」
「子ども虐待防止に関わる援助関係者のネットワークと実践」
「児童虐待を防ぐための親への支援」
「民間組織の児童虐待防止に向けた役割と支援」

西沢哲「虐待を受けた子どもの心理とケア」
我が国の子どもの虐待への対応システムは、初期介入や子どもの保護という点に関して言えば、ある程度整備されてきたといえよう。
以下PTSDについての説明。愛着障害が虐待児童に深刻な影響を与える。虐待的対人関係を内在化し、攻撃的になり、挑発をしたりする。その結果、大人に怒りや暴力を引き出してしまい、場合によっては施設内虐待や学校での体罰といった再被害を受けることも少なくない。逆に、誰にでもべたべたする一方で、誰とも情緒的な結びつきが持てず孤立化してしまうなどの障害もある。PTSDという単一の精神医学的症状に留まらず、行動や人格の形成に至る広範なものである。

春日定和「親の離婚問題の子どもの影響と心のケア」
親のあり方を問うもの。しかし、離婚をすることになった場合、確かに子供にとってはマイナスなことが多いが、仕方ないことが多いのではないか。よく分からないのが、別れた後に信頼関係を気づいておかないと子供の絆が断たれるとか、離婚後も親としての新たな関係を維持しながら、子供の心を育むために協力し合うと言うことである。別れたらそれまでだし、それぞれの生活があるから必要以上に観賞するべきではないと思うが…。

二宮恒夫「DVの子供への影響と心のケア」
DVは子供にとっても虐待環境になる。DVは夫による妻への暴力をさすが、子供も巻き込まれて虐待を受けることが多い。また、子供の虐待はなくても、子供がDVを目撃することは家庭の安心感、案全巻を抱かせる場所ではなく、子供は緊張感の高い状況を持続させる。その結果、心身症や反社会的は行動に走る。思春期以後の慢性精神障害の原因の一つになる。
また、DVの生育歴を持つ母親は子育てに自身が持てないなど将来に渡って影響を及ぼす。

庄司順一「里親制度の現状と課題」
里親養育は、施設での養育と比べて、親密で、安定した、継続的な人間関係、つまり愛着関係を形成しやすいし、ノーマルな生活を経験し易いという特徴を持つ。
平成14年に里親制度の大きな改革がなされた。これまでの養育里親と短期里親と二本柱であったが、それに親族里親、専門里親が新設された。


2006.7.20

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