2003.10
1.2015年の高齢者介護
2.子供の育ちを地域で支える

1.特集
インタビュー
高齢者介護研究会による「2015年の高齢者介護」というレポートについての解説。なぜ、2015年かというと、その頃団塊の世代〜ベビーブーマーが65才になりきる時期であるから。
介護保険施行から3年が経ちその総括は、1.要介護認定者の増加・軽度の者の増加2.在宅サービスの脆弱性3.居住型サービスの伸び4.施設サービスでの個別ケアの取り組み5.ケアマネイジメントの現状6.求められる痴呆性高齢者ケア7.介護サービスの現状である。〜特に痴呆性高齢者の割合が多い。実際に寝たきりと言うよりも、痴呆に関する介助が難しく、この辺のケアを重視していくことが重要である。(逆に言うと痴呆へのサービスは、ショートスティかディサービスくらいしかなかった。〜動き回る痴呆老人へのケアが十分ではないのが現状である。
宅老所のような自分の家では住み続けられないけれど、施設までは行かないという、自宅でも施設でもない中間型「第3類型」の新しい住まいの拡充を目指し、小規模、地域、連続性がキーワードになっている。(高齢者向けの公営住宅)グループホームも第3類型であるが、介護報酬に含めるのかは今後の課題となっている。
今後新しくつくる高齢者福祉施設は国の方針としてユニットケアを基本とすることになっている。
活力ある高齢社会づくりの基盤として、「介護予防・リハビリテーションの充実」が謳われている。

座談会
在宅サービスの脆弱性は、地域自体のケア力が非常に脆弱だった事への対応として、施設入所希望の増大へとつながっていること。これまで自宅に焦点化して在宅福祉をどう強化するのかという考え方だったが、地域自体が脆弱であったのだ。
2002年の8月に厚生労働省から特養の待機者に関するガイドラインが出て、優先入所がなされるようになった。しかし、介護者の状況や経済的状況、住環境など、いわゆる介護以外のいろいろな要因が優先入所の要素として挙げられているのが実態である。社会的要因に基づく困難や障害をマネイジメントする仕組みを作っていく。それと並行して、住宅介護支援センター、あるいはケアマネージャーのステージアップを制度的にも進めていく必要がある。
あと、ケアの標準化が必要でありそのことによって、介護保険でできることや施設の役割、センターの役割などがハッキリしていく。

2.特集
山崎美貴子「地域で次世代育成を進めるために」
人口統計によると、15才から19才の女性の妊娠中絶件数は平成元年が人口1000人に対し6.1人であったが、ここ2,3年は急速に伸びて、平成13年度には13人と過去最大になっている。少子化が社会問題までになり、過去になく不妊治療がクローズアップされている一方で、中絶件数は戦後最大という、言い換えれば新しいいのちの誕生が強く求められている一方で、数多くのいのちがあっさりと葬り去られている実態である。
少子化の影響もあって、身近に子育てをしている人が少なくなり、母親の抱く育児に対する負担感と社会的孤立も強まっている。〜育てる喜びや楽しさを感じにくくなっている。地域のネットワークも例えば児童館でも何月何日に開催するので来てくださいと言った「待ち」の姿勢であり、外に出にくい、情報を取得することの難しい環境におかれがちな母親にとっては億劫なことである。
当事者を核とした社会的家族の構築が必要。血縁家族を中心とする育児はもはや崩壊しており、社会的なネットワークの中で行われるためには、地域に多様なメニューがあり地域「から」働きかけていく実践が求められている。

後は実践報告など
確かに私の住んでいるところが田舎と言うこともあって、遊ぶにしても子育てをしているにしても人がいない。はやり人がいてこその場所である。しかしそれを言ってははじまらない。人がいないことはもう自明のことであるから。ということで、人をかき集め、集約していく中で結びつきをつけていかないといけない。行政主導でも良いが、月一回でもよいから戸別訪問や行事・企画案内などボランタリーで行うような仕組みがあればよいと思う。

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