1997.7
アートの力

いのち織りなす芸術活動
障害を持つ人たちの芸術活動を支援したり社会に紹介することを目的に、民間の非営利組織「日本障害者芸術文化協会」が1994年に誕生。95年から「財団法人たんぽぽの家」とともに、「エイプル・アート・ムーブメント(可能性の芸術運動)」を提唱し、自己実現(self action)交流(collaboration)癒し(healing)をキーコンセプトに、新しい市民芸術運動に取り組んでいる。
こうした運動を支える大きな力に企業の支援があるが、企業による支援の方法にも変化が現れている。従来のような単なる経済支援に止まらず、新しい文化の担い手として、企業市民としての支援が増えてきている。
これまで一般に貸し出したことのない社会研修などの施設を開放し、全国からワークショップに参加した様々な人を受け入れた。
ワークショップの運営も、全国から集まった企業の有志が、休日を返上してスタッフとして参加者を迎えた。

音楽が持つ癒しの力
障害児の領域…知能の発達援助を音楽で行う。音楽は楽しいので子供の関心を誘う。
精神障害の領域…何も活動を行っていないことも施設であるので、きっかけにする。
老人の領域…音楽を等して活動が生まれ、痴呆などにも効果がある。
音楽療法の役割は「入り」に対して「出」を促進することだと考えている。「出」を促進とは、すなわち、一つは自分で表現することですから、演奏したり歌ったりということです。

自由無碍なる表現に向けて
知的障害者の和尚の芸術活動を通じた自己表現のすばらしさ

そして、共に創る人がいる
視覚障害、知的障害の人たちによる触覚的な造形のすばらしさ
芸術の関係性と魂の対話とか

人形劇が創り動かす世界
精神障害者地域作業所での人形劇活動。そうした、公演やロールプレイを通じたコミュニケーションの自己表現の回復など

河肥・真寿窯
熟年の自己表現など

98アート・パラリンピックへの序章
総合芸術のムーブメントあるいはイベントについての意気込みについて

メモ
よく障害者の描いた、奇抜な造形やデザインの絵はがきや個展なんかを紹介、または販売されている。しかし、私は、それを買いたいとは思わない。というのは、何も、有名な画家が描いたポスターでないという理由ではない。デッサンがなっていないとか、造形が陳腐な表現だからというわけでもない。単に、こうした芸術に関心がないというだけである。一応、趣味で私も絵画をやっていたのだが、昔から他人の絵には興味があんまりなかった。自分が表現したい題材やイメージとして好ましいという有名な画家はいたが…。それも、自分の一部であり、表現のツールであるが、障害者が描いたからとかそういった所に関心はない。名前も伏せられて、陳列されたものの中から自分のイメージに好ましいと思うような構図や色彩であれば、障害者も健常者も関係ない。同じように、音楽も踊りもである。と書くと身も蓋もないが、まぁ、いままで、障害者が絵を描いているなんて、あんまり目にすることがない時代もあったわけで、そうした活動の場が出来たことは面白い。街角で、無名のポスターがすごく斬新に映って、実は障害者が描いていたなんて分からないそんな自然なことが出来ればいい。

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