街角の攻防
 
 資源担当の清掃車が近づくと、集積所にさりげなく年配の婦人が立っていたりすることがある。聞けば、ごみが持ち去られないように見張っているのだという。
 資源回収の日、ごみの集積所は見る人が見れば宝の山となっている。これは持っていこうとする者と、そうはさせまいとする住民との小さな攻防が、今、街角のあちこちで始まっている。
 自転車に袋をつけているのはアルミ缶専門。他に、本や雑誌の中で値段になりそうな物を探す「抜き取り屋」と呼ばれている人たちがいる。トラックで乗り付けて新聞紙だけをかき集めていく人たちのことを、業界ではなぜか「アパッチ」と呼んでいる。
 みんなが眉をひそめて眺めているのは事実である。しかし、見方を変えれば、彼らがごみの「減量化」に役立っているといえないこともない。役所の取扱量が減るということだけでも、貢献はあるといえるのだ。彼らがいなくなると資源ごみが清掃車に積みきれなくなると言う現状もあるのだから、役所に義理立てをして見張りをしてくれている婦人には、なんだか申し訳が立たない。

(2000.11)


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