ノ シ ラ ン (熨斗蘭)


 ユリ科。本州の紀伊半島以西、四国、九州、沖縄に分布。花期は7〜9月。 公園の花壇らしい場所で見かけたものだが、「ノシラン」の日本での自生地は紀伊半島以西に限られるので、東京近辺に自生しているわけはなく、明らかに誰かが移植したものである。ヤブランと同様に、名前がランでもユリ科である。

 ノシランの「ノシ」は熨斗のことで、葉の形が熨斗に似ているというので「熨斗蘭」になったと言われている。「熨斗」はノシアワビのこと。アワビの肉を薄く切って伸ばすので「ノシ」と呼ぶ。今の熨斗袋には紅白の色紙を長細い六角形に折ってノシアワビの小片を貼りつけたものが使われているが、かつてはノシアワビを紅白の紙に包んで縁起物としたそうだ。「ラン」は細長い葉が蘭の葉に似ているから。