カ タ バ ミ (酢漿草)


 カタバミはカタバミ科の多年草で、日本全土に分布する。花期は4〜7月。カタバミの仲間には日本在来のアカカタバミ、海外から帰化したムラサキカタバミやイモカタバミなどがあるほか、よくは分からないが園芸用として改良されたものもあるようだ。

 「カタバミ」とは葉が半分という意味だそうで、「傍食」または「片食」がその語源と言われている。だが辞書で調べるとカタバミは「酢漿草」と書く。バナナを小さくしたような形の咬むと酸っぱい果実には確かにホオズキ(酸漿)をイメージさせるものがある。
 夜になると葉を閉じて葉が半分になったように見えるのでカタバミの名になったという意味のことが、ある野草の本に書かれていた。それを読んだ私は、あのハート型の葉が二つ折りになって半分に見えるのだと勝手に解釈し、長らくそう思い込んでいた。ところがあるとき、ふと本当に二つ折りになるんだろうかという疑問を持ち、夜になるのを待って懐中電灯を片手に家の近くに生えているカタバミを見にいった。すると案の定、単純に葉が二つ折りになるというのは私の勝手な思い込みであった。確かに葉は閉じられてはいたが単なる二つ折りではなく、昼間は水平になっている葉が葉柄の付け根から折れたように垂れ下がり、隣り合わせの葉と葉裏を密着させるような形で閉じていたのである。開いていた傘を半分ないしは三分の二ほどすぼめたときの状態を想像すればいい。カタバミはどこにでも生えているから、興味のある方は一度ご覧あれ。
 アカカタバミは葉が赤みを帯びているところから、ムラサキカタバミは花の色がムラサキ色であるところから、そしてイモカタバミは地下茎に芋が出来るところから、それぞれ名前が付けられたようだ。