夏の終わりからキクイモの黄色い花が目につきはじめ、エノコログサの仲間やススキの穂が見られるようになる。 秋の深まりとともにツワブキが咲き、やがて秋の花も終わって冬へと向かう。
 
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マメアサガオ(豆朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
花期:7〜10月
分布:北アメリカ原産
夏から秋にかけて花を咲かせるつる性の多年草。名前の通りに花は直径が1.5cm程度と小さく、色は白色。 日本に入ってきたのは戦後のことだそうである。
マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)
ヒルガオ科ルコウソウ属
花期:8〜10月
分布:熱帯アメリカ原産
五角形の鮮やかな朱赤色の花が可愛らしく、観賞用として庭などに植えられることもある。日本に渡来したのは江戸末期。 原産地が熱帯のせいか、暖かい地方を中心に帰化しているそうである。
キキョウ(桔梗)
キキョウ科キキョウ属
花期:7〜9月
分布:北、本、四、九
秋の七草の「アサガオ」はこの花とされる。また薬草としても知られており、根を煎じて飲むと咳止めに効果があるとされる。一属一種で東アジアに分布する。
チョウジタデ(丁字蓼)
アカバナ科チョウジタデ属
花期:8〜10月
分布:日本全土に分布
湿地に生える一年草。高さは30〜70cm。タデに似るがタデにあらず。花弁は黄色で4個が普通だが5個のものもあるらしい。茎は赤紫色を帯びる。
カラスウリ(烏瓜)
ウリ科カラスウリ属
花期:8〜9月
分布:本、四、九
「暗くなりかけた頃に花を開き、花冠の縁が白いレースのように広がり、芸術的な美しさがある」とある野草の本に書かれていたが、まさにその通り。秋が深まると実が赤く熟し、これもまた別の趣がある。
キカラスウリ(黄烏瓜)
ウリ科カラスウリ属
花期:7〜9月
分布:北(南部)、本、四、九
多年生のつる草。カラスウリに似ていて同じように暗くなってから開花するが、カラスウリと違って翌日の昼頃まで萎まずに咲いている。実が熟すと黄色になるので「黄烏瓜」と呼ばれる。
ヤブマオ(薮苧麻)
イラクサ科カラムシ属
花期:8〜10月
分布:北、本、四、九
高さが1〜2メートルにもなる大型の野草。空き地や道端などで見かけるが、花が地味で華やかさはない。
メヤブマオ(雌薮苧麻)
イラクサ科カラムシ属
花期:8〜10月
分布:北、本、四、九
野や山の日陰に生える多年草。高さは1メートルくらい。ヤブマオに似ているが、葉が薄くて鋸歯が荒い、花序が細いなどの違いがある。
フウセンカズラ(風船葛)
ムクロジ科フウセンカズラ属
花期:8〜11月
分布:熱帯アメリカ原産
花は小さくて目立たないが、まるで紙風船を膨らませたような果実はなかなかの風情がある。観賞用として庭などに植えられるが、荒れ地などでは野生化したものも見られる。
ヒガンバナ(彼岸花)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
花期:9月
分布:日本全土
秋の彼岸の頃に花が咲くのでこの名が付いた。九月頃に田舎を旅行をすると田んぼの畔を埋め尽くすように咲いているのを見ることがある。花期が短いので一斉に咲いたかと思うと間もなく姿を消す。
ゲンノショウコ(現の証拠)
フウロソウ科フウロソウ属
花期:7〜10月
分布:北、本、四、九
山野で見られる多年草。高さは30〜60cm。薬草として知られ、陰干しにした葉や茎を煎じて飲むと下痢止めの効果があり、飲むとすぐに効くところから、「現の証拠」の名が付けられた。
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)
ナス科ナス属
花期:8〜9月
分布:日本全土
藪などに生えるつる性の多年草。全体に軟毛が密生する。花は白色で葉と対生する枝につき、下向きに咲く。秋が深まると果実が熟して真っ赤になる。
ニラ(韮)
ユリ科ネギ属
花期:8〜9月
分布:
高さが30〜50cm多年草。日本に古くから自生しているが、もとから自生していたのか栽培していたものが野生化したものなのかは定かでないそうだ。
ヤブラン(藪蘭)
ユリ科ヤブラン属
花期:8〜10月
分布:本、四、九、沖
藪に生え、葉がランに似ているところから「藪蘭」の名が付いた。しかし、名前がランでもラン科ではなく、ユリ科に属する。自生ばかりでなく、花壇の縁などに植えられることもある。
タイワンホトトギス(台湾杜鵑草)
ユリ科ホトトギス属
花期:9〜10月
分布:沖(西表島)
台湾では普通に見られるそうだが、日本での分布は沖縄の西表島だけ。そのタイワンホトトギスが東京湾の人工島に自生しているわけはなく、誰かが持ち込んだものだろう。
キツネノマゴ(狐の孫)
キツネノマゴ科キツネノマゴ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
道端や草むらなどに生える一年草。花は密集して穂状になるが、 小さいうえに一斉に咲くわけではないので目立たない。
カナムグラ(鉄葎)
クワ科カラハナソウ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
茎や葉の柄に細かいが先の鋭いトゲがあり、うっかり皮膚を擦るとぴりぴりする。雌雄異株で写真は雄株の花。風で花粉を飛ばす風媒花で、花枝を軽く叩くだけで白い花粉が飛び散る。
クワクサ(桑草)
クワ科クワクサ属
花期:9〜10月
分布:本、四、九、沖
荒れ地や道端などで見かける一年草。高さは15〜40cm程度。花は葉腋にひとかたまりになってつき、雄花と雌花が混じる。
コナギ(小菜葱)
ミズアオイ科ミズアオイ属
花期:9〜10月
分布:本、四、九、沖
沼や田んぼに生える一年草。花は青紫色で直径が1.5〜2cm。ナギ(水葱、菜葱)はミズアオイの古名、コナギは小さいミズアオイという意味。
タカアザミ(高薊)
キク科アザミ属
花期:8〜10月
分布:北、本(長野県以北)
湿り気のあるところを好む二年草。大きなものは高さが1〜2mになる。頭花は紅紫色で下向きにつき、総包外片は反り返る。名前は花茎が長くて背が高いことによる。
ツワブキ(艶蕗、石蕗)
キク科ツワブキ属
花期:10〜12月
分布:本(福島県・石川県以西)、四、九、沖
晩秋から初冬にかけて、海岸近くで鮮やかな黄色の花を咲かせるのが本来の姿。伽羅蕗はこのツワブキの若い葉柄を使うのが本物とか。和名は「艶蕗」または「石蕗」の字があてられている。
アキノノゲシ(秋の野芥子)
キク科アキノノゲシ属
花期:8〜11月
分布:日本全土
背丈が2メートルにもなる大型の草で、荒れ地や道端などで見かける。秋の到来とともに茎の上部に淡黄色の花を咲かせる。
ホウキギク(箒菊)
キク科シオン属
花期:8〜10月
分布:北アメリカ原産
明治の末期に大阪で発見された帰化植物。高さは大きいもので1.2mくらい。名前は茎の上部が細かく枝分かれした状態を箒に見立てたもの。舌状花は白色または淡紫色。
ダンドボロギク(段戸襤褸菊)
キク科タケダグサ属
花期:9〜10月
分布:北アメリカ原産
1934年に愛知県の段戸山で見つかった帰化植物で、名前はそのことに由来する。頭花は茎の上部に上向きにつき、すべて筒状花。先端の色は白色ないしは淡黄色。
イヌキクイモ(犬菊芋)
キク科ヒマワリ属
花期:7〜8月
分布:北アメリカ原産
北アメリカ原産の多年草。キクイモに似ているが、花期が早い、地下茎が小さい、舌状花がやや少なくて先が尖るなどの相違点がある。
イガオナモミ(毬巻耳)
キク科オナモミ属
花期:8〜11月
分布:熱帯アメリカ原産
同じ株に雌雄別々の花が咲く。オナモミの仲間では果実が最も大きく、2〜3cmの大きさになる。戦後になって日本に入ってきた新参者で、本州、九州に帰化しているそうである。
アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)
キク科センダングサ属
花期:9〜10月
分布:北アメリカ原産
高さが0.5〜1.5mの一年草。長く伸びた総包片が特徴的。舌状花はあるにはあるが小さくて目立たないので、頭花は筒状花だけのように見える。
コセンダングサ(小栴檀草)
キク科センダングサ属
花期:9〜11月
分布:帰化植物だが原産地は不明
関東地方以西の空き地や河原、埋め立て地などに生える。高さは0.5〜1.0m。頭花は筒状花だけで、舌状花は退化していて見ることができない。
コバノセンダングサ(小葉の栴檀草)
キク科センダングサ属
花期:8〜10月
分布:熱帯アメリカ原産
草地や荒地、道端などで見られる一年草。高さは30〜90cm。葉は羽状に2回深く裂ける。花は黄色。図鑑によると舌状花は1〜3個とあるが、4個や5個のものもみられる。
タウコギ(田五加木)
キク科センダングサ属
花期:8〜11月
分布:日本全土
田んぼの畔や湿地に生える一年草。高さは0.2〜1.5m。アメリカセンダングサに似ているが、頭花は筒状花だけで舌状花がない。
シロノセンダングサ(白の栴檀草)
キク科センダングサ属
花期:9〜11月
分布:帰化植物だが原産地は不明
コセンダングサの変種で、熱帯から温帯にかけて広く分布する。日本に渡来したのは幕末ではないかと言われている。白色の舌状花が数個あるが結実はしないそうである。
タチアワユキセンダングサ(立泡雪栴檀草)
キク科センダングサ属
花期:3〜11月
分布:北アメリカ原産
戦後になって四国や沖縄で見られるようになった帰化植物でコセンダングサの変種。シロノセンダングサに似るが、舌状花が大きくて数も多いなどの違いがある。
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
キク科アキノキリンソウ属
花期:10〜11月
分布:北アメリカ原産
観賞用として庭に植えられていたものが野生化し、戦後になって急激に広がったことで知られる帰化植物。一時は日本の山野を埋め尽くすのではないかと言われたが、今は頭打ちのようだ。
ブタクサ(豚草)
キク科ブタクサ属
花期:8〜9月
分布:北アメリカ原産
道端や空き地、草むらなどで見かける一年草。高さは1mくらい。葉は羽状に深く裂ける。明治初期に日本に入ってきた帰化植物で、ブタクサ(豚草)の名は英名に由来するそうだ。
ブタクサモドキ(豚草擬)
キク科ブタクサ属
花期:8〜9月
分布:北アメリカ原産
1915年(大正4年)に横浜で見つかった帰化植物。港や都市周辺などで見られる。
オオブタクサ(大豚草)
キク科ブタクサ属
花期:8〜9月
分布:北アメリカ原産
ブタクサに似ているがより大型で、背丈が2メートルにもなる。戦後になって日本に入ってきた帰化植物。葉は手のひら型に裂ける。
ヨモギ(蓬)
キク科ヨモギ属
花期:9〜10月
分布:本、四、九、沖
山野で普通に見られる多年草。高さは0.5〜1.2m。昔から若葉をヨモギ餅にするなど食用として利用してきた。葉の表面の毛を集めてお灸に使うモグサがつくられるところから、灸草(キュウソウ)の別名もある。
アレチノギク(荒れ地野菊)
キク科ムカシヨモギ属
花期:5〜10月
分布:南アメリカ原産
道端などで見かける二年草。高さは30〜50cm。茎より枝の方が高くなるのが特徴。南アメリカ原産の帰化植物で日本に渡来したのは明治の中頃。
オオアレチノギク(大荒れ地野菊)
キク科ムカシヨモギ属
花期:7〜10月
分布:南アメリカ原産
大正時代に日本に帰化した二年草。高さは1〜2m。葉や茎に短い毛が密生していて全体が白っぽく見える。頭花は長さが5mm程度で舌状花はあるが小さくて目立たない。
ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)
キク科ムカシヨモギ属
花期:8〜10月
分布:北アメリカ原産
明治のはじめに日本に帰化した二年草。高さは1〜2m。オオアレチノギクに似ているが茎の短毛がまばら、舌状花が大きくて目立つなどの違いがある。
ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)
マメ科アズキ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
草地に生えるつる性の一年草。花はノアズキにそっくりだが、葉の形の違いで区別はできる。
クズ(葛)
マメ科クズ属
花期:7〜9月
分布:日本全土
荒れ地などで一面に蔓を伸ばしているのをよく見かける。夏から秋にかけて濃い紫色の花を咲かせる秋の七草の一つ。地下茎から葛饅頭などの原料となる葛粉、茎から葛布が作られ、葉は飼料となる。
ツルマメ(蔓豆)
マメ科ダイズ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
花が小さくて密に咲くこともないのであまり目立たない。枝豆などになる大豆の原種はこの草だと言われており、果実の莢に毛の生えているところなどは枝豆そっくりである。
アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)
マメ科ヌスビトハギ属
花期:7〜9月
分布:北アメリカ原産
北アメリカの原産の帰化植物。西日本を中心に帰化しているそうだが東京湾の埋め立て地でも見ることができる。
メドハギ(蓍萩、目処萩)
マメ科ハギ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
高さが0.5〜1メートルの一年草で、日当たりのよいところを好む。3個の小葉からなる葉が茎に密生し、花は葉腋につく。
ハイメドハギ(這蓍萩、這目処萩)
マメ科ハギ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
メドハギの変種で、茎の一部が寝て地を這うのが特徴。小葉はメドハギより短かくて幅が広い。花は旗弁の全体と他の花弁の先が紫色を帯びるが、白っぽいものから濃紫色まで変化があるようだ。
ヤハズソウ(矢筈草)
マメ科ヤハズソウ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
マメ科の多年草。高さは15〜40cm。花は淡紅色。葉は側脈が目立つ。葉先を引っ張ると側脈に沿ってちぎれ、残った部分が矢筈のような形になる。
マルバヤハズソウ(丸葉矢筈草)
マメ科ヤハズソウ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
マメ科の多年草。高さは15〜40cm。花は淡紅色。ヤハズソウに似ているが、茎の分岐が多い、葉の先が凹む(特に下部の葉)、茎の毛が上向きに生えるなどの違いがある。
ヤブマメ(藪豆)
マメ科ヤブマメ属
花期:9〜10月
分布:日本全土
藪などで見かけるつる性の多年草。小葉は幅広の卵形。花は紫色で長さが2cmほど。果実はサヤエンドウに似ている。熟した種子にはうずらの卵に似た模様がある。
ヒメジソ(姫紫蘇)
シソ科イヌコウジュ属
花期:9〜10月
分布:日本全土
野や道端などに生える一年草。高さは20〜60cm。茎は四角形。葉は卵形で対生する。花は淡紅色ないしは白色。イヌコウジュに似ているが、茎の毛が少ないことが違いの一つ。
ハッカ(薄荷)
シソ科ハッカ属
花期:8〜10月
分布:北、本、四、九
強い芳香があり、薬用として栽培される。茎や葉を釜で蒸して発生した蒸気を液化させると比重の大きいハッカの成分が底に溜まる。こんな方法でハッカの成分を抽出しているのを見たことがある。
キカシグサ
ミソハギ科キカシグサ属
花期:8〜10月
分布:北(西南部)、本、四、九
田んぼや湿地などに生える多年草。高さは10〜15cm。茎は紅紫色を帯びることがある。葉は対生し、淡紅色の小さな花が葉腋につく。漢字名は不明。
イヌタデ(犬蓼)
タデ科タデ属
花期:6〜10月
分布:日本全土
肥沃な明るい場所を好み、群れて生えることが多い。別名をアカマンマと言い、子供がこの花を赤飯に見立ててままごと遊びをするところから付いた名だそうである。
オオイヌタデ(大犬蓼)
タデ科タデ属
花期:7〜11月
分布:日本全土
空き地や道端、河原などに生え、タデの仲間では見かけることが最も多いもの一つである。「大犬蓼」の名の通り、イヌタデに似ているがより大型で、草丈は0.5〜1mほどになる。
オオベニタデ(大紅蓼)
タデ科タデ属
花期:7〜10月
分布:インド・マレーシア・中国原産
背丈が2メートルにもなる大型の草で、鮮やかな紅色が美しい。この草も観賞用として植えられていたものが野生化して広がり、荒れ地などで花を咲かせている。
ハナタデ(花蓼)
タデ科タデ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
陽当たりの悪い場所に生えることが多い多年草。高さは30〜60cm。日本を含む東アジアに広く分布する。花のつき方がまばらな場合が多く、葉は先が細長くなって中央部に黒い斑紋があらわれる。
イタドリ(虎杖)
タデ科タデ属
花期:7〜10月
分布:北、本、四、九
春先に出るタケノコのような芽が食用になり、酸っぱいので塩をつけてかじった記憶がある。雌雄異株。スイバとともに「スカンポ」とも呼ばれる。
ツルドクダミ
タデ科タデ属
花期:8〜10月
分布:中国原産
中国原産のつる性の多年草。名前がドクダミでもタデの仲間である。日本に渡来したのは江戸時代で、薬用として栽培されていたものが野生化して広がった。
イシミカワ
タデ科タデ属
花期:7〜10月
分布:日本全土
道端でも見られるつる性の一年草。葉はママコノシリヌグイに似ているが、葉柄が葉の下側に付くので区別できる。果実は熟すにつれて淡緑色から紅紫色、青紫色へと変化する。漢字名は不明。
ミゾソバ(溝蕎麦)
タデ科タデ属
花期:7〜10月
分布:日本全土
田の畦や池の縁、河原など湿ったところを好み、群生する性質がある。花は枝の先にまとまって付き、咲き終わると閉じる。色はピンクから白に近いものまで様々。
ツルソバ(蔓蕎麦)
タデ科タデ属
花期:5〜11月
分布:本(紀伊半島)、四、九、沖、伊豆諸島
暖地の海岸に生える多年草。本州での分布域は紀伊半島に限られるそうだから、たぶん人為的に持ち込まれたものだろう。
センニンソウ(仙人草)
キンポウゲ科センニンソウ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
日当たりの良いところを好む蔓性の半低木。花は白色。種子に白い毛があり、それを仙人のヒゲにたとえてセンニンソウ(仙人草)と名付けられたのだそうだ。
アカザ(藜)
アカザ科アカザ属
花期:9〜10月
分布:日本全土
春に芽を出し、冬になると枯れてしまう一年草。若葉の部分が赤色の粉状の毛に覆われて赤く見えるのが特徴。若葉の中心が白くなるシロザの変種と考えられている。
シロザ
アカザ科アカザ属
花期:9〜10月
分布:ユーラシア大陸原産
春に芽を出し、冬になると枯れてしまう一年草。ユーラシア大陸原産の帰化植物で、若葉の部分の毛が白色で白く見えるのが特徴。漢字名は不明。
アメリカアリタソウ(亜米利加有田草)
アカザ科アカザ属
花期:7〜11月
分布:南アメリカ原産
荒れ地や道端で見かける一年草。特有のにおいがある。アリタソウの変種で、花序が長くて葉の鋸歯が深いなどの違いがある。
アリタソウ(有田草)
アカザ科アカザ属
花期:7〜11月
分布:南アメリカ原産
荒れ地や道端で見かける一年草。高さは0.5〜1m。特有の匂いがある。葉柄や茎の毛が多いものと少ないものがあり、毛の多いものをケアリタソウとして分ける考え方があるそうだ。
ゴウシュウアリタソウ(豪州有田草)
アカザ科アカザ属
花期:7〜10月
分布:オーストラリア原産
荒れ地や道端などで見かける一年草。茎は根本から分岐して地を這う。花は淡緑色で葉腋にかたまってつく。
ホコガタアカザ(鉾形藜)
アカザ科ハマアカザ属
花期:9〜11月
分布:ヨーロッパ原産
海岸に生える一年草。帰化植物で東京や大阪の埋め立て地で見られるそうだ。高さは20〜60cm。名前の通りに葉が鉾に似た形をしている。
イヌビユ
ヒユ科ヒユ属
花期:7〜10月
分布:帰化植物だが原産地は不明
茎は直立せずに斜めになるか横に寝る。葉の先が大きく凹むのが特徴。江戸末期に日本に入ってきた帰化植物。
ホナガイヌビユ
ヒユ科ヒユ属
花期:7〜10月
分布:熱帯アメリカ原産
道端や空き地などでよく見かける野草。イヌビユに似ているが茎は直立し、葉の先は凹まない。花穂は最初は緑色だが、果実が熟してくると褐色に変わる。
アオゲイトウ(青鶏頭)
ヒユ科ヒユ属
花期:7〜11月
分布:北アメリカ原産
図鑑によると「ホソアオゲイトウに似ているが穂がずんぐりしている」とあり、アオゲイトウに間違いないと思う。写真は歩道のツツジの植え込みの端に生えていたもの。
ホソアオゲイトウ(細青鶏頭)
ヒユ科ヒユ属
花期:7〜11月
分布:熱帯アメリカ原産
道端や空き地などで見かける野草で、大きいものは背丈が2メートルにもなる。写真は街路樹の横に生えていたもの。
イノコズチ(猪子槌)
ヒユ科イノコズチ属
花期:8〜9月
分布:本、四、九
日陰を好み、林の陰などの陽当たりの悪いところに生える。埋め立て地では同属のヒナタイノコズチに比べると個体数が少ないようである。ヒカゲイノコズチ(日陰猪子槌)とも呼ばれる。
ヒナタイノコズチ(日向猪子槌)
ヒユ科イノコズチ属
花期:8〜9月
分布:本、四、九
道端や空き地などに生えているをよく見かける。陽当たりのいいところを好み、極端に陽当たりが悪い場合には花が咲きにくいようだ。イノコズチに似ているが花の付き方が異なる。
エノキグサ(榎草)
トウダイグサ科エノキグサ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
畑や道端などで見かける一年草。高さは20〜40cm。花序は葉腋につき、雄花と雌花がある。赤い棒状のものが雄花、雌花はその下にある。
コミカンソウ(小蜜柑草)
トウダイグサ科コミカンソウ属
花期:7〜10月
分布:本、四、九、沖
道端などで見かける一年草。高さは5〜20cm。枝の先の方の葉腋に雄花が、茎に近い方の葉腋に雌花がつく。果実は直径2.5mm程度で橙色。名前は果実をミカンに見立てたもの。
ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)
トウダイグサ科コミカンソウ属
花期:6〜1月
分布:アフリカ・マスカレーヌ諸島原産
空き地や道端に生える一年草。高さは10〜50cm。花は枝の葉脇につき、コミカンソウと違って雄花と雌花が混在する。
カヤツリグサ(蚊帳吊草)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
畑や荒れ地、空き地などで見かける一年草。茎を裂いて出来る四角形から蚊帳を連想して「蚊帳吊草」の名が付けられたそうだが、最近は蚊帳を見かけることもなくなった。
コゴメガヤツリ(小米蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
高さが20〜50cmの一年草。カヤツリグサに似ているが、花序の枝が細かく分岐して小穂が密につくなどの違いがある。
チャガヤツリ(茶蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
陽当たりのよいところに生える。カヤツリグサによく似ているが、カヤツリグサは花茎が分岐するのに対し、チャガヤツリは分岐しないので区別が出来る。
ホソミキンガヤツリ(細実金蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:熱帯原産
水田の畦や河川敷などの湿地に生える一年草。高さは20〜100cm。
アゼガヤツリ(畔蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九、沖
湿地に生える多年草。高さは20〜40cm。茎の先端から出た枝の先に5〜10個の濃赤褐色で扁平な小穂がつく。
カワラスガナ(河原菅菜)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:7〜10月
分布:日本全土
湿ったところで見かける一年草。高さは10〜40cm。
イガガヤツリ(毬蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本(関東地方以西)、四、九
海岸の近くでよく見かける多年草。陽当たりのよいところを好む。花序は茎の先端にひとかたまりになってつくが、1〜3本ほどの枝が出ることもある。
イヌクグ(犬莎草)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本(房総半島、近畿地方以西)、
              四、九、沖、伊豆諸島
日当たりの良い海岸に生える多年草。高さは30〜80cm。葉は根元に集まる。花は茎頂の苞の間から出た枝にブラシ状になってつく。
タマガヤツリ(球蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
田んぼの畔などの湿ったところに生える一年草。高さは15〜40cm。花序が丸いのでこの名になった。
ヌマガヤツリ
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:本(中部)
池や沼などの湿地に生える一年草。高さは30〜90cm。茎の先端の長い苞の間から3〜5個の枝を出し、その先に花穂が密集してつく。苞が非常に長いのが特徴。
ユメノシマガヤツリ(夢の島蚊帳吊)
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
花期:8〜10月
分布:アフリカ南部・オーストラリア原産
1984年に東京の夢の島で自生が確認された新参の帰化植物である。1989年頃の分布域は東京湾の埋立地一帯に限られているそうだが、いずれは全国に広がるのだろうか。
ナキリスゲ(菜切菅)
カヤツリグサ科スゲ属
花期:8〜10月
分布:本(富山県・茨城県以西)、四、九
野や山の林内の日陰に生える常緑の多年草。高さは30〜60cm。叢生して大きな株をつくる。葉が堅くて縁がざらつき、菜っ葉が切れそうだというので菜切菅の名になったという。
ヒメアシボソ(姫脚細)
イネ科アシボソ属
花期:9〜10月
分布:日本全土
湿り気のあるところに生える一年草。群生する性質がある。高さは0.4〜1m。小穂の色は緑色または紫褐色、芒はほとんどない。
エノコログサ(狗尾草)
イネ科エノコログサ属
花期:8〜11月
分布:日本全土
エノコログサの仲間は秋を代表する野草の一つ。穂で猫をじゃらすところから付けられた「ネコジャラシ」の別名もある。穂は直立し、大きく垂れることはない。
アキノエノコログサ(秋の狗尾草)
イネ科エノコログサ属
花期:8〜11月
分布:北、本、四、九
道端をはじめ、空き地や公園の中など埋め立て地の大抵の場所で見ることができる。穂が大きく垂れるのが特徴。
キンエノコロ(金狗尾草)
イネ科エノコログサ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
群生する性質があり、一面が金色の穂に埋まった風景は見事である。他のエノコログサの仲間と違ってどこででも見掛ける訳ではなく、生える場所が限定されているようだ。
コツブキンエノコロ(小粒金狗尾草)
イネ科エノコログサ属
花期:8〜10月
分布:北、本、四、九
草地で見かける一年草。高さは15〜30cm。茎の基部が地を這う。穂はキンエノコロより小さく、名前はそのことに由来する。穂の色はくすんだ黄色でキンエノコロのように鮮やかではない。
ムラサキエノコログサ(紫狗尾草)
イネ科エノコログサ属
花期:8〜10月
分布:北、本、四、九
穂の姿形はエノコログサに似ているが色が紫である点が異なる。穂が金色のキンエノコロは独立した種として扱われるが、このムラサキエノコログサはエノコログサの変種として扱われている。
チカラシバ(力芝)
イネ科チカラシバ属
花期:8〜11月
分布:日本全土
日当たりの良い草地や川の土手などで見られる多年草。高さは50〜80センチメートル。別名がミチシバ。
チヂミザサ(縮笹)
イネ科チヂミザサ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
林の中の陽当たりの悪い場所に生える多年草。高さは10〜30cm。葉が縮れて波打っているのが特徴。果実が熟すと粘液を出し、種子はこの粘液によって動物に付着して運ばれる。
ススキ(薄、芒)
イネ科ススキ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
秋を代表する草の一つで、穂が風になびく姿を見ると秋の到来を感じさせる。花が華やかなわけでもないのに、昔から歌に詠まれ、秋の七草の一つとしてその知名度は抜群。別名がオバナ(尾花)。
オギ(荻)
イネ科ススキ属
花期:9〜10月
分布:北、本、四、九
ススキによく似ていて同じように見えるが、オギはススキのように株立ちしないので、根元を見れば区別が出来る。また、穂がススキよりふさふさした感じがする。
アシ(葦、葭、蘆)
イネ科ヨシ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
池や沼、川岸などに生える多年草。高さは1.5〜2mで群落をつくる。別名がヨシ。これはアシが「悪し」に通ずるというので言い換えたもの。
オヒシバ(雄日芝)
イネ科オヒシバ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九、沖
空き地や道端で普通に見られる一年草。別名がチカラグサ。
メヒシバ(雌日芝)
イネ科メヒシバ属
花期:7〜11月
分布:北、本、四、九
空き地や道端で普通に見られる一年草。高さは30〜90cm。雌日芝の名はオヒシバとの対比で付けられたもの。別名がメシバ。
コメヒシバ(小雌日芝)
イネ科メヒシバ属
花期:7〜10月
分布:本(関東地方以西)、四、九、沖
空き地や道端などで見られる一年草。メヒシバに似ているが小型で花序の枝も二個ないし四個と少なく、全体に弱々しい感じがする。
イヌビエ(犬稗)
イネ科ヒエ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
田や畑、草地、道端などどこでも見られる一年草。名前の「犬稗」は食用にならず人の役には立たない稗という意味。
ケイヌビエ(毛犬稗)
イネ科ヒエ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
イヌビエの変種で高さは1〜1.5mくらい。外花頴の先に長い芒があるのが特徴。外花頴も芒も暗紫色を帯びるので穂全体が茶色に見える。
スズメノヒエ(雀の稗)
イネ科スズメノヒエ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九、沖
田んぼの畔や湿り気のある草地に生える多年草。高さは10〜30cm。茎の先に複数の枝を出して小穂をつける。小穂は円に近い楕円形で2列に並び、縁には微細な毛がある。熟すと淡黄色になる。
キシュウスズメノヒエ(紀州雀の稗)
イネ科スズメノヒエ属
花期:8〜10月
分布:熱帯アジア・アメリカ大陸原産
1924年に和歌山県で帰化が確認された帰化植物で、名前はこのことに由来する。高さは20〜40cm。茎の先にふたまたの花序を出し、長楕円形で先が尖った小穂を多数つける。
シマスズメノヒエ(島雀の稗)
イネ科スズメノヒエ属
花期:8〜10月
分布:北アメリカ原産
高さが40〜80センチメートルの多年草。戦後になって急速に広がった帰化植物で、太平洋岸の暖地に特に多いとのこと。スズメノヒエに似ているが、小穂がやや長くて先が尖り3列に並ぶなどの違いがある。
コブナグサ(小鮒草)
イネ科コブナグサ属
花期:9〜11月
分布:北、本、四、九
高さが20〜50センチメートルの一年草。湿ったところを好む。小鮒草の名は葉の形を鮒に見立てたものだとか。八丈島ではカリヤス(刈安)と呼んで黄八丈の染料として使用するそうである。
カゼクサ(風草)
イネ科スズメガヤ属
花期:8〜10月
分布:本、四、九
草地や道端の日当たりが良くて乾いたところに生える多年草。高さは30〜80cm。小穂は紫色を帯びる。
ネズミノオ(鼠の尾)
イネ科ネズミノオ属
花期:9〜11月
分布:本、四、九
日当たりの良いところを好む多年草。高さは30〜80cm。名前は細長い穂を鼠のしっぽに見立てたもの。
ムラサキネズミノオ(紫鼠の尾)
イネ科ネズミノオ属
花期:9〜11月
分布:本、四、九
日当たりの良いところを好む多年草。高さは50〜90cm。ネズミノオの変種で穂の色は赤紫色。名前はネズミノオに似ていて穂が紫色をしていることによる。
マコモ(真菰)
イネ科マコモ属
花期:8〜10月
分布:日本全土
沼や河口などに生える多年草。高さは1〜2mで、群生する性質がある。花序の枝の上部に雌小穂、下部に雄小穂がつく。
セイバンモロコシ(西蕃蜀黍)
イネ科モロコシ属
花期:8〜10月
分布:地中海沿岸原産
荒れ地や土手などで見られる多年草。高さは1〜2m。戦後になって急速に広がり、埋め立て地ではかつてのセイタカアワダチソウに替わって幅を利かせている。
メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)
イネ科ウシクサ属
花期:9〜11月
分布:北アメリカ原産
草地や道端などの日当たりのよいところで見られる多年草。高さは50〜80cm。北アメリカ原産の帰化植物で全国的に広がりつつあるそうである。