【 食 べ て 楽 し む 】
 ツクシ、タンポポ、セリ、ナズナ・・・食べられる野草は意外と多い。早い話が毒草でない限りはたいていの野草は食べられます。 野草は健康食品です。一度試して見ませんか? とは言っても、食べて美味しくなければ意味がない。 そこで野草を美味しく食べる調理方法を紹介しましょう。ただし、まだ緒についたばかりで実践が伴わず、内容はこれからです。 いずれはタイトルの皿にも野草料理を盛る予定。まずは乞うご期待と言っておきましょう。

 野草を食べる場合に最も注意しなければならないのが毒草。誤って食べようものならそれこそ大変。 お腹をこわす程度で済めばご愛敬だが、種類によっては命が危うい。とにかく毒草にだけは気を付けること。もし事故が起こっても責任は持てませんから、 毒草のページを是非ご一読下さい。
 それからもう一つ。いくら食べられるからと言って、絶滅の危機にあるような希少種を引っこ抜いてくるようなことはやめましょう。 これは野草に興味を持つ者の最小限の心得です。




ツ ク シ
 食べられる春の野草と言えば、まずツクシ。九州では春になると八百屋で売られるそうだ。 郊外へ出ればたくさん生えているから、ピクニックなどのついでに摘んでくるとよい。まだ青みの残っているもの、あるいは胞子が残っているものを選ぶこと。 (写真のツクシは胞子が飛んだ後のもの)
 ツクシは昔から食用にされていて、和え物が定番の調理法のようである。ツクシにはハカマと呼ばれる部分があって固くてまずいので、ハカマを丁寧に取り除くこと。 また、まだ胞子の残っているものは頭を付けたままでいいが、胞子が飛んでいるものは頭を取り去って茎だけにする。 よくゆでて十分にアク抜きをするのが調理のコツ。

和 え 物 ゆでたあと冷水でさらし、適当な長さに切って酢味噌で和える。
卵  と  じ ゆでたあと冷水でさらし、適当な長さに切って甘辛く味付けしたあと、さらにとき卵で包んで煮込む。



タ ン ポ ポ
 タンポポは花から根まですべてを食べることができる。おまけに薬草でもあり、根には健胃整腸の薬効があるそうだから格好の健康食品とも言える。セイヨウタンポポなら空き地などにたくさん生えているので、いくらでも摘むことができる。セイヨウタンポポはもともと食用の目的で持ち込まれたものだとのこと。採取に際しては、葉は若いものを、根は古いものを選ぶこと。
 タンポポが苦いのはご承知のことと思う。したがって、苦みを抜く(アクを抜く)のが調理のコツ。

天 ぷ ら 菊の花は食べられる。タンポポも同じキク科。軽く衣を付けて、さっと揚げる。 ただしタンポポの花は夜になると萎むので、昼の間に調理しないといけないのだそうだ。
お ひ た し 葉は苦いが、ゆでたあと冷水に入れておくと苦みが消える。あとはほうれん草と同じようにおひたしや和え物にして食べる。
き ん ぴ ら ゴボウと同じように根を細く切ってからゆでてアクを抜き、そのあとで味付けをする。多少苦みはあるが結構いけるそうだ。
コ ー ヒ ー タンポポの根のコーヒーは意外に有名らしく、あちらこちらで紹介されている。 水でよく洗った根を生のまま細かく刻んでよく炒り、コーヒーとして飲むと健胃、利尿の効果があるが、味の方は保証できません。
お   茶 水でよく洗った根を細かく刻んで十分に乾燥させ、一回にひとつまみ程度の量を煎じてお茶代わりに飲むと、健胃、整腸、利尿などの効果が期待できる。 要するに薬湯です。



ナ  ズ  ナ
 ナズナは春の七草。七草粥に入れるのはもちろんだが、春先の若葉はおひたしにするとおいしい。一年を通して見られる草だが、越冬葉は固くてまずく、年中食べられるわけではない。

お ひ た し 葉をゆでて冷水に通して臭みをとり、ほうれん草と同じ要領でおひたしや和え物にする。



ユ キ ノ シ タ
 ユキノシタは薬草として知られているが、食べても美味しい。ただし、どこにでも生えているという草ではないので、食べるほど採取するとなるとちょっと大変かも知れない。 野草というとおひたしが定番だが、ユキノシタは葉の天ぷらもいける。

天 ぷ ら よく水洗いした生の葉に軽く衣を付けて、さっと揚げる。
お ひ た し ゆでた葉を冷水にさらして臭みをとり、ほうれん草と同じ要領でおひたしや和え物にする。



ツ ワ ブ キ
 育ったのが海の近くで、海岸へ行くとツワブキがたくさん生えていて、摘んで帰ると母親が調理してくれたのを思い出す。調理の仕方はフキと同じ煮付けだったように記憶しているが、どんな味だったかは何故かよく思い出せない。葉柄の煮付けは好物だったんですがねえ。
 ツワブキは素手で摘むと手が真っ黒になるほどアクが強いので、重曹を入れてゆで、十分にアク抜きをするのが調理のコツ。

天 ぷ ら ツワブキはキク科。キクやタンポポと同じように生の花を天ぷらにして食べる。
煮   物 葉柄をよくゆでてアク抜きしたあと皮をむき、適当な長さに切ってフキと同じように煮付けにする。
佃   煮
(伽羅蕗)
葉柄をよくゆでてアク抜きしたあと皮をむき、適当な長さに切って、醤油、みりんなどで味付けして真っ黒になるまで煮込む。伽羅蕗はこのツワブキを使うのが本当なのだそうだ。



【 もし誤って毒草を食べたら 】

 毒草を飲んだり食べたりすると色々な症状が現れる。毒草だと気付いたり異常を感じたりしたら、ただちに胃の中のものをすべて吐き出し、 救急車を呼ぶか、医者の診察を受けるかする。その時に食べた毒草のサンプルがあるとさらに良い。 事情によって上記の処置のとれないときは、下記の日本中毒情報センターへ電話して相談して下さい。 ただし、通常の電話料金のほか、別途に通話料が必要です。
つくば  tel 0990−52−9899
大 阪  tel 0990−50−2499



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更新日1999.1.25