大 田 区 立
 山 王 草 堂 記 念 館 
(2008.1.16)

 
日本で最初の総合雑誌”国民の友”を発刊、続いて”国民新聞”を創刊し、 ジャーナリズムの先駆者と言われる徳富蘇峰は、 1924(大正13年)に大田区山王に居宅を建てて山王草堂と称し、 1943年(昭和18年)に熱海へ転居するまで家族とともにここに住んで代表作である”近世日本国民史”などの著作活動を行った。
 1986年(昭和61年)、大田区はこの旧邸を当時の所有者である静岡新聞社から譲り受け、 蘇峰公園として整備するとともに、 1988年(昭和63年)には山王草堂の保存と公開を目的として大田区立山王草堂記念館を開設した。

 記念館の入り口に旧邸の玄関の部分が復元され、 館内には蘇峰の書斎のあった2階部分が復元されているほか、 ”近世日本国民史”の原稿、弟の徳富蘆花の原稿、 坪内逍遥や与謝野晶子などからの書簡、 蘇峰愛用の文房具や印鑑の類などが展示されている。
 公園内には蘇峰の銅像の台座(銅像は戦時中に供出して今はない) や井戸などの往時をしのばせるものが残っている。
 
徳富蘇峰略譜
 1863年(文久3年)に熊本県上益城群杉堂村で誕生。 1876年(明治14年)に新聞記者を志して上京、 東京英語学校(旧制一高)に入学。のちに同志社英語学校へ移る。 1887年(明治20年)、民友社を創立し雑誌”国民の友”を発行。 その3年後には”国民新聞”を創刊。 1918年(大正7年)に”近世日本国民史”第1巻を起稿。 1924年(昭和13年)、大田区山王の山王草堂が落成。一家で移り住む。 1943年(昭和18年)に文化勲章を受章。 1952年(昭和27年)、”近世日本国民史”第100巻を脱稿。 1957年(昭和32年)に熱海伊豆山晩晴草堂において死去。
 
参考資料:大田区発行の冊子 大田区立山王草堂記念館
学生社刊 大田区史跡散歩


所 在 地 東京都大田区山王1-41-21
交   通 JR京浜東北線大森駅下車、徒歩15分 (地図を参照)