平成16年6月12日 更新

J.S.BACH 私のお薦め

J.S.BACHの作曲した1078曲を集め始めてもう30年を越しました。全曲を集めるのが最終目的ですが、生きているうちに集め切れるが不安が有ります。
このコーナーでは、クラッシクにあまりなじみのない人も含めて、J.S.BACHの良さを判り易く伝えられる曲を選びました。
 
このマークがあるおすすめ曲はMIDI音源がリンクされてます。

カンタータ、オラトリオ
ルター派のキリスト教教会にて行われる、ミサにて使われる音楽です。管弦楽団の演奏に始まり、合唱(コラール)と管弦楽の演奏をつなぎ物語を進行させるソプラノやテノールのレシタティーボで構成されています。一曲が長いので初心者にはつらいかもしれません。初心者の人は、カンタータ、オラトリオは、同時に最大8声の音がでますので、まずは、管弦楽曲やオルガンから入るのが無難と思います。有る程度音が分離できるようになってからでも遅くないと思います。いきなりマタイ受難曲やロ短調ミサを聞いても、混乱するだけです。

おすすめ その1
BWV248 「クリスマス・オラトリオ」
J.S.BACHが作曲した中でも、編成が大規模で、ティンパニーの連打で始まるこの曲は、左右に分かれた楽団と合唱団
が、互いに音を出し合いステレオ効果もねらった曲です。長い曲ですが、第1曲だけでも充分、キリストの生誕の喜びが伝わる明るい曲です。

おすすめ その2
BWV147 「心と口と行いと生活を持って」 
中に挿入されてる合唱の「コラール」が有名です。MIDI演奏はコーラスが再現出来ませのでオーケストラ版です。

おすすめ その3
BWV82 「われ満ち足りて」
バリトンが歌う哀愁に満ちた唄に、心が安まります。


オルガン
当時世界一流のオルガニストとして有名であったバッハは、オルガンを使った曲を250曲ほど作曲していますが中でもBWV 565「トッカータとフーガ 二短調」 が有名です。しかし、トッカータとフーガはほかに二曲有ります。

BWV 538 ドリア調 トッカータとフーガ BWV540 トッカータとフーガ へ長調 この三曲名前が似ていますが、全く聞いた感じが変わります。

おすすめ その1
BWV578 「フーガ ト短調」 (小フーガ)
繰り返しフーガの構造がわかりやすく、主旋律が、右手から左手、そして低音の足へと移動して行きそれを追いかける第2旋律も続けて、そして四声の音が織りなす一大錦になるのです。ジャズボーカルで有名なサラボーンが歌う ラバーズ・コンチェルトの原曲です

小フーガをオーボエ、クラリネット、ファゴットの木管3重奏に編曲した物です。
楽器の音色の違いでオルガン演奏よりフーガの技法や対位法の技法がわかりやすい演奏です。


おすすめ その2
BWV582 「パサカリアとフーガ ハ短調」
低音から高音まですべてのキーを使いますので、音響評価用にも使えます。私が好きなオルガン曲です。

おすすめ その3
BWV 565 「トッカータとフーガ 二短調」
この曲に付いてあまり説明しなくても「タリラー」と言えば判ってしまうほど、いろいろな映画やドラマで使われています。冒頭で述べた、BWV540「トッカータとフーガ へ長調」もなかなか良い曲です。

 おすすめ その4
BWV540「トッカータとフーガ へ長調」
低音が連続していますので、低音の再現性やパワーの確認にも使えます。

クラヴィール(鍵盤楽器)
鍵盤楽器は、国によって呼び方が異なります、ハプシコード(イギリス名) チェンバロ(イタリア名)、クラブサン(フランス名) クラヴィール(ドイツ名)と有りますがすべて、元を爪で引っ掻いて音を出すタイプです。弦をたたいて音を出すタイプの楽器は、ハンマー・クラヴィールと呼びます。この中で、絶対はずせないのが、平均率クラビール曲集 第一巻 (BWV846〜869)の24曲です。これなくしてバッハを語れません。

おすすめ その1

BWV846 平均率クラビール曲集 第一巻 第1曲 ハ長調
後にこの曲を伴奏に、アベマリアの歌詞をつけて編曲した G線上のアリアで有名ですが、アベマリアの旋律は、どこにも含まれていません。しかし、伴奏の和音の中にメロディーが浮かびあがりますので、注意してください。

おすすめ その2
BWV772〜786 二声のインベンションより、

対位法とフーガの技術を学習するのにピッタリです。ピアノの演奏とクラヴィールの演奏が有りますが、バッハの時代には現在のピアノが有りませんので、チェンバロやクラヴィールの演奏が良いと思います。
ジャックルーシェが、 PLAY BACH としてBACHの曲をジャズに取り入れたのもこの二声のインベンションが原曲です。

おすすめ その3
BWV 988 ゴ−ルド・ベルグ協奏曲
BACHの弟子で優秀なクラヴィール奏者であった、ゴールドベルグに捧げられた協奏曲です。眠れない大公の気分を和らげ睡眠を誘うために作曲されています。つまりはじめのアリアと最後のアリアが同じ作りで何度でも繰り返し演奏可能なのです。 


無伴奏パルティータソロ楽器)
 最大四本しか同時に音を出せない、ヴァオリンやチェロを使って二声の曲を作る、BACHは偉大です。 ヴァイオリンやチェロが有名ですが、リュートやフルートなどの曲も良い物が有ります。

おすすめ その1
BWV1007 無伴奏チェロ協奏曲 第一番  ト長調
チェロの胴体から伝わる音を聞くと、心の奥底まで染み渡り、浄化される様な気がします。出来れば日曜の昼下がり、ゆったり、揺り椅子に深々と座り、パイプをくゆらせながら、本を読んでいるシーンに、それとなく流れて来る様な音楽です。

おすすめ その2
BWV1001 無伴奏ヴァイオリンソナタ 第一番
チェロをヴァイオリンに持ち替えて演奏するこの曲も、かなり奥が深い音楽です。共に哲学的になる曲です。パルティータも良い曲です。甲乙付けがたし。心の余裕が有れば、両方聞き比べるとその奥深さが判ります。

おすすめ その3
BWV995 リュート組曲 ト短調
BWV1011 無伴奏チェロ組曲 第五番 ハ短調を転調して編曲したリュート用の曲です。J.S.BACHは、ヴァイオリン以外でもいろいろ演奏出来た様で、中でもリュートを愛していた様です。リュートの物憂げで、優しい音色に心をいやしてください。MIDI演奏は、サラバンドです。

 おすすめ その4
BWV1004 無伴奏ヴィオリンパルティータ 第2番 二短調
シャコンヌとして知られている曲です。ここで演奏されているMIDIは、シトコフスキー編曲によるオーケストラ版です。


協奏曲&管弦楽曲
おすすめ その1
BWV 1068 管弦楽組曲 第三番 二長調
第2楽章のバイオリン2本とビオラとコントラバスの4声でこの豊かなハーモニーが完成出来るとはびっくりすると思います。この曲は、ジャズメンにも結構利用されていますので耳になじみが有ると思います。

おすすめ その2
BWV 1049 ブランデン・ブルグ協奏曲 第四番 ト長調
リコーダー2本とヴァオリンと通奏低音のクラヴィールの掛け合いがとても印象的な曲です。対位法の局地です。

おすすめ その3
BWV 1079 音楽の捧げもの ハ短調
大バッハの対位法、フーガの技法の集大成です。フリードリッヒ大王が与えたテーマをもとに、2声、3声と展開し最大6声まで発展させた、対位法の局地です。おすすめその1にしたいのですが、少し音声を分離できる耳を持たないと、混乱してしまいますので、上級向けです。

 
ここで利用しているMIDI音源は、仙台のNemoさんのホームページからいただきました。
Bachの作品をこつこつとMIDI化している先生です。ご興味の有る方は覗いてみてください。

以上

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