カマデン製デジタルアンプ製作

平成15年7月19日 更新



電卓、時計に始まり、パソコン、カメラと身近な物が、デジタル化しています。オーディオの世界でもCD、レザーディスク、MDとデジタル化の波が押し寄せ、アナログ全盛のアンプにもデジタル製品が並びだしました。市販のデジタルアンプはとても高価格で貧乏サラーリーマンには高値の華でしたが、KGさんが秋葉原で見つけた「トライパス製の1ビット デジタルオーディオアンプユニットが、けっこう安くて良い音がする」と聞き、平成15年5月1日にKGさんの家で開かれる、オーディオ合研のミーティングに出品すべく、キットを4800円で購入して製作に挑戦しました。


カマデンで購入したデジタルアンプキット完成しました。トリオの25センチ2ウエイスピーカー8Ωに接続して音だし中です。
とりあえずお知らせまで、もう少しエイジングしてからレポートを出します。(4/28)

カマデン製デジタルオーディオアンプユニット 組み込んだ状態 
正面 裏面


4800円のカマデン製のデジタルアンプキット(今後 デジタルアンプの名称をDAM-01 1号機をT−1で表現します)を購入して外付けCD-R/RWの抜け殻に装填しました。CD-R/RWには、12Vのスイッチング電源(25W程度)と電源スイッチ、パイロットランプと入力用のRCAプラグ、冷却ファンが残っていましたので、シャーシの工作は出力用の端子と入力ボリュームの追加のみですみましたが、0.5mmの鉄板に穴をあけるのが結構苦労しました。

キットなので、部品を差し込んで半田付けすれば済むのでが、結構パターンが細くてルーペ無しでは、できませんでした。年です、半田ごての先が見えなくなってしましました。組み立てて気が付いたのですが、積層セラミックコンデンサーが1μFにしては小さいことと、トラ技の添付写真とコイルが変更され、トーコーのコイルに変わっていました。

音量

4Ωで20W×2 8Ωで8W×2と現在使用しているアンプに比べると力が足り無いのではと思って、トリオの25cm 2WAY スピーカーに接続して見たところ、結構がんばってくれます。ボリュームの位置11時くらいで充分な大きな音がでます。ただし、例の1812序曲の大砲の音は、びっくりするほど大きな音がでません。仕方が無いことですが、意外と8Wでもがんばっているのに感心しました。

音質

電源を入れてすぐの音は、高音に癖がありややギスギスした音でしたがガメランでエイジングしたら、なめらかになりました。
以下、トリオの25cm 2WAYの影響がでますので高域に少し癖がでますのでその分は、差し引いて見てください。
   

高音の再現性
ストリングス:なめらかですがわずかですが高音に癖が残っています。しばらくエイジングするとさらになめらかになると思います。


金管楽器:
やや明るめの音になります曲によってはやや歪み感が残ります
。モーツアルト「ホルン協奏曲」でバウマンの吹くナチュラルホルンの渋いドイツホルンの音色が、明るく輝きだしなり、フランスホルンの音色に近づき、スイス国境付近まで南下してアルプスの麓でまだドイツの音が少し残っている音です。

空気感、臨場感の再生
グレゴリオ聖歌「サン・ピエール・ド・ソーレム修道院聖歌隊」で教会の鐘の位置の違いがはっきり判ります。ガメランの録音技師の鼻息や演奏者の息づかいなどが聞こえて来ます。定位感が良くなるかもしれません。パリノートルダム寺院で行われたクリスマスミサの音が天空へ抜けていく感じがとてもうまく再現されています。この特性は、デジタルアンプの一つの特徴になりそうな気がします

パーカッション
鈴、トライアングル、シンバル、銅鑼、大太鼓とパーカッションの種類は、幅が広くかつ、ここぞとばかり鳴り響くので、指揮者に取って重要な楽器郡です。これがさわやかに朗々と鳴り響くのです。SATRIより良好です。デジタルアンプは、SATRIを越えているかもしれません。
少なくとも、銅鑼のブーン、大太鼓のド、ドッド、ドーンの様な音を再生する。能力は、デジタルアンプの方が上のような気がします。シエラザードの第4楽章のパッカションいっぱいの音がすごくなまめかしく聞こえます。望むらくは、大砲の音が今ひとつびっくりするほど迫力がでれば最高です。やはり、パワーが必要です。 8Ωで20Wは、絶対必要です

ジャズ

サラボーンのベースに少しパワーが感じられません。でもブラスもドラムスも元気です。サラバーンのややハスキーな声が少し強調される様な聞こえ型です。

総合判断
低音も結構がんばってますが、やや迫力不足ですが、中音、高音とバランスしており問題有りません。デジタルアンプであると感じられません。
高音域にわずかに癖が有り、ストリングスや金管楽器でややきつめの音になることが有りますが、総合的にみて良くできたアンプです。4800円でこれだけの音がでること自体驚異です。
是非、KGさんやKIさんのデジタルアンプと鳴き比べしてどこに差が有るのかはっきりさせたいと思います。(4/29)
                               


デジタルアンプ DAM−01 T−1とトリオ25センチ2WAYの組み合わせでの周波数特性

5/1 第2回オーディオ合研ミーティングでデジタルアンプの聞き比べ

神奈川県の足柄松田にお住まいのKGさんのお宅で第2回オーディオ合研ミーティング開催されその中でデジタルオーディオアンプの聞き比べが行われた。

KGさん作 回路は同じで部品を集めて作成 デジタルスイッチング電源
埴原作   カマデンのデジタルアンプキット(\4800) CD-R・RWの空き箱に入れて作成。デジタルスイッチング電源
KIさん作 カマデンのデジタルアンプキット(\4800) アナログ電源使用

回路も同じで使用しているICも同じであるので同じ音がするかと想像していたが、三種三様個性的な音づくりになっている。ジャズのカーメンマックレーで比較

KGさんのデジタルアンプの音色
音が低音により、高音の伸び艶輝きがない。定位感があまりなく、音像が太り、細身のカーメンマックレーが太ったサラボーンに変身する。

埴原のデジタルアンプの音色
音の再生領域が広く、高音も低音伸びていて、スワンがまるで違う音になった。ハイハットやシンバルの音が輝きだし、明るいきらびやかな音になった。

KIさんのデジタルアンプの音色
音の再生領域は、埴原式とあまり変わらないが、細身で線が細いやや神経質な音になる。

ヴァイオリンで比較
KGさんのデジタルアンプ ヴァイオリンの音がヴィオラの音に聞こえる。線が太くなる、輝きや艶がない。
埴原さんのデジタルアンプ ヴァイオリンの音の艶や輝きが再生できる。現状ではスワンスピーカーとベストマッチングである。

SATRIメインアンプと比較
バイオリンの音がビオラの音に聞こえる。線が太くなる、輝きや艶がない。埴原式デジタルアンプの方が良好である。(オーディオ合研のメンバー3名の意見が一致した。)

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