第3回 オーディオ合研 ミーティング




平成15年7月20日 曇り空の中埴原さんちのオーディオルームでミーティングが開かれた
13:00 新杉田駅にみなさん早めに集合して、みなさんの意気込みを感じました。
13:20 一服の後、デジタルアンプの内蔵の品評会の後スピーカーの選択作業開始。

デジタルアンプの中身披露


左から KIさんアナログ電源  KGさん空芯コイル式 KGさん作 トロイダルコイル式 上デバイダー

オーナーの装置の一部


◎スピーカーの選択
DENON PMA-500に接続した、パイオニアとAKAIとJBLで音だし、リファレンス用のスピーカーを選定。
3種類のスピーカーでベルリオーズ「幻想協奏曲」やJ.S.BACH のオルガン曲「パッサカリアとフーガ」、リムスキーコルサコフ「シェラザード」など聞き比べながら、スピーカーを選択。アルテックの38cm ウーファーからでる、「ズドン」や「ズシン」の音にびっくりするメンバーもいました。
パイオニアの小型のスピーカーが良くこれだけの低音が、なぜだせるのか?と全員がびっくりする時もあり、形は小さいが、低音から高音バランスが良く個性が少ない「パイオニア」のスピーカーをモニター用として選択しました。

◎CD トランスポートの選択
「パイオニア」のスピーカーを切り替え器に繋ぎ替え、ガメラやジャズなどでエイジングしている最中にDVDで再生するCDの音を確認した。ポータブルDVDとアルケミのDACを光りケーブルで接続して、いざ音を出そうとしたら、デジタル信号がでていない。セットアップ方法を試行錯誤しているうちに何とか音だし、石原さんが持ってきた、ポータブルDVDで再生するCDの音は、高音があがり、堅くなめらかなストリングスが再現出来ないことが判明して、レーザーディスクで再生する事にした。

◎デジタルアンプ比較用 CDの選択
14:00 持ち寄ったCDを比較しながら、以下のCDを選別した。

連続した低音の再現性
1位:J.S.BACH「パッサカリアとフーガ」BWV682 パイプオルガンの最低音を含む曲
次点:サンサース「オルガン」低音がパイオニアのスピーカーでは聞こえてこないため

インパルス性の低音特性

一位:ベルリーオーズ「幻想交響曲」 弦の艶、トライアングルの澄んだ高音、バスドラの迫力など総合的に判断出来ることで決定
次点:チャイコフスキー「1812年序曲」例の大砲の迫力を確認用

ボーカルの歪み感(主に高音の高調は歪みの判定用)
1位:マ−ラ−の3番の第五楽章 ウイーン少年合唱団のボーイソプラノ
   とても綺麗なボーイソプラノの声がどこまで再現できるか。
2位:J.S.BACH 農民カンタータから「羊は草をはみ」朝のバロックのテーマソング
   アルトのアリアがややレベルオーバー録音で歪みぽい音をどこまでひずまずに
   再生できるか?

◎デジタルアンプ比較
アナログアンプ DENON PMA-500 と切り替え比較しながら、CDを替えて試聴開始

・KI式:カマデンオリジナル アナログ電源
アナログに比べやや高音に歪み感が残り、低音がやや歯切れが悪いが、ヴァイオリンなどでアナログに勝つ面もあり、引き分けかややアナログの勝ち

・オーナー式1号機:入力コンデンサーマルコンのOSコンデンサー 出力ポリエステルコンデンサー 0.22μF×4 ダンピング用のコンデンサー0.22μF BTL出力間に0.1μF電源 スイッチング 25W電源に4700μFX3 10μFの無極性のコンデンサー使用 トライパス社のホームページに記載されている回路に近い。
KI式に比べると再生領域が広がり高音が伸びているが高域に歪みがやや目立つ。特にバッハのアリアで目立つ。

・オーナー式2号機:入力コンデンサータンタルコンデンサー 出力ポリエステルコンデンサー 0.22μF×4 ダンピング用のコンデンサー0.1μF BTL出力間のコンデンサーなし電源 スイッチング 35W電源
1号機よりさらに低音から超高音まで伸びて、広い帯域、やや歪み感が伴う。2号機の方が1号機よりわずかに良好。アナログとほぼ同等

・KG式1号機:トライパスの回路図を忠実に再現、コイルは自作空芯コイル 入力コンデンサー:サンヨーOSコンデンサー、出力コンデンサー:積層セラミックス 0.22μFX4 電源はスイッチング電源 
今まで聞いてきた中でもっとも聞き易い音で、ヴァイオリンやボーカルの歪み感が少ない。

・KG式2号機:トロイダルコイルその他は1号機とほぼ同等の回路
1号機よりやや歪み感が残る。

まとめ、歪みに関しては、空芯コイルがもっとも良好であったが、まだわずかに高域に歪み感が残り、レベルオーバーの録音では、アナログアンプが優っている。まだまだ、改善の余地が残っていることが判明しました。

17:30 1次会はここで終了、料理準備と会場の設営でしばし鑑賞は中断。
デジタルマルチアンプへ組み替え作業と会場設営の2つに分かれて作業とともに空気の入れ替え。
18:00 2次会 反省会開始 
生ハムメロン添え、サラダ、ビーフシチューに舌鼓を打ちながら、安くておいしいワインのロットの話などしながら、デジタルマルチアンプのエイジングを進める。

 KIさんKGさん   TSさん MUさん
オーナー、TSさん MUさん KIさん KIさん KGさん オーナー
ダイエット中のシェフの自信作のビーフシチュー とても安くておいしいワイン2種類

◎LP VS CD VS XRCD
1時間ほどエイジングした後、LPとCD CDとXRCDに比較試聴を実施 DENON DL-103SとLUXKITのプリアンプの組み合わせてLPを再生。
ミンシュ指揮 パリ管弦楽団 ベルリーオーズ「幻想交響曲」 スピーカーはチャンネルデバイダーでカットオフ 500Hz 12dB/OCTで分けた信号を
低音:埴原式1号機に38cm アルテックウーファー 500Hz -12dBカットオフ 高音:埴原式2号機にパイオニアのスピーカにして再生

びっくりするほど、低音が豊かで力強く迫力がある。中音から高音のつながり良好で、プレゼンスがある。ヴァイオリン、トライアングルなどすばらしい。あれこれ激しく口論していたメンバー全員が無口になり、だだひたすら聞き込む。この演奏にはみなさん感銘を覚えた様である。
引き続く同じ楽章をCDで再生、高音が色づけされ少しきつい感じで、先ほど無口であたったメンバーがあれこれ口を挟む様になった。

これはLPの圧倒的な勝ち。

引き続きミンシュ指揮 シカゴ管弦楽団のXRCDのベルリーオーズ「幻想交響曲」出だしの音でもう開口一番CDよりXRCDが良いと指摘され、以降皆無口になりひたすら聞き込む。

結論
良好 LP≧XRCD>CD 
XRCDがもっと速く世に出ていれば、SACDなんかでてこなかったかもしれない。現行のCDでそのままかけられる、コンパチビリティが保たれ、音が格段に良いこれでもう少し安くなれば、XRCDの天下になるかもしれない。


ここまで来て、大砲の音を聞こうとメンバーの一人が発言しそういえば曲全体を通して聞いていないので、はじめから聞き出した。冒頭から、バスドラのしまった迫力の低音が聞こえ、ますます大砲の音が待ち遠しくなり、あと3分 まだあと少しなどいっているうちに12分30秒 大砲が「ズシン」と鳴り響き、全員びっくり「ズシン」「ズシン」と4台の大砲が大音響でなるたびに、床がブルブルと振るえる。ガラスケースがブルブルふるえる。とても8Wの音と思えない。でも電源がややひ弱な1号機に繋がっているため、2発目の大砲がやや弱くなる。まだまだやることが残っているが、豊かな低音と中音から高音までつながりが良い音が再現出来て、デジタルマルチアンプの可能性が少し見えてきました。

20:00 花火を見るのを忘れて大砲の音を聞き込んでいるうちにすでに花火は始まり少し見ただけでまた、オーディオの方へと戻って行った。KIさん帰宅

オスカーピーターソンなど聞きながら、オーディオ談義、フルオーケストラの伴奏付きのレストランにいるみたいですごくいい気分などといいながらKGさんがオーナーの取っておきの音楽を選んでくださいと発言して中座、取って置きは、迷わず、ショパンコンクール優勝した直後に録音された若干18才のピアニスト「ポリーニ」のショパン「ピアノコンチェルト 1番」のLPかけだして、みな無口になり涙を流すメンバーも出現、熱病におかされその輝きを失う前の「ポリーニ」の華麗で美しくピアノを歌あせた技術にみな脱帽してしまいました。
比較で安べーこと「安川加寿子」の同曲を聴くと、ポリーニの演奏の影響がそこかしこに見えるが、こなし切れてない。熱病で失った物はあまりに大きいような気がしてまったく残念であると結論がでて、ながいミーティングが終わりました。

料理も完食されお変わりも要求されうれしいのと、「ポリーニ」の演奏にその晩、高ぶる感動を押さえきれず、なかなか眠れないオーナーでした。

                                                                                                       以上
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