第2回 オーディオ合研 ミーティング
KGさんちのオーディオ音響環境改善


平成15年12月06日 更新


目的1、KGさんの自信作スワンスピーカーとリスリングルームの音響環境をFFTで測定して、よりフラット方向に改善する。

目的2、今はやりのデジタルアンプを比較しその性能を確認しデジタルの可能性を見極める

実施日 平成15年5月1日 場所 KGさんち  神奈川県足柄郡松田町
KGさんのホームページ

測定装置
CPU IBM Thinkpad 1124 CELLRON 450MHz MEMMORY 197MB HDD 20GB
MIC SONY ECM-250
SOFT WAVE GERENERT0R &FFT
測定技術者 埴原 寛二

測定サンプル
KGさん 自作スワン スピーカー及びリスリングルーム 自作 アナログBTLアンプ

  
KG氏自作スワンスピーカー及びリスニングルームの測定

測定装置を準備して改善前の音響空間の測定を測定使用したアンプは、KGさん自作のBTL接続アナログアンプ
測定結果 低音がこもり、高音がでていない結果となった。300Hzをピークに高域がだらだらと下がり9KHzに鋭いピーク、12KHz、18KHzにピークがある。低音域は、ビール瓶12本の効果で定在波の存在はあまり感じないが、150Hz付近に共鳴するピークがある。
調整前にいろいろと音を出してみたが、高音域がでていない、低音がやたら目立つ傾向は、フルオーケストラ演奏でも、ジャズでも目立つ。

  
測定中の測定技術者と聞き込む評価者2名 KIさん TSさん

  スワンスピーカーの改善 ガメランの音によるエイジング開始

9KHzの鋭いピークは、スピーカーユニットの前にかぶせてある保護用の金属スクリーンの影響である可能があり、金属スクリーンを取り外した。

低音から高音まで鋭いピークが含まれるガメランの音を大きな音で30分ほどならしその効果を確認した

 
上段 エイジング前 下段 エイジング後

300Hzから3KHzにかけての領域がフラットになり10KHz付近もあがって来ているのが見える。この状態でCDを演奏して見たがまだ、高域が不足で輝きや艶の再現ができていない。

  スーパーツイターの追加

使用していなかったスーパーツイターを追加したが、手持ちのコンデンサーが0.5μFしかなく、2個並列に繋ぎ1.0μFへして接続、CDでジャズをかけながら、ツイターの前を本でふさいだりはずしたりしながらツイターの効果を確認した。 計算上では10KHzより上に再生域があるが、その効果が聴感でも認められジャズのハイハットやシンバルの音が生き生きと再現できるようになった。

 
上段改善前 下段エイジング+スーパーツイター追加


KG氏自作 スワンスピーカー+スーパーツイター

  デジタルアンプの聞き比べ

KG作 回路は同じで部品を集めて作成 デジタルスイッチング電源
埴原作 カマデンのデジタルアンプキット(\4800) CD-R・RWの空き箱に入れて作成。
      デジタルスイッチング電源
KI作 カマデンのデジタルアンプキット(\4800) アナログ電源使用

回路も同じで使用しているICも同じであるので同じ音がするかと想像していたが、三種三様個性的な音づくりになっている。ジャズのカーメンマックレーで比較

KG式デジタルアンプ 音が低音により、高音の伸び艶輝きがない。定位感があまりなく、音像が太り、細身のカーメンマックレーが太ったサラボーンに変身する。

埴原式デジタルアンプ 音の再生領域が広く、高音も低音伸びていて、スワンがまるで違う音になった。ハイハットやシンバルの音が輝きだし、明るいきらびやかな音になった。

KI式デジタルアンプ 音の再生領域は、埴原式とあまり変わらないが、細身で線が細いやや神経質な音になる。

バイオリンで比較
KG式デジタルアンプ バイオリンの音がビオラの音に聞こえる。線が太くなる、輝きや艶がない。
埴原式デジタルアンプ バイオリンの音の艶や輝きが再生できる。現状ではスワンスピーカーとベスト
マッチングである。

SATRI アンプと比較 バイオリンの音がビオラの音に聞こえる。線が太くなる、輝きや艶がない。埴原式デジタルアンプの方が良好である。(メンバー3人の意見が一致)

結論
音響空間:ビール瓶12本による定在波の削減効果が認められるが、150ヘルツ付近にまだ定在波が残っている。やや小振りな瓶の追加が必要。

スピーカー:ユニットの前に設置してあった金属スクリーンの除去とエイジングにより中域があがり、特性がフラットになったが、10KHz以上の再現のためにツイターの追加が必要。
推奨設定 6500Hz付近に谷があるのでこれより上の領域をツーターに持たせるネットワークを作成することを推奨します。(ハイカットとハイパスのネットワークを使い2ウエイスピーカーシステムにする。)

アンプ:KG氏自作のアンプは全体に高音域が不足している物が多く、これが艶や輝きの再現が難しい原因となっている傾向がある。20KHzよりも上せめて200KHzまでフラットな特性が必要である
後日埴原家でSATRI MAIN AMPを測定した結果でも傾向がでている。グラフィックイコライザーで、測定結果を基に補正をかけた結果、バイオリンや金管楽器の輝きが再現できた。

デジタル回路だけでなく使用する電源や配線に注意を払うとワイドレンジでハイスピードなデジタルアンプを作成できる可能性が判明した。


KG氏作成サトリアンプの周波数特性です。横軸は対数表示で1が10Hz 3が1KHz 5が100KHzです


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