美しい人は、より美しく、、、 デジタル画像で彩度の上げ過ぎに要注意  

 Digital photo  
■ 美しい人は、より美しく   ●○ Exit   
Digital Photo Technique :小瀬村 茂


美しい人は、より美しく、そうでない人はそれなりに、、、
かって、樹木 希林さんによるフジフィルムのテレビコマーシャルがありました。

ここで気になるフレーズは 「美しい人は、より美しく」
つまり、写真をうまく撮るということは、実際以上に綺麗に(あるいは汚く)誇張して撮るということです。
特にネイチュア写真を志向するアマチュアカメラマンは見た目以上に美しく撮ろうと腐心します。(筆者もそうです)
リバーサルフィルムのベルビアが絶大な人気があるのも、このフィルムがひとえに精密な描写とともに、色彩の強調を追求して開発されたからに他なリません。
よく山岳写真で見かける真紅に染まったモルゲンロートの雪山の写真、これは赤色が見た目以上に強調されている場合が多い。(赤フィルターなし)
それは判っていても、神々しい山の写真を表現するにはその方がよい。 山岳写真撮影で使われるフィルムの多くがベルビアであることもうなずけます。

しかし、銀塩フィルムの場合その強調される範囲は限りがありました。また撮影者自身が色をコントロールすることはできない。 それはあくまでもフィルム特性と現像時の化学処理のプロセスで決まってしまう。


翻って、デジタル写真に目を向けてみると話が変わってくる。
デジタル画像処理で、「明るさ」「コントラスト」「彩度」「色相」 といった各要素をソフト上で調整すると、いとも簡単に 画像を劇的に変化させることができてしまう。 中でも、要注意なのは「彩度アップ」です。 画像処理初心者は、鮮やかな画像の方がインパクトがあるため、ついつい彩度を上げ過ぎてしまいます。
使う画像処理ソフトはアドビフォトショップがよい。何しろ Adobe Phoyoshop は汎用性の高いグローバルスタンダードだ。

●なぜ彩度を上げすぎてしまうか、それには理由があります
「人は同じ色を長い間見続けていると、それに順応してしまうのです。 順応してしまうと、それに対する色反応が鈍くなり、鮮やかな色も鮮やかに見えなくなってくる。
画像処理しながらパソコンのモニターを眺めていると、だんだんと色に対する感覚が鈍くなってきて、物足りないからもっと彩度 を上げてみようということになり、さらに彩度をアップする。 こうして知らず知らずのうちに鮮やかさが強調されていくが、それが行き過ぎていることに本人は気づかない。


●彩度調整の行き過ぎを防ぐには、色反応の鈍化を補正をしながら作業する
色反応の鈍化はパソコンのモニターを長く眺めていることが原因。だから
ときどきパソコンから離れ、外の景色を見たりして眼を休めることです。
サンプルとなる色見本と比べるのも効果があります。 正しく画像処理された似通った絵柄の写真を同じモニターに出して、 処理中の画像と見比べる。筆者は以前調整済の写真を何点かモニターで眺めながら調整しています。
そうすることによって、色反応が鈍化していることに気づき行き過ぎた調整を防げる。


●作品としての品格さえ損ねる結果になる
RAW現像処理する機会も増え、画像処理が身近になったからこそ、、 撮影現場でもっとしっかり被写体を見つめることが大切だと私は痛感しています。 鮮やかな写真は一見インパクトはあるが、 作品としての品格さえ損ねる結果になる。要注意です。

※山岳写真工房が使っているプリンターは保存性能に優れた顔料系プリンターエプソン PX-5600 を使用しています。




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