勇者ゆたすけの冒険
●第11章●
「運命の出会い」


 さんざん引っ張ってしまいましたが(悪気はないんです) (うそ)、第11章にしてようやくゆたすけりんごが出会います。今、皆さんは歴史的な瞬間の目撃者となるのです!!


 もうヘロヘロっす。もうたまらんっす。こんなに歩き回ったのもすべてりんごのせいだ。会ったら文句言ってやる。いやいや、文句を言うだけじゃ気分が収まらない。武器屋の裏にでも呼び出して、熱いのをお見舞いしてやらないと(どんなんだ)。

 しかし、いざリリザの町に入ってもりんごの姿は見当たらない。どこじゃあ、どこにいるんじゃあ、ガルルルルル....。ボケる余裕もないほど疲れ切ったゆたすけは、疲れた体を引きずるように宿屋へ入って行った。

 何だ?

 何だ、このは?

 宿屋の奥のテーブルに、見知らぬ少年がこちらに背を向けて座っている。ゆたすけは自分の目を疑ったが間違いない。はその少年の身体から放たれていた。少年がゆっくり振り返る。

どき

 彼がりんご.... りんご君に違いない。間違いない。ぼくには分かる。

 何て可愛いんだろう。今までたくさんの人々と会って来たが、こんなに美しく、こんなに愛らしい少年に出会ったことはなかった。妹もむしゃぶりつきたくなるほどの美人だったが、その兄であるりんご君がこんなに可愛かったとは....。

 口には出せなかったが、ゆたすけは心の中でこう叫んでいた。

ぼくは君と出会うために生まれて来た

ボクは サマルトリア
りんご王子です。
  (何て美しい声なんだろう)
もしや キミは ローレシア
ゆたすけ王子ではっ!?
  (今ぼくの名前を呼んだ!!)
いやー さがしましたよ。
さあ ちからを合わせ
ともに たたかいましょう!
  (ちからを....あわせ....ともに....)


 ついに運命的な出会いをしてしまった2人(しかも宿屋で....)。そして歯車が狂い始めた冒険日記(爆笑)。この先、一体どうなるんですか? (聞くなよ)

 ということで、は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。

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