名もなき町娘のさりげない一言に翻弄されてしまいそうな、根っからの虚弱体質ボーイは、胸の中で「あの感情が恋というものなのだろうか?」という疑問をリフレインしながら、さらに平民たちと言葉を交わすことにした。
サマルトリアには 若き王子
ムーンブルクには 美しい
王女さまが いるようです。
きっと ゆたすけ王子さまと
気が合うことでしょう。
美しい王女だとお? それを早く言わんかい。よし、何だかやる気が湧いて来たぞ(遅いよ)。そうとあらば、こんなところで油を売っている場合じゃない。さっそく冒険開始じゃあっ(早くもキャラクターが変わり始めている)。
ゆたすけは城下町の外れにある道具屋でやくそうを買い込み、さっそく城の外へ出ることにした.... と思ったが、念のためここで冒険の書にここまでの記録を書き込んでもらおう。ということで、ゆたすけは城を出ることなく再び王の前へ舞い戻るのであった。
大臣「ゆたすけ王子
たくましくなられて……。
じいは うれしゅうございますぞ。
人間、薬草を買っただけでそんなにたくましくなれるものなんだろうか....。いや、そうではない。「美しい王女」という旅の目的ができたために、ぼくの顔の輝きが出発前とは段違いなんだろう。その内面の美しさが、大臣にはたくましく見えたんだ。そうだそうだそうに決まったそうに違いない。
ゆたすけは(今度こそ)城の外へ足を踏み出した。とりあえずは城の周りで地道にレベルアップだ。などと言ってるそばからまもののむれ(凄え言葉だよな)が現われた!! スライムトリオだ。おのれ、こちらは1人だというのに3人がかりで襲いかかってくるとは。手前たちゃ人間じゃねえ(そりゃそうだろ)、叩っ斬ってやるぅ!!
などというすっかり1人ヒートアップ状態の戦闘を何回か繰り返した後、ゆたすけはレベルが上がってしまった(イヤなのかよ)。
城下町の宿屋で一休みした後(城には自分のベッドはねーのか)、町外れにある道具屋で革の盾を購入した。
そういえば、店で武器防具の類を買うと店の主が「さっそく装備なさいますか?」と聞いて来るが、あれ、実際はどんな感じなんだろう? 剣とか盾を買った場合、装備すると言ってもただ単に手に持つだけだし、逆に服とか鎧とかを買った場合は店の主が「以前に装備していた服・鎧を脱がし」「新たに購入した服・鎧を着せてくれる」ということなんだろうか。
そんな疑問を抱きつつ(人間、一生勉強です)、ゆたすけはローレシアの北西に位置するリリザの町を目指すのであった。
第3話にして早くも冒険が始まってしまった(だからイヤなのかよ)今回の冒険日記。次はどんな展開が待ちうけているのやら。書いている自分もドキドキです(行き当たりばったりじゃねえか)。
ということで、愛は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。