陸軍大臣からジュールダンへの手紙
1798年12月11日



[陸軍大臣からの手紙、霜月21日、12月11日]

 市民将軍殿、すぐ司令部をストラスブールに移し、上ラインに歩兵12個大隊、騎兵6個連隊を派遣するのがあなたに対する総裁政府の希望であることを知らせる。
 現時点でオーストリア軍が我々への攻撃をもくろんでいることはありそうにないと思われるが、彼らのいくつかの動きに細心の注意を払うよう勧めたい。
 現時点で私はあなたに兵の増援を送る計画を立案中だ。既に第27及び第89半旅団はメンツ方面軍に合流すべく行軍命令を受けている。
 国内の部隊を代替するよう予定している新たな半旅団が組織され次第、さらに他に8個半旅団を送る。必要な増援をできるだけ早くあなたに供給するため、これらの新たな部隊の編成を加速するべく私自身が最大限の権力を行使することも確約する。
 エルヴェティーの総裁政府はフランスに完全編成の6個半旅団を提供することで合意した。私はちょうどこれらの部隊を編成するための資金を支払ったところで、1ヶ月以内に部隊の準備が整うものと期待している。ショーエンブールによる徴収兵の編成が進めば、ドナウ方面軍を増援するためスイスからフランス部隊7個半旅団を引き抜くこともできるようになるだろう。
 既に知らせたように、我々はあなたと協力し、あなたの軍の右翼を構成しているエルヴェティー方面軍を彼らが求める戦力によってしかるべく強化する。そしてその定数以上の兵をあなたの軍に送るつもりだ。
 現時点で彼らは歩兵13個半旅団、軽騎兵4個連隊、軽砲兵4個中隊、そして徒歩砲兵10個中隊で構成されている。
 メンツ方面軍はベルギーにいる第66半旅団も含めて歩兵11個半旅団、9ヶ所の県にある4個連隊とリエージュにいる第3ユサール連隊も含めて竜騎兵26個連隊、そして騎馬砲兵14個中隊、徒歩砲兵38個連隊から成っている。
 もし私が期待しているようにあなたの部隊を満たすための徴収兵が到着すれば、オランダの2個半旅団はあなたとともにとどまるだろう。そうすればあなたの軍は歩兵13個半旅団で構成されることになる。それに私がまさに送ろうとしている2個半旅団がさらに加わるだろう。
 15日から20日以内にあなたは適切に装備し実際の軍務にふさわしい30個大隊を持つことになると私は考えている。そしてその少し後にはあなたに16個大隊から成る他の8個半旅団の派出を試みるつもりであり、合計は46個大隊になる。
 編成されたスイス人部隊と、スイスが提供する大隊とでさらに14個大隊となるため、あなたの軍は計60個大隊で構成される。これが、あなたの軍のために私の労力が生み出せる増強分全てだ。
 私があなたの騎兵を増援するため6000頭の馬匹徴収を命令してしばらく経つ。二度目の6000頭徴収を命じてからは60日経過していない。従って戦役開始前にはあなたの軍は6000頭の馬匹で増強され、残りもそれに続くものと期待している。
 またあなたの軍のため1500頭の砲兵用馬匹も用意しており、これらのうち国内にいる全てについてあなたに送るよう命令を出した。従ってこの点についてのあなたの欠乏分は補充どころか上回る量を得られるだろう。
 かくして我々とって早すぎるうちに敵が始めることはないと思われる戦役開始時に、あなたの軍は歩兵60個大隊で構成されることになる。エルヴェティー方面軍は歩兵12個大隊だ。それに加えてスイス歩兵18個大隊、騎兵30個連隊、軽砲兵18個中隊、徒歩砲兵48個中隊がある。
 またあなたの背後の要塞を守るための守備隊として歩兵30個大隊といくつかの騎兵連隊が残ることになる。

google book "Memoir of the Operations of the Army of the Danube, Under the Command of General Jourdan" p28-32


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