エルヴェティー総裁政府から議会へのメッセージ(抜粋)
1799年3月17日



 君主国の中でスペイン以上にエルヴェティー共和国に対し偽りのない友情を示している国はない。帝国内のいくつかの諸侯も、共和国を承認するだけでなく、彼らと我々の共通の利益と、彼らの臣民とエルヴェティーの市民との間にこれまで存在してきたよき隣人関係に関して、交渉に入っている。共和国は特に利害を同一視している姉妹共和国を頼りにしている。チサルピナの使節はルツェルンに到着し、リグリアの使節も任命されたと我々に知らせてきた。ローマ共和国はその誕生の時から我々と親密な関係を維持している。それは最近の危機によって一時的に中断されたものの、今では通常の状態に戻った。ピエモンテの暫定政府は、人民の名により、かつて我々とサルディニア王との間に存在した関係を再開した。バタヴィアは総裁政府の働きかけに応じていない唯一の共和国である。しかしこの要因は、距離と連絡の困難以外の何者にも帰するものではない。ヌシャテル公の称号によってスイスと関連を持つプロイセン王は、我々の政府の再生について宣言した公式文書についていまだに返事をしていない。しかしヌシャテル政府は我々と昔ながらの関係を維持しており、エルヴェティーの市民はあらゆるプロイセン国内で友人として迎えられている。オーストリア家は同じ尊敬を持って我々を取り扱っていない。共和国が我々の領土に封建的権利を持つドイツ諸侯に対して約束した補償の担保を手に入れる口実の元に、ウィーンの銀行に投資されたエルヴェティーの基金は仮差し押さえされ、オーストリアの臣民はスイスに支払うべき彼らの負債の返済を禁止された。我々の反革命主義者たちはオーストリア国家内で保護と支援を受け、あらゆる場所からやって来た多数のスパイは、旧政府を再建するため帝国軍が行軍していると宣言している。我々と偉大な国家との親密な関係は、あらゆる不当行為を忘れるのに十分なものだ。二つの共和国の利害はあまりに一致しているので、その国力の不均衡にもかかわらず、小規模な共和国の破滅は規模の大きな方にも不愉快な結果を伴う。フランスがラシュタットで講和を結ぶ望みを保つ間は、1万8000人を徴兵する布告の実行は延期されるが、和平の望みがなくなればその法律は実行に移される。

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France, Volume 8" p172-173


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