フランス軍に対するマセナ将軍の布告
1799年3月16日



 勇敢な兵士諸君、
 フランス共和国の総裁政府が圧制下にある人民の望みに従い、オーストリア軍の指揮官にグリゾン地方からその兵と伴に撤収することを呼びかけるよう私に命じた時、諸君は戦いを求められることになるとは予想していなかっただろう。しかし諸君は諸君と対峙する抵抗によってそうすることを余儀なくされた。ライン渡河、強行軍、困難な道路、あらゆる要塞における物資欠乏、極度の寒さ、塹壕、堡塁、砦、それらの全てを諸君は乗り越えてきた。そして5日の間に諸君は1万人の捕虜、40門の大砲、かなりの量の軍需物資と5旒の軍旗を奪った。敵に雇われているグリゾン中隊から得た20旒の軍旗はこれに含まれていない。彼らは騙された農民たちであり、手強い敵ではない。一言で言えば、諸君はフォーラルベルクの陣を奪い、グリゾン地方の全てを占拠し、その人民を彼ら自身と自由へ復帰させた。これが諸君の労働とその帰結である。これらの仕事は諸君に名誉をもたらし、その帰結はライン方面軍とイタリア方面軍の勇敢な兵士たちが堕落してないことを敵に教えたに違いない。勇敢な兵士諸君、諸君の栄光は純粋なものだ! 私が罰しなければならなかったあらゆる行き過ぎた行為が諸君に帰するものであることを、私は今では疑っていない。それは僅かな臆病者、狡猾な個人によるものだ。しかしこれらの者はいつも敗者にとって災害であり、しばしば勝者の栄光を傷つける。――兵士諸君、彼らを諸君の中から排除せよ。そして諸君の隊列の中に彼らを発見した場合はいつでも正義を行え。そして、諸君が模範的な勇者であるなら、諸君は決してよき行いと規律の手本であることを止めることはないだろう。

 (サイン)マセナ

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France, Volume 8" p170


――1799年ドイツ・スイス戦役史料集に戻る――