総裁政府からジュールダン将軍への手紙の写し
1799年3月15日



 市民将軍殿、オーストリアのスパイはシュヴァーベンで現在の政府に対する偽りの反乱を華々しく組織する仕事に忙しく従事している。共和国を生まれさせようとする望みの裏には、彼らの計画が隠れている。全ドイツ諸邦に警戒をもたらし、共和国をあらゆる非民主的国家にとって共存できない敵として描き出すことにより彼らを共和国に敵対する同盟へと走らせるのが、彼らの本当の狙いだ。これらのずる賢い敵は、おそらく何人かの啓発的である以上に活動的な愛国者と結びつく手段をも見出し、彼らの自由を愛する心を我らの敵の計画成功に寄与させてすらいる。総裁政府はこれらの不実な陰謀にあなたが注意を払うことを望む。人民が友好的かつ平和であり、扇動者にとって決して好都合でない傾向のあるあらゆる政府において、あなたがそれに対抗し、その英知に拠りできるだけ敵の望みと努力を破壊するためのあらゆる手段を試みることを期待している。
 共和国に敵対すると宣言するであろう政府に関しては、彼らは疑いなく総裁政府の方が干渉するに値しない。従って、彼らの胸中での反乱に好意的にならないようあなたに指示することを促す彼らの利益を考慮する必要はない。しかしシュヴァーベンのドイツ諸邦はとても入り組んでいるので、もし一ヶ所で火がつけば炎が他の地域へ伝わるのを妨げるのは困難であることにあなたは敏感でなければならない。そしてそのような場合、あなたは自らの行為を、自分が知っているあらゆる動きについて政府に的確に知らせることのみに制限しなければならない。あなたは後で状況に応じて命令を受けることになるだろう。

 追伸。この手紙に含まれる命令を、あなたの下で一方は監視軍、他方はエルヴェティー方面軍を指揮しているベルナドット将軍とマセナ将軍に伝達しても構わない。

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France, Volume 8" p169


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