ジュールダンから総裁政府への手紙
軍事行動案



 全フランス軍は6つの軍に分けるべきである。そのうちの一つ、6万人の軍はナポリ王国、トスカナ、ピエモンテの征服と、それぞれの政府を共和制に変えるのに使う。この戦力はイタリア内部におけるよき秩序の維持と安定にも使われる。
 4万人から成る第2の軍はオランダを守り、ライン河沿いにある我々の町を確保し、エーレンブライトシュタイン、マンハイム、フィリップスブールを包囲下に置く。この戦力はドイツで行動する軍の連絡線と輜重を守る。
 ドナウ方面軍と呼ばれる8万人から成る軍は、ラインからドナウへ最短の線を通って戦線を延ばす。――この軍は後者の河[ドナウ]によって左翼を、右翼はティロルの山々によって守られる。この軍は前哨線をエンス川まで拡大する役目を担う。
 4万人から成る4番目の軍はスイスから進んでティロルの内部へ浸透する。そしてドナウ方面軍とイタリア方面軍の移動についていくことになっている。
 4万人から成るイタリア方面軍はヴェネツィア国内にいる敵を攻撃し、クラーゲンフルトへ向かう。
 後者の3つの軍[ドナウ、スイス、イタリア方面軍]はエンス川で合流し、一人の司令官の下に置かれ、そしてウィーンへ至るあらゆる道路を占拠してオーストリアの首都へと戦線を延ばす。そこにおける決定的な戦いは、疑いなくかの国の運命を決める。
 2万人から成る6番目の軍はスイスに残る。
 以上が戦役計画の基本である。そのあらゆる部分は、実行に移す手段に関連した詳細な手順を受け入れて拡充する余地がある。そして、それを明らかにするため私自身が軍務に就くことを申し出るものである。
 兵力概要
 ナポリ方面軍……6万人
 イタリア方面軍……8万人
 ティロル方面軍……4万人
 ドナウ方面軍……8万人
 ライン監視軍……4万人
 スイス監視軍……2万人
 合計……32万人

google book "Memoir of the Operations of the Army of the Danube, Under the Command of General Jourdan" p5-7


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