ヴュルテンベルク公との
休戦協定



 ヴュルテンベルク公とラン=エ=モーゼル軍指揮官モロー将軍との間で締結された休戦協定

 I ヴュルテンベルク公は彼の分担として[対仏]同盟に提供している兵を即刻引き上げる。この兵たちは引き続き武装でき、公は彼らを領地内の治安を維持するために適当と考えるように雇うことができる。
 II フランス兵は将来は公国内の町を自由に通過できる。兵たちはこの条項により町内のどこにも行くことができ、住民のどの家にも、あるいは兵舎でも状況に応じて宿営することもできるが、常に住民に大しては危害をもたらしてはならない。
 III 指揮官は軍事作戦を継続するため兵と伴に公国を通過するに際し、人々と財産に敬意を払う。彼はまた宗教及びこの国の民間法及び軍法を傷つけることのないよう必要な注意を払う。
 IV もし兵が公国の通過や滞在を続け、穀物、パン、肉、秣、カラスムギ、木材、車両、馬匹などの必需品を地域から集める必要がある場合、将軍または兵站担当者からの要望であればこれらの品物は拒否されない。ただしそれらはヴュルテンベルク公が軍に供給する食糧や現金の負担分と計算して受け取られる。個人から購入される他のあらゆる品物は軍の会計係から現金で支払われる。休戦の日以降にデュシェーヌ将軍麾下のフランス兵に提供された品目は、要求される食糧の負担分から差し引かれる。
 V ヴュルテンベルク公はラン=エ=モーゼル軍の会計係に対し、フランスの通貨で計400万を以下の方法で支払う――10日以内に100万、続く10日間に200万。残る100万は休戦締結から2ヶ月以内に支払う。
 加えてヴュルテンベルク公は食糧と他の物資を、個人的な取り決めに従い提供する。
 VI ヴュルテンベルク公はフランス共和国との和平交渉のため、パリの総裁政府に全権大使を送る。
 VII 公の特別保護下にあるエスリンゲンとレンティンゲン及びドワガー公女に属するジンドヒンゲンとベヒンゲン領はこの休戦に含まれており、その結果彼らの歳入の割合に基づいた分担金の要求に従うことになる。
 VIII ヴュルテンベルク公が、フランス共和国に対して交渉を望むであろうシュヴァーベン・クライス諸国の名において成した交渉に関する提案について、指揮官は全てに耳を傾ける。

 バーデンの司令部、収穫月29日、フランス共和国暦4年(7月17日)

 (サイン)モロー

 ラン=エ=モーゼル軍指揮官

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France" i-ii


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