フランケン・クライスとの
休戦協定



 フランス共和国とフランケン・クライスの間の休戦協定

 我々、全6ヶ所ある帝国直属フランケン騎士を含む同クライスの全ての国の名と権限によって任命されたフランケン・クライス議会の構成員と、市民の一部と指揮官ジュールダンから適切な権限を委託された将軍オーギュスト・エルヌフは、フランケン・クライス住民の平安確保と、勝利を得たフランス共和国軍の地歩を強固なものにする望みに励まされ、以下の条項からなる合意に達し、署名した。
 第I条 指揮官によって公に印刷され発布された声明を最も実直に遵守するべく厳格な秩序を守り、人命と財産の安全を尊重し、宗教的な礼拝及び地域の法と慣習は維持される。
 II 前項の精神に基づき全ての住人は、掠奪や他の越権行為を発見された兵士その他軍に所属する者を逮捕または告発し、彼らが上官の下に送られ厳しい法によって罰せられるようにする権限を持つ。
 III フランケン・クライスの全住人は、あらゆる戦争の惨禍を一時的に避けるため各自の居宅を去っていた著名な公人も含め、彼らの財産と同様に彼らの家族と召使と伴に、この文章の公表から20日以内に帰還する自由を有する。彼らは戦争に参加していない他の大人しい住民と同じ安全と保護を享受することができる。20日の期限が過ぎた後では、指揮官の特別の許可がない限り誰も帰還を許されない。
 IV フランケン・クライスはフランス政府に対し分担金800万リーヴルを正金で支払う。ただしそのうち200万については軍に必需品か食糧を供給することで相殺できる。
 V 600万の正金支払いはフランス軍の会計担当に対して(決められた詳細に基づき)45日以内に行われる。
 VI及びVII 残る200万について必需品と食糧で支払う方法に関連する取り決めなど。
 VIII またフランケン・クライスは2000頭の騎兵用馬匹を決められた2項目に従って供給する。
 IX及びX 順調な支払いの拒否などに対して全ての軍指揮官が必要なら利用することができる分担金の分配について。
 XI 分担金の支払いが定められた日、即ち今日からフランス軍に供給される全てのもの(無料の宿舎を除く)は分担金から差し引くことができる。
 XII プロイセン君主に属するアンスバッハとバイロイト辺境伯領、ヘッセン=カッセル方伯殿下に属するシュマルカルデン侯領については、戦争前における彼らの現状に従い、分担金の負担から除く。
 XIII サンブル=エ=ムーズ以外の共和国軍がフランケン・クライスに入る場合、正確に言えばフランス政府が締結した現在の協定を厳密に守る。
 XIV フランケン・クライス議会は、別項での分担金の負担と徴集に関するさらなる決定について、彼ら自身で取り組む。

 (サイン)
 エルヌフ、将軍
 オーベルカンプ、ロディウス
 ツヴァンツィガー、ハルスドルフ

 早急に我々全員の署名を複写すること。ヴュルツブルクにて、フランス共和国暦4年目、熱月20日、1796年(8月7日)

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France" i-ii


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