バーデン辺境伯との
暫定休戦協定



 総裁政府が提案している最終的講和もしくは交渉決裂後10日間までの、バーデン辺境伯との間に結ばれた暫定休戦協定

 第I条から第III条まではフランス兵の辺境伯領の自由な通行を許可している。
 IV 状況や連絡の困難により兵が辺境伯領を通過もしくは駐留する際に必需品を国内から集める場合、管財人や他の行政官は将軍たちや会計係が要求する穀物やパン、秣、カラスムギ、肉、木材あるいは車両や馬匹などを拒否することはできない。これらの補給品はバーデン辺境伯からフランス共和国へ供給する食料と資金の一部を当てる。
 個人から購入した他の全ての品目については兵たちが現金で支払う。
 協定締結によりフランス兵に分配された物については明細書を作成する。
 ラン=エ=モーゼル軍の兵站長は辺境伯から送られてきた兵站担当者と、補給については完全な秩序が維持されるよう必要な全ての手配をする。国は適切な場所に必要な補給拠点を設置し、行政官はあらかじめ供給する食料を補給しておく。
 V バーデン辺境伯はラン=エ=モーゼル軍の会計担当者に対し、計200万フランスリーヴルの現金を支払う。50万リーヴルはこの協定締結から10日以内に、50万リーヴルはその後の10日間に、50万リーヴルはさらにその後の10日間に支払い、残る50万リーヴルはその後1ヶ月以内に支払う。
 VI 辺境伯は、契約締結から数えて上記に定められた期間内に、フランス軍に対して馬匹1000頭を供給する。うち400頭は荷馬、400頭は高さ8ハンドから11ハンドの間で5歳から8歳までの騎兵用馬匹とする。
 これらの馬匹は協定締結から10日以内に第三者によって供給される。これらは重量500ポンドの牡牛500頭とともに、1ヶ月以内に指揮官の指定した場所に送られる。
 VII 2万4000キンタルの穀物、その3分の2の小麦、3分の1のライ麦を将来指定する補給拠点に供給する。
 1袋当たり12ブッシェルのカラスムギ2000袋と秣5万キンタルも同様にする。
 これらの品物は、兵站長が期限を延長しない限り、全て決められた期間に第三者から供給される。
 VIII 1ヶ月以内にストラスブールの補給拠点に2万8000足の靴を提供する。決められた期間内にこれらの靴を供給できない場合は、1足につき5リーヴルの現金で支払う。
 IX バーデン辺境伯は、彼が提案している単独講和について交渉するため、すぐに人を総裁政府に派遣する。

 シュトゥットガルト、フランス共和国暦4年熱月7日、1796年7月25日

 バーデン辺境伯殿下の全権大使

 (サイン)ライツェンシュタイン男爵、ロラッハ管財官

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France" vii-viii


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