ロンドン・ガゼットの記事
9月6日



 ハナウ近くのヴィルヘルムスバート、1796年9月6日

 ジュールダンは同じ混乱した状態で退却を続けている。多くの落伍兵がハナウを通過し、同様にシュタインハイムを通って河の対岸へ渡っている。しかし軍の主力はまだフルダとゲッテンハウゼンを経由して行軍しているように見える。昨日、携帯武器すら持たない約200人の砲兵がこの地を通過した。彼らはシュペッサートの住民に武装解除され虐待されたと話していた。敵の多くが農民に殺された模様である。農民たちは軍の参謀部と称するものとともに退却していた参謀長のエルヌフに襲い掛かり、護衛の大半を殺し、軍資金を奪い、そこで見つけた金を山分けした。エルヌフ将軍はかれの乗馬の素早さによってかろうじて逃れ、フランクフォルトへたどり着いた。フランス兵が現れるや否や鐘が鳴り響いて警告を発し、農民たちは敵を有利に攻撃できると考えている場所にすぐ集結している。

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France" London Gazette, p92-93


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