ライン彼岸住民へ
ジュールダンの宣言



 ライン彼岸の住民に対するジュールダン将軍の宣言

 フランス共和国の軍による相次ぐ勝利、ただ破滅と荒廃をもたらすだけの戦争に疲れきった国民の叫び、諸君の土地を浸している血の流れをいまや絶やす時であるという絶えず叫ばれる人間性の声も、まだ欧州の安定と幸福を回復するであろう平和への懇請へと諸君の君主の心を動かしていない。かくして、それ故に血はまだ流されなければならず、フランス軍は戦争をドイツの奥へ持ち込まなければならない。しかし、これら不幸な国の平穏な住民たちよ、恐れることはない。我々は諸君の敵ではない。つまり我々は偽って諸君に信じさせようと試みられているように諸君の法と信仰を破壊することはない。軍の存在は疑いなく諸君がいくらかの不都合を蒙る要因になるだろう。しかし我々はフランスが戦場になった時にフランス人民が蒙った残虐な行為に対して諸君に復讐するのではない。諸君の財産は略奪されることなく、諸君の家も灰燼に帰することはない。争いに一切参加せず、諸君の家に平穏にとどまれば、諸君と諸君の財産は共和国の将軍たちによって守られるだろう。しかし諸君が武器を取れば、諸君は最も厳しい罰を受け、恐ろしい見せしめにされると予期すべきである。
 フランス兵に対し厳密な規律を遵守するよう命じた7項目からなる規則が付け加えられた。住民の誰からであれ略奪した全ての兵は死刑とする。しかし住民はそれぞれの住居に静かにとどまり、武器を引き渡さなければならない。もし資産あるいは家畜とともに逃げるものがいれば、彼らは逮捕され、その財産は共和国が利用するため没収される。フランス軍に対して武器を取った村落の住民は、フランス軍の将軍たちの許可なく武器を持った全てのものと同様に銃殺され、彼らの家は焼かれる。

 ケルン、7月4日

google book "A Collection of State Papers Relative to the War Against France" p45-46


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