鳳来湖の岩場を愛するクライマーの会

2005年6月10日作成


整備活動レポート
鬼石・がっかりエリア(2005/5/30-31、6/5作業分)


作業にあたったクライマーが、整備活動のレポートを書いてくれました。
専門的な用語も混じっていますが、少しでも活動の雰囲気を感じ取っていただいて、クライミングの安全に直接関係するリボルト作業に関心を払っていただければ幸いです。


5月30日・31日、鬼石がっかりエリアのルート整備を行ないました。

■5月30日 曇りのち雨
天気予報が大はずれ。朝からどんよりした天気で昼からは大雨になってしまいました。しかし幸いに、がっかりは全く濡れずに作業が出来ました(終了点以外)。
この日は「大洪水」のボルトを全撤去、ロープにぶら下がっての作業は非常に効率が悪く、オールアンカー、アウターコーン(チップを入れる拡張ボルト)とも、抜くのに大半の時間を割いてしまいました。
日本フリークライミング協会(JFA)から支給されたHILTYの新しいRE-500は、歯科医師が使うようなピンク色の溶剤で気温が低かったせいか、前傾壁から流れ出てしまい、使いにくいという印象でした。

■5月31日 晴れ
前日の雨の中、他のメンバーが4メートルものスライダー梯子を鬼石まで担ぎ上げてくれたので、作業能率は飛躍的に向上。ぶら下がってやるのと足場があるのとでは天国と地獄の差があります。
作業は作業員の多さで2本同時進行し、「もっと光を」「ジェットシューター」をそれぞれ上下で作業。前日と同じように古いボルトを撤去して、ケミカルボルトを設置。気温が高かったせいか前日よりドロドロではなく、硬化も早く感じられました。ボルトを仮止めするためのメッシュの伸縮テープがよく岩にくっつき、溶剤の流出も防げてよかったです。

※管理者注:作業時はヘルメット必携。またケミカル作業では半ズボンは危険(足首が隠れるほど長いズボンがよい)。ケミカル剤が皮膚につくと火傷してしまうそうです。(以上、JFAより)

 

「もっと光を」のボルト打ち

「ジェットシューター」の作業
 
今回は、リボルト作業を覚えたいという若者2名が協力してくれてとても助かりました。また、関西からも手伝いに来てくれたメンバーがいました。
がっかりエリアでは今回施工した「大洪水」などについて、「ボルトがひどくて怖い状態でだれもとりつかない・・・」といった話を聞いていました。確かに見た目はオールアンカーのピンやナットが錆びていたり、ハンガーが開きかかっていたりという状態ではあったのですが、今すぐ抜けてしまうとか、折れてしまうとかいうような危機的な状況ではないと感じました。
今回は、ボルトを同じ位置に設置しなおすということで作業しましたが、すべてをそうしなければならないとは、思いませんでした(開拓者のこだわりですから)。
ボルト1本抜くにも、周囲に穴を開けてハンマーでこつこつたたき出す作業は大変ですよね。アウターコーンならばハンガーだけ外してしまえば穴も目立たないのですが、オールアンカーはそうもいかないです。
溶剤に関しては、JFAからRE-500をすすめられたので使いました。これはエポキシ樹脂系なのですよね。硬化については、約18時間後(夕方5時に施工、翌日11時)には硬化していて荷重しても大丈夫だったようです。見た目はカチカチに固まっているという感じでした。
HY-150の場合、硬化が早くて施工も楽なのはいいと思いますが、硬化したあとも表面がぼろぼろした感じです(もちろん大丈夫ですが・・・)。作業効率ではHY-150のほうがすぐに固まるので、その日のうちに整備を終了できるので使いやすいと思いました。
 

 
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