いや、なんてことないんスよ…
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 1  サブカルチャーのメインカルチャー化?

今回もまたも電車です。今回は水戸へと向かう予定なのですが、若干一名集合時間に遅れました。これまで数々のマジックを披露していた彼ですが、その実態は単なる準備不足による行き当たりばったりであったことが満天の星空の元に晒された訳であります。ということで彼は置き去りにして一人で来てもらうこととしてとっとと電車に乗り込みます。


特急で一時間ぐらいの距離ってなんか中途半端な感じがしますな。

で、そんなこんなで水戸の駅に降り立ちました。ここからは徒歩で美術館に向かうわけですが、途中の道すがらいろんなものが出現します。


こんな感じ。これは決してイリーガルではありません。今回は水戸美術館現代美術ギャラリーで開催される「X-Color/グラフィティ in Japan」を観に来たわけでして、その展示の一部です。


今回街中の取り壊しが決まっているビルや許可をだしてくれた建物の壁をリーガルウォールとして解放し、グラフィティの本来あるべき場所「ストリート」でその存在意義などを思考してみるという試みです。


都内でもここまで長いウォールはそうそうありません。


しかも、普通のイリーガルだと次から次に上書きされてよく分からなくなってたりしますが(それもまたグラフィティではある)、管理されたリーガルは整然としていてやっぱ綺麗ですな。


ということで引いてみるとこんな感じ。それにしても水戸の人たちはリーガルとイリーガルの区別が付いてるんでしょうか。単なる落書きと認識されていないかとヒヤヒヤする。


そして我々はビルの表通り側に移動。


シャッターの角までキッチリとペイントされているのはなかなかないので流石に迫力あります。アーティストも気合い画入っている模様。





こちらは水戸芸の近くにあるカフェ3rd Place Coffeの壁を使ったリーガルです。イリーガルの場合どちらかというと自己主張的なものになりがちですが、リーガルだとある程度自分を認められているという意識からか、全体の調和を考えたグラフィティになるようです。


さぁて、ようやく水戸芸に辿り着きました。建物手前の芝生はとても気持ちよさそうです。


外での展示は撮影バリバリOKですが、中の展示については流石にNGです。一体何が違うのかよく分かりませんが一応決まりは決まりですので渋々従います。中での展示についてはオフィシャルサイトでも見てください


そして館内ではグラフィティを体験できるスペースなんかもありました。殆どの人は街中で壁にスプレーで書いたことないでしょうからどんだけあのペイントが難しいものかよく分かって貰えたと思います。しかしそのための防護服をアニエスべーが提供してるってどんだけお洒落なんだか…


やっぱりこうやってオーバーライトしていくというのがグラフィティの良さなんでしょうね。どんなに良い作品でも移り変わっていく。その存在の瞬間性というのが本質である気がします。


んでもってこちら左側がワタクシ作、右側がイトウ君作。ただただ項垂れるしかない出来です… 昔はもっとマシだったのにと強弁してみたくもなりますが、下手だという事実は覆い隠せません。



で、中の展示見たあとは街中に散見される展示を見ていきます。まずは水戸芸の駐車場の壁から。




折角のグラフィティですからこのまま残しておいて欲しいものですが、展示が終わったあとはどうなるんでしょうかね。


こちらは泉ビル壁一面に描かれたものです。写真下部に写ってる車と比較してみるとその大きさが分かるかと思いますがかなりデカイ。しかもデカイだけじゃなく細かい。


そしてこちらは東水ビル壁面のグラフィティ。こちらはグラフィティチームSCA(Spray Can Addict)による合作です。とはいえこれまでのやつも殆ど合作なんですがね。



このグラフィティもマジでデカイです。ビルの2階部分から5階部分まで覆う程の大きさで、約10m超もの巨大さに驚きます。このグラフィティは5人による共作なんですが、同じ色を使いながらそれぞれの個性が出ていて、これは非常に良いグラフィティですね。全体的なキャラクターはPHILが手がけ、残りのメンバーが自分の名前を描いているようです。


(多分)KRESS によるもの。


こちらはFATE。


MAKE。これは分かり易いですな。


残りのメンバーからするとBUTOBASKのはずなんですが、ワタクシには毛頭読めません。


と、ここでジョージ君なにやらカメラをゴソゴソし始めます。


ん?何やってんの?


アチャー。フィルム入ってません。一体今までシャッター押してて何故に気が付かなかったのかと。
というかこの写真ピンが合ってないよ、てっつん。


こちらは一般的なグラフィティとはやや趣が異なるグラフィティで、どちらかというとペインティング・アートという感じですがあとで調べたら女性のストリートアーティストの方の作品のようです。
雑貨屋さんなんかはこうしたペイントが施されるのは「タダでやってもらってラッキー」という感じなんでしょうか? 個人所有のこういう建物の場合は開催期間後でもそのまま残されそうです。


そしてこちらがいつ壊されてもおかしくない方のやつ。こちらは旧営林署の建物ほぼ全面に施されたもので、こちらもチームSCAによるものとのこと。


手が込んでるというレベルを遙かに超越するこの精密さ。折角だから残してあげて欲しいもんです。


特にこのPHILによる(多分)グラフィティは最早グラフィティのレベルを超えています。スプレー缶でここまで描けるのはマジでスゲエ。微妙なグラデーションの処理に溜息出ます。

そして我々は市街地でも裏通りというか飲屋街?の方へと向かいました。









もうかなりの勢いでお腹いっぱいです。でもこうしてみてみるとさっきから何度も言ってますがリーガルならではの迫力というかウォール全面にビッシリと書き込まれるのはやはり壮観なもんです。あと感じたことなんですが、ここ数年で日本のグラフィティは随分とオリジナリティが出てきたような気がします。僕らが最初にグラフィティに触れた90年代初頭はやはりアメリカの影響とくにHip-Hopカルチャーの影響が色濃く出ていましたが、今やそれだけじゃなく、ジャパニーズ・マンガやゲーム、そして浮世絵なんかからも影響を受けてるんじゃないかと思えます。


ということで最後は水戸駅ロータリーをぐるりと取り囲むウォールにやってきました。今回参加したアーティストの大部分が描いておりそれはそれは壮観の一言であります。ざーっと見ていきましょう。
















最早言うことはあまり無いような気がします。それぞれのアーティストがそれぞれの持ち味をしっかり出してて実に良いウォールになってます。ホント今回のキュレーターGJ。


そしてグラフィティが映えるのは夜だと個人的には思ってます。ということで日が暮れるまで待機です。この間約一名ほど電車に乗りに行きました。一駅だけ行って戻ってくるとのこと。どんだけ電車が好きなのかと。



やや赤みがかった照明に照らされて実にいい雰囲気です。 先程の太陽光の下とは随分と感じも変わってきます。なんかややいかがわしさが出てくるというか、本来のアンダーグラウンドな雰囲気が醸し出されてくるというか。ボクとしてはこっちの方が好きなんですがね。








とまぁここまで駆け足で見てきたわけですが、それでも館内、街頭フルフルで見て回ると総計6時間ほどかかりました。結構ヘトヘトです。あとはもう帰るだけで、ビールと個人的に大好きな水戸名物の納豆と壺漬けの和えたものを買って特急に乗り込みました。最後に旨いものも喰えてきっちり帳尻あわせることが出来て今回も満足の旅です。 ではまた次回。

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