海軍大尉 小灘利春

 

「回天基地残して」

元搭乗員らが保存呼びかけ

 

平成8年 7月 7日 南海タイムス

 

太平洋戦争末期、硫黄島玉砕の報を受けた日本海軍は、特攻兵器の人間魚雷回天18基を八丈島に配備した。

結局、回天は出撃しないうちに終戦を迎えたたが、いまも三根・底土と末吉・石積には、当時の収容壕が残されており、

戦争を後世に伝える貴重な遺跡となっている。

 

先月30日には、全国で回天の部隊に所属していた人たちで構成する「全国回天会」の一行八人が八丈島を訪れ、

石積と底土の壕跡をめぐり、当時を偲んだ。

現在、同会の会長を務めるのは、回天の搭乗員として八丈島に配属された特攻部隊の小灘利春隊長。

小灘氏は戦後3回目となる今回の八丈島訪問について

「八丈島には回天8基と8人の隊員、そして総勢120人の部隊が配備されていました。すでに戦後50年が経過するのですが、

私たちにとっては当時の記憶は鮮烈で、今でも八丈は神聖な場所でやすやすとは来れません。

戦争では、とにかく多く の人々が限度を超える努力をし、苦労をしました。

こうした戦跡は具体的な証拠として残してほしいと思います」と語っていた。

 

底土の壕跡を坊れる回天会の一行

 

海軍大尉 小灘利春

更新日:2007/10/21