甲飛第十三期殉國之碑保存顕彰会

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会報「總員起こし」 第 25号/平成 9年

岡田 純

奈良空−回天振武隊(伊367)−回天多聞隊(伊367)

「 光回天基地跡に『回天の碑』建立さる」

 

回天基地は大津島を発祥の地として、光・平生・大神の順に四基地が開設されたが、光基地は第二特攻戦隊の司令部が

置かれ、光海軍工廠と隣接する最大の基地であった。

然し乍ら戦後に至って大津島・平生・大神には相次いで回天碑が建立されたが、光は工廠との合同慰霊碑があった関係から

回天独自の慰霊碑は無かった。

これを残念に思った光甲飛会(十一期生が会長で十四〜十六期生が大半で、回天隊員は勿論、搭乗員の主力であった

十三期生は皆無)が発起して 「回天の碑を建てる迄は死ぬに死ねない」という一念で市長・各種団体を動かし実現の

原動力となったお方もおられると開き、生き残り搭乗員の一人として本当に有難いと思う。

 

平成八年十月十日、さわやかな秋空のもと光回天基地跡で「回天の碑」の除幕・追悼式が市長始め地元発起人・遺族・

旧隊員・工廠関係者等三五〇名の参列者を得て盛大に、おごそかに挙行された。

久保吉輝・島津虎郎・斉藤 恒の同期三人も参列した。

碑は光井川河口西側の基地跡の一角に大津島産の御影石により建立されている。

附近は埋立てられ護岸・港湾構築・武田薬品の工場進出等で五十余年前の面影は無い。

回天の発着に使われたクレーンのあったこの場所を良くも探され入手されたと思う。

碑には碑文と共に戦死した光基地出撃搭乗員とその整備員及び訓練中の殉職者等五十五名の個人名、未帰還潜水艦三隻・

輸送艦一隻の艦名と艦長以下の人数が刻まれている。

式典終了後、参列者全員で防波堤上から、それぞれの思いを込めて、菊花を海中に献じ亡き人達の冥福を祈った。

合掌

 

  

    光回天基地跡「回天の碑」                  久保吉輝・斉藤 恒・島津虎郎の各氏

 

岡田  純

更新日:2007/11/03