甲飛第十三期殉國之碑保存顕彰会

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平成15年 4月13日

甲飛十三期殉國之碑 第 三十回慰霊大祭

祭典委員長 祭文

 

祭典委員長 榊原 行雄

青葉繁る静寂な畝傍の麓 ここ建国の聖地 橿原神宮の神域 若桜友苑に祀られる千四柱の英霊に対し

生存同期生を代表して謹んで申し上げます

 

顧みまするに昭和十六年十二月太平洋戦争が始まり 初戦より連戦連勝を続けましたが ミッドウェイ海戦の敗北を

境として敗戦の一途をたどり 戦局が一変したことから我が海軍は航空戦力の必要性を知り

飛行機搭乗員の募集を大幅に増員しました

昭和十八年戦局の悪化国家の危機存亡の秋 我々中学生はこの美しい祖国を 又肉親を守るべく学業を捨て敢然と

志願して第十三期海軍飛行予科練習生として 十月・十二月とわかれて各地の航空隊に入隊しました

そこで待ち受けていたのは 来る日も来る日も苛酷な訓練でありました ある者は病に倒れ ある者は不測の事故で

志半ばにて死亡する者 それらを乗り越えて訓練を続けてきましたが 十九年には乗る飛行機も残り少なく

古い飛行機そして練習機による効果薄い特攻 残りし者には新兵器による必殺必中の肉弾攻撃の乗員募集が行はれ

憧れの翼を捨て戦局を挽回せんと 約四千名が熱烈志願して死地におもむきました

その為 我が十三期生には多くの戦死者を出す結果となりました 今日ここに入隊六十周年の祭典にあたり

あの戦争により散華せし忌まわしい二十世紀の太陽は 暮れなずむ大空を染めて歴史の彼方に沈もうとしています

しかし兄等の偉大なか勲は我々の脳裏から いや日本国民が忘れる事のない歴史の一頁であります

今年は関西同期生の方々の御尽力により 兄等が散華されたとき運命を共にした兵器のモニュメントが復元記念されました

黄泉の国で海神となりし戦友よ きっと祖国の発展をこよなく願望されつつ 色々な思いで見つめられていると思います

散る桜残る桜も散る桜 私達の歩いた長い人生のなかで あの予科練の生活はそのほんの一里塚であったかもしれません

しかし あなた方の栄光は未来永劫に忘れる事無く刻まれております 我々も日ならずして何時か兄等の元に参るでしょう

それまでは 生ある限り殉国之碑を守り続け 孫子の代まで伝えて行く所存です

それが我々生存者の責務であることを約束して 御霊の安らかに眠られん事を念じ慰霊追悼の言葉といたします

 

爛漫の花の香と手の温くみ

 

朗読された遺書

更新日:2007/11/04