甲飛第十三期殉國之碑保存顕彰会

関西甲飛十三期会 公認ホームページ

 

平成16年 4月11日

第三十一回 甲飛十三期殉國之碑慰霊例祭

朗読された遺書

 

海軍少尉 千葉三郎君

遺書

不肖 皇国ノタメ 一身ヲ捧ゲ奉ランノ光栄 今日アリタル

己ヲ顧ミ 皇祖 父母ノ 重ナル恩 死ヲ以テ 報ズルノ 感激

実ニ本懐トスル処ナリ

小生 心中 唯 撃滅アルノミ

御両親様 御達者デ

昭和二十年五月二日

神潮特別攻撃隊 海軍一等飛行兵曹 千葉三郎

 

家二遺ス

父母ニ孝ニ 兄弟ニ友ニ 夫婦相和シ

恭倹 己ヲ持シ 博愛 衆二及シ

謹ミテ 明治天皇ノ御聖旨ヲ奉戴シ 日日明朗

悠久ニ栄エル 帝国臣民トシテ ソノ誠ヲ 致スベキ事

 

御一同様

 

千葉三郎

 

経歴と当時の状況を説明

千葉三郎君は 大正十四年八月十五日 岩手県生まれ

黒沢尻工業より 昭和十八年十二月一日甲飛十三期生として 土浦海軍航空隊に入隊

昭和十九年九月一日 回天搭乗員として第一特別基地隊に配属

昭和二十年五月五日 回天特別攻撃隊振武隊として 伊号三六七潜水艦にて大津島基地を出撃

五月二十七日 沖縄東方海域にて敵艦に突入、戦死されました。

当時十九歳九ケ月、海軍一等飛行兵曹。戦死後、功四級勲六等に叙せられ、海軍少尉に任ぜられました。

当時は、隊長藤田中尉以下同期生四人と五基の回天で出撃し、沖縄東方洋上で敵船団を発見、

小野正明一飛曹と共に突入、散華されたが、隊長の他二名の回天は故障のため発進不能。

その内の一人が、長野県出身で祭典委員長を務めております岡田 純君であります。

 

遺書朗読に ご遺族が奉仕 同期遺族のお孫さんが大役を

好天に恵れ開催された第三十一回殉国之碑慰霊祭に初めて若い男性が、大役を見事果たして頂きました。

過去三十回の慰霊祭には、同期の子女か航空自衛隊の女性に遺書の朗読をお願いしておりましたが、

今回は奇しきご縁があり、渡辺耕太さんが務めて頂きました。

それは長野県出身である甲飛第十三期殉国之碑保存顕彰会会長であり今回の祭典委員長を務めた岡田 純君と

中学同期生でもあり、青島航空隊で戦病死された故桜井昭夫(てるお)兵曹の姪、渡辺和子さんのご長男の

渡辺耕太さんであります。その経緯は次の様なご縁があったのです。

平成十三年四月発行の「総員起こし」 29号13頁に掲載の『戦没した伯父「桜井昭雄」のこと/渡辺和子』をご覧

頂ければお分かりと思いますが、いち早く甲飛十三期鎮魂の記録を主題に“若桜友苑”のホームページを開設し、

橿原神宮奉賛と若桜友苑での諸行事を次世代に情報を提供し啓蒙に務めてきた、関西甲飛十三期会の副会長(IT担当)

奥野敏夫君のHPにアクセスされていたのが、今回の機縁になったのであります。

 

朗読された遺書

更新日:2007/11/03