千鳥ヶ淵戦没者墓苑

東京都千代田区

 

六角堂

沿革

ここ千鳥ケ淵戦没者墓苑は、先の大戦において海外で亡くなられた戦没者の御遺骨を納めるため、

昭和34年3月、国により建設された「無名戦没者の墓」です。

ここに納められている御遺骨は、昭和28年以降政府派遣団が収集したもの及び戦後海外から帰還

した部隊や個人により持ち帰られたもので、軍人軍属のみならず海外において犠牲になられた一般

邦人も含まれております。いずれも遺族に引き渡すことのできないものです。

 

(財)千鳥ケ淵戦没者墓苑奉仕会「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」公式サイト

 

六角堂

 

海外戦没者 遺骨収集状況概数 (厚生労働省:平成20年 3月31日現在)

地域 戦没者 遺骨 備考
収集 残数 回収率
沖縄 186,500 186,140 360 99.8%  
タイ・マレーシア 21,000 20,200 800 96.2%  
中国本土 465,700 438,470 27,230 94.2%  
ミャンマー 137,000 91,390 45,610 66.7%  
インド 30,000 19,940 10,060 66.5%  
西イリアン 53,000 32,340 20,660 61.0%  
北ボルネオ 12,000 6,910 5,090 57.6%  
その他地域 107,800 58,800 49,000 54.5%  
ビスマルク・ソロモン諸島 118,700 56,060 62,640 47.2%  
硫黄島 21,900 8,640 13,260 39.5%  
東部ニューギニア 127,600 49,560 78,040 38.8%  
ロシア 54,400 19,870 34,530 36.5% 旧ソ連
インドネシア 31,400 11,020 20,380 35.1%  
中部太平洋 247,000 72,590 174,410 29.4%  
フィリピン 518,000 133,260 384,740 25.7%  
中国東北部 245,400 39,110 206,290 15.9% ノモンハンを含む
アリューシャン 24,400 1,710 22,690 7.0% 樺太・千島を含む

合計

2,401,800 1,246,010 1,155,790 51.9%  

 

施設

六角堂 陶棺

由来

昭和天皇の戦没者に対する御心痛は深く、当戦没者墓苑が竣工するにあたり、金銅製茶壷型のお骨壺を

御下賜になり、各戦場の全戦没者を象徴するお骨を少しずつ納骨して、六角堂中央の茶色の陶棺の中に

安置されている。

六角堂の陶棺は、古代豪族の石棺を模したもので、日本と主な戦場から収集した粘土・石などを粉砕した

陶土を原料として作られている。

 

六角堂 陶棺

 

増設納骨室

由来

平成3年3月及び平成12年3月、この場所に納骨室が増設され、平成3年度以降に収集されたご遺骨は、

増設納骨室に安置されている。

 

御製碑

昭和天皇 御製

御製

國のため いのちささげし 人々の ことを思えば  むねせまりくる

秩父宮妃殿下 謹書

 

今上天皇 御製

御製

戦なき 世を歩みきて 思ひ出ず かの難き日を 生きし人々

常陸宮妃殿下 謹書

 

戦後強制抑留および引揚に伴う死没者のための慰霊碑

引揚に伴う死没者の永遠の平和祈念碑   強制抑留者の尊い命を失われた方々の追悼慰霊碑

設置の主旨

「旧ソ連による戦後強制抑留」や「終戦直後の混乱した状況下における外地からの引揚」により、尊い命を

失われた方々を追悼し、このような悲劇を後世に継承することにより、永遠の平和を祈念するものです。

 

引揚に伴う死没者の永遠の平和祈念碑(左)

碑文

昭和20年8月、今次大戦が終結し、終戦の大混乱の中、生活のすべてを失い、苦難の末祖国に引揚げて

こられた方々は約320万人にも及んだ。

しかし、終戦の失意と疲労困憊の極限状態にあった引揚者にとって祖国への道のりは遥かに険しいもので

あり、引揚げの途中、20万人余りが犠牲になった。

これら引揚者の過酷な体験を記憶し後世に伝えるとともに、犠牲となられた方々への深い哀悼の意を表し、

恒久の平和を祈念して、この碑を建立する。

平成22年8月竣工 独立行政法人 平和祈念事業特別基金 設置

 

強制抑留者の尊い命を失われた方々の追悼慰霊碑(右)

碑文

昭和20年8月、今次大戦が終結し、武装解除後にもかかわらず、旧ソ連は57万5千人もの軍人軍属及び

民間人をシベリアや中央アジアなどに長期にわたり強制抑留し、鉄道敷設や森林伐採などの過酷な強制労

働に従事させた。栄養失調や極寒の劣悪な作業環境下で約5万5千人が犠牲になった。

この悲惨な事実を風化させずに、後世に伝えるとともに、犠牲となられた方々への深い哀悼の意を表し、恒

久の平和を祈念して、この碑を建立する。

平成22年8月竣工 独立行政法人 平和祈念事業特別基金 設置

 

墓苑域内点景

さざれ石

 

大賀二千年蓮

 

百日紅

 

彼岸花

 

休憩所

陸海軍将兵の像

 

各戦場から遺骨とともに収集された遺品、石、貝殻などが陳列されている

 

遺骨とともに収集された遺品

 

千鳥ヶ淵の桜

 

 

 

 

 

 

 

 

九段会館(旧軍人会館)

 

鎮魂の霊地

更新日:2010/09/19