滝澤精二(瀧澤精二,滝沢精二)

(京都大学名誉教授)の業績に関するサイト

portrait
定年退官間近の京都大学教養部(現・総合人間学部)の研究室にて(1989年, 滝澤修(長男)撮影)


滝澤精二の略歴

大正14年9月6日生まれ。長野県出身。

学歴
昭和20年3月新潟高等学校理科甲類卒業
昭和20年4月京都帝国大学理学部(主として数学専攻)入学
昭和23年3月京都帝国大学理学部(主として数学専攻)卒業
昭和23年4月京都大学大学院(理学部)入学(特別研究生)
昭和26年3月京都大学大学院特別研究生前期修了
昭和31年9月理学博士(京都大学)
職歴
昭和23年4月文部教官(3級)に任命され、京都師範学校(現・京都教育大学)男子部に教諭として勤務
昭和24年3月願により同官を退官
昭和26年4月京都大学助手(理学部)
昭和29年1月京都大学(分校)講師
昭和31年11月京都大学(分校)助教授
昭和38年4月京都大学(教養部)助教授
昭和38年4月京都大学大学院理学研究科担当
昭和38年11月京都大学(教養部)教授
昭和42年9月アメリカ合衆国(コーネル大学)へ出張(客員教授)
昭和43年8月帰国
昭和44年度京都大学学生部委員
昭和48〜49年度京都大学評議員
京都府立医科大学、立命館大学等で長年に渡り非常勤講師を務める。
昭和58年7〜9月中華人民共和国(大連外国語学院)へ出張(赴日大学院留学生予備教育)
平成元年3月京都大学教授を定年退官
平成元年4月岡山理科大学教授
平成8年10月倉敷芸術科学大学教授在任中に病没
勲三等旭日中綬章

滝澤精二の業績概要

幾何学が従来の局所理論から現代的大域理論へと大きく変貌する転換期において、先駆的に主バンドルの位相的理論を微分幾何学の分野に適用し、特性類の研究を進めて、この方面の発展に大きく寄与した。さらに、これらの大域的理論に適合するような一般的接続の理論を系統的に構成し、多様体上の幾何構造に関する重要な結果を導くと共に、近代的微分幾何学への多くの指針を与えた。多様体の微分位相的研究は現代においても特に脚光を浴びている部門であるが、滝澤精二の研究は現代の微分位相論にも多大の影響を及ぼしている。日本数学会会員、評議員、アメリカ数学会会員、Mathematical Reviews及びZentralblatt fur mathematik のreviewer.

滝澤精二の主な著書


滝澤精二の主な学術論文

On generalized spaces which admit given holonomy groups.
1951年1月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.26, Mathematics No.3, 199-209.
連続変換群論の適用及び制限された動枠の採用により、一般の接続空間に対して、ホロノミー群の基本定理を拡張した。その結果、従来具体的な接続空間において成立していた諸結果を統一的な理論によって包括することができた。特に、非推移的及び非原始的なホロノミー群を許容する接続空間の構造を解明した。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

On the Stiefel characteristic classes of a Riemannian manifold.
1953年4月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.28, Mathematics No.1, 1-10.
ファイバー束のホモトピー理論を適用して、リーマン多様体のスティーフェル特性コモホロジー類を表わす一連の不変式を導いた。これらは曲率形式を含む微分形式として与えられるものである。これによって、ファイバー束 のコモホロジー理論が微分幾何学的に扱われ、微分位相的量と微分幾何学的量との関連が例示された。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

On the primary difference of two frame functions in a Riemannian manifold.
1953年4月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.28, Mathematics No.1, 11-14.
リーマン多様体上の2つの枠関数に対して、変形コチェインを考察し、これらの枠関数の間の第一誤差を表わすコチェインを微分形式によって決定した。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

On the characteristic classes of a submanifold.
1954年4月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.28, Mathematics No.3, 241-241.
リーマン多様体内の部分多様体に対して、その接束及び法束の特性類を決定し、それらが微分形式によって系統的に導かれることを明らかにした。なお、それらはリーマン多様体の接枠束内の適当なチェイン上の積分によって与えられるものである。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

Some remarks on invariant forms of a sphere bundle with connexion.
1955年9月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.29, Mathematics No.3, 193-198.
主束上の一般接続の理論を適用して、特性類等に関する諸結果が整理拡張されることを示した。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

On Cartan connexions and their torisons.
1955年9月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.29, Mathematics No.3, 199-217.
一般のカルタン接続に対して、テンソル解析法に相当する新しい基礎と手法を与えた。そして多様体の各点における接空間の概念は或る種のテンソル的微分形式によって定まることを示した。特に、捩率に関するいくつかの重要な結果を導いた。これは新しい微分幾何学への一つの方向を与えるものである。(学位論文)
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

カルタン接続とその捩率に関する研究
1956年9月15日
博士論文(京都大学理学博士)
 →書誌情報(国立国会図書館OPAC)

On the induced connexions.
1956年10月
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.30, Mathematics No.2, 105-118.
従来、部分空間論で考察されていた誘導接続の概念を主束上の接続の立場から一般的に解明し、ガウス・コダッジ・リッチの方程式を導いた。これが部分空間論以外にも広く応用されることを示した。例として、接続の変形、普遍束の正準接続、スティーフェル特性類及び分解的カルタン接続の考察に適用されることを示した。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

Connections and characteristic classes.
1956年7月
数学振興会報告第1集(赤倉), 129-148.
主束上の接続の理論を展開し、その立場から特性類に関する一般論を整理した。ここでは、テンソル的微分形式、特性準同形及び誘導接続等についても論述した。
 →論文第1ページ(Full textの閲覧をご希望の方は下記の遺族連絡先までご連絡下さい)

球バンドルの特性類について.
1957年7月
数学, Vol.8, No.4, 229-245.
大域的微分幾何学の立場から、特性類の理論を総合的に論説した。先ず、グラスマン多様体のコモホロジー理論を展開し、普遍束の立場から特性類を導いた。次に、束の横断の障害類としての特性類を考察した。更に、主束上の接続を導入して特性準同形による特性類について論述し、また、障害類との関連を示した。特性類の微分形式による表示を与え、また、いくつかの応用を示した。
 →Full text PDF file (by J-STAGE)

Cartan接続のformulation.
1958年7月
数学振興会報告第V集(赤倉), 62-68.
カルタン接続の理論をホモロジー代数的な定式化によって論説した。ここではカルタン接続の存在性を論じ、また、接着構造についても論述した。
 →表紙・序言・目次・論文第1ページ(Full textの閲覧をご希望の方は下記の遺族連絡先までご連絡下さい)

Quelques remarques sur la structure projective d'espace fibre.
1959年12月
蟹谷乗養、滝沢精二
Memoirs of the College of Science, University of Kyoto, Series A, Vol.32, Mathematics No.3, 445-453.
ファイバー束の理論の射影微分幾何学に対する応用を示した。多様体に関する幾何学的構造を導いたものであるが、それは射影空間内の曲面のウィルチンスキー稜の一般化と見なされるものである。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

Lorentz manifolds.
1961年12月
数理科学綜合研究班報告, Vol.1, No.7, 3-11.
一般相対論の大域的理論に関連して、ローレンツ多様体の位相的性質で既に知られている事柄を含めて整理論述した。

Contact transformations.
1962年7月
数学振興会報告第\集(堅田), 49-63.
接触変換論を微分位相論の立場から論説した。接触構造の微分形式による定式化を用いて、ホモロジー代数的な考察を行った。また、特性類との関連についても論述した。

On contact structures of real and complex manifolds.
1963年2月
Tohoku Mathematical Journal, Vol.15, No.3, 227-252.
微分形式による接触構造論の基礎を確立し、その立場から、層係数コモホロジー理論を適用して、接触多様体の大域的理論を展開した。なお、シンプレクティック構造及びコシンプレクティク構造についても論述した。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

On soudures of differentiable fible bundles.
1963年5月
Journal of Mathematics of Kyoto University, Vol.2, No.3, 237-276.
微分多様体上の線形群構造、接着構造及びカルタン接続等の幾何学的構造について、これらに層係数コモホロジー理論を適用して、統一的な解明を行った。また、これらの障害コモホロジー群を決定して、微分幾何学的不変量との関係を明らかにした。
 →Full text PDF file (by Project Euclid)

On covariant derivatives.
1977年9月
Studia Humana, The Faculty of Liberal Studies, Kyoto Prefectural University of Medicine, No.11, 21-33.
主束上の接続に対して、従来、主束上の微分形式の共変微分の具体的な公式は、接続形式の共変微分を表わす構造方程式とテンソル的形式の共変微分の公式だけしか知られていなかった。ここでは、これらの公式を特別な場合として含むような一般的な共変微分の公式を導いた。
 →表紙・目次・論文第1ページ(Full textの閲覧をご希望の方は下記の遺族連絡先までご連絡下さい)


滝澤精二写真集

家族と(右から2人目)家族と(右から2人目、前橋中学校の頃)弟(直人)と(左)
1943年(昭和18年)新潟高等学校の頃1945年(昭和20年) 京都帝国大学入学の頃1948年(昭和23年)1月6日 京都帝国大学卒業の頃
1948年(昭和23年)4月 京都師範学校赴任の頃
(中央列右から2人目)
1949年(昭和24年)3月 京都師範学校退任の頃
(前列左から3人目)
家族と(後列中央)
左は兄・英一(名古屋大学→北海道大学)、右は弟・直人(航空宇宙技術研究所)
1957年(昭和32年)7月 京都大学(分校)助教授の頃1962年(昭和37年)8月1962年(昭和37年)8月

滝澤精二教授の講義録画→ 【再生】

撮影データ:
原版メディア:8ミリフィルム&カセットテープ(非シンクロ)
撮影・録音日:1982年5月11日
場所:京都大学教養部(現・総合人間学部)
科目:数学1(代数学)
ファイル形式・サイズ:MPEG1形式, 5.39MB
再生時間:3分20秒
撮影者:滝澤修(長男)

滝澤精二は1996年10月13日に逝去致しました。


(注:上記自宅住所は現在は無効です)

滝澤精二の遺品

日本数学会編纂「数学」(岩波書店)
1947年の創刊号から最晩年の1990年代まで、1号の欠落もなく残っています。

創刊号

遺族連絡先(長男): 滝澤修

Since Oct.17,1996, Last modified on Sep. 6, 2014.