テケテケ珍道中
赤どくろ ベトナム暗黒編 赤どくろ
 
デタム
【フォングーラオ通り】
ここが、フジオカぽんがデジカメを盗られた現場付近。

 やられました、ハイ。本編ですが、言うほど写真が少ないのでは? と思いませんでしたか? そうなんです。ガッツリやられています。なんと、逐一写真撮影(料理写真を含む)を担当してくれていたフジオカぽんのミニマムで高性能なデジカメが盗難に遭っているのです。
 しかも、帰国3日前、大事なデータが全てそこに入っていました。
 あれはですね。帰国を3日後に控えたある夜。夕食をとって、滞在ホテル付近のメインストリートまで来たとき、いきなり3人の子供が群がってきたのですね。一人は日本のベトナム旅行記の本を手に。ものすごい勢いで「買ってくれ、どうだ、この本!!」みたいな感じで騒ぎたててすり寄ってくる。しかし、どうにもそのテンションがおかしい。子供の物売りは多いのだけど、それにしても強硬だし、密着しすぎる!! と思っていたら、残りの2人が、ポケットに入れたサイフに手を出してくるではないですか……。あ〜これは物盗りですか……と「じゃかぁしいわい」と伸びてくる手を振り払うと、どうにかあきらめた様子。あわてて、ちょっと後ろを歩いていたフジオカぽんに「サイフに気をつけて〜」と叫ぶ。しかし、この時、フジオカぽんは何もわかっていませんでした。執拗な子供達に恐れおののいて、しかも、「難聴のフジオカ」と異名があるくらい聞き取りの悪いフジオカぽんは、私の叫びもむなしく、あたふたしていて、後ろにしていたウエストポーチのチャックを開けられ、この旅行のために新調したデジカメをまんまと盗られていたのでした。

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調書書類
【調書書類】
これが、3度も書き直した調書の完成版!! わかるでしょうか、この藁半紙っぷりが……。イラストの一つも描きたくなるでしょう……。
 
 その間、ものの3分。ホテルの前まで来て、「なんだったの〜、今の」というフジオカぽんに、「スリだよ」と告げるとそこで、初めて自分の身辺を確認した様子。確かめてみればデジカメが無いではないですか!!「デジカメ盗られた〜」と騒ぐ私たちに、滞在ホテルのスタッフが、すぐさま子供スリを探そうと追撃に出てくれるも、もはや後の祭り……。そうこうしていると、ホテルのかあさんが騒ぎを聞きつけて出てくる。実はフジオカぽん、毎日ホテルから出かけるたびに、「ウエストポーチは前にしないとダメ! ダメダメよ!」とかあさんから繰り返し注意を受けていたのでした。なのにあたし達ってば、言いつけを守らずこんなことに……。「あきれられるかしら?」と思っていたら、かあさん、状況を聞くと「なんでなの、なんてことなの! さあいくわよ」といった勢いで私とフジオカぽんの手を引き、ズンズン小道を進んでいく! 「まさか、犯人捜し?」。あたし達はかあさんの剣幕に圧倒されて、腕を引っ張られながら「そんな、もう、探したってあの子達はみつかんないよ〜。あたし達がバカだったの〜」と叫ぶが、おかあさんおかまいなし。そして行き着いたところは警察署……。ベトナム4回目にして始めて警察のお世話になってしまいした……。やはり、社会主義の国だけあって、おかあさんにとって警察は絶対のよう。しっかしね〜。ここにいた警察官。おかあさんには、威厳を守るため英語もできると言っていたが、まったくできないのん。盗難届けを出せと書類を出されるが、説明もなくどう書いていいかもまったくわからない始末。あたし達は、しばし盗難届けと向き合い、どうせ、英語もろくにできないんだから……と。書類が藁半紙だったということもあり、そこに盗られたデジカメのイラストは描くは、盗んでった子供達の似顔絵は描くはやりたい放題。すると思いの外、その盗難届書類には社会主義的な厳格さがあったらしく、怒られました。わかんないけど「こんなとこに、絵を描いたらいかんでしょ。何考えてるの。そうじゃなくてもっと詳細にきちんと調書を書きなさい」と言わんばかりにかあさんを責め立てる。「あ〜資本主義みたいだけど、やっぱ社会主義なのね〜ベトナムは」と思った瞬間でした。

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 結局、調書は3回書き直し。1回目はイラストを入れて失敗、2回目は詳細を書ききれなくて却下、そして3度目でやっと受け取ってくれました。しかも、調書には英語の他にベトナム語でも説明を書かなきゃいけないから、ホテルの長女チャウが私たちが書き直すたびにベトナム語に訳して書いてくれて……。
 外国人が盗難にあったら、この調書申請をして保険会社に申請しないと保険がおりないというけど、こんな面倒くさいんだったら出さないよ、普通。 
 ほんと、おかあさん、チャウありがとう、という一件でした。

 

 ホテル外観
 
 
   ファミリー

【Chau Long(チャウ・ロン)ホテル】
住所:185/8 pham Ngu Lao TEL:8369667 FAX:84-8-8370116
e-mail:chaulongminihotel@yahoo.com

こちらが、今回かなりお世話になったホテルとそのファミリー。上から、パパ、ママ、長女のチャウに長男のロン。バックパッカー街にあるミニホテル経営者としては珍しくおっとりした方々です。おかあさんなんか、ほとんどベトナム語しか話せないのですが、ボディーランゲージで毎朝お出かけのチェックをしてくれます。ホテルも綺麗で過ごしやすいので、ベトナムに行く機会がある人は訪ねてみてください(メールやFAXで日本から予約もできますよ〜)。