古民家解体プロジェクト

2004.3.24更新(開拓アルバムも見てね

解体前の古民家・茨城県桜川村

プロジェクトのきっかけ

 そもそもこの伊豆開拓プロジェクトはいつから始まったのだろうか。小さい頃から海が好きだった。
 もしかするともっともっと以前、子供のころから父に連れて行ってもらったのが伊豆ばかりだったことがルーツかもしれない。
それに先立つプロジェクトとして、古民家解体プロジェクトが始まった。
とりあえず、かたちも定まらぬままひとつの記録としてこれを作っていきたい。


2001.8.17

古民家解体プロジェクトにさかのぼる
 その古民家に出会ったのはヤフーオークションだった。
持ち主に会う
 メールでやりとりしたあとに現地で会うことになった。
解体決意・現場確認に同行した父は勝手にサイクリング!ただし、この後150キロほど走ってリタイアとなる(クリック!)
 父は気が乗らなかったらしい。一方私は、このくらいなら一人でも何とかなると感じていたのだが、その読みは甘かった。茅葺屋根というものがこんなに厄介なものだろうとは全く想像していなかった。とにかく一度引き受けた以上途中でやめるわけにはいかない。それが約束というものだ。
さて何から始めたらいいのか
中をよく見てびっくり。もともとの持ち主が残していった生活用具がたくさん。箪笥や机、布団や衣服からゴミまで基本的にはそのまま置いていったようだ。あまりに大量のゴミがあったので、ゴミのかたずけは解体に含まないという話を持ち主の梅沢さんと確認した。家を解体する前にすっぱだかにしなければならない

畳の下、縁の下にもゴミ、ゴミ、ゴミ
 話を聞いたところでは、この家は50年以上も前に建てられ、古くなってきた10年ほど前に同じ敷地内に建てた家に引越して物置代わりに使われていたそうだ。破れたふすまやボロボロの引き戸などさすがに古い時代のものだけあって、天然素材でできているため、燃やすには好都合だ。古新聞紙も500キロ分ぐらいあった。こうなりゃがんがん燃やしてやる。というわけでホームセンターでドラム缶を購入3980円。燃やせるものは燃やせ!(クリック)この家は霞ヶ浦のほとり、桜川町の田んぼの中に防風林に囲われた200坪弱の土地で、防災上は好都合な立地であった。

近所のおばさんがわらわらと
「何してるべ」まずは手押し車を押した、腰の曲がったおばさんというよりおばあさんが、興味ありげに聞いてきた。この桜川村には挨拶を推奨する看板がいたるところにあり、見ず知らずの人にも結構気さくに挨拶してくれるようだ。「こんにちは。この家を解体するんですよ。」というと「へー、それはご苦労なこった。いくらもらうっぺ」「ただですよ」「はー奇特だべ、こんど何か持ってきてやっからよ」と初めてのお客様とは仲良くできた。その後、このおばあさんは度々顔を出すようになる。

襖・障子・畳をどかし、床板をはがす
 ぼろぼろの襖などをはずし、外に放り投げる。8枚ある。畳の上にはゴザ風の敷物が、幾重にも重ねて敷いてあり、はがすだけで大変だった。畳は2部屋で計16枚あったが、昔のものらしく、芯までわらが詰まっていて、天然素材。実家に持って帰って家庭菜園の堆肥にでもしようと決めた。床板は杉の荒板貼りで、根太は松の丸棒と半割り丸太。一部は腐っていたものの、自然の形をうまく利用しつつ、最低限の加工で組んでいることに感心。昔の大工さんは素材を自在に操る技術に長けていたのだろう。根太は杭にでも利用できるだろうと考え保管。床板も保管していたが、後に傷みがひどいことに気づき、燃やしてしまうことに。 C部屋の天井隅にある出入り口(天井板が外れるようになっているところ)から見てみると、長年の埃が積もっていて、状況は良くわからない。梁などは大丈夫そうだと思い、板を丁寧にはがし始めた。もっとも、家の構造材については、少し過大評価してしまった。見た目はそれなりにきれいな杉板なので、再利用しようと考え一枚一枚はがしていたが、だんだん面倒になってきて、チェンソーを取り出すことに。なんと、この家自体は十数年も使用されていなかったはずなのに、いまだにコンセントにプラグを差し込んだら電気がきていた。あとは、勢いで下から天井を縦横無尽に切り刻んで、ついに屋根裏に。

茅葺屋根の裏側
かなり、すすけて、埃も積もっているが、横に太い竹、縦には細めの竹で格子状にわら縄で編んである。手仕事の技が感じられるこの縄をひたすら切っていく。はじめはハサミで切っていたが、結構丈夫で手がしびれてきたので鋸刃の鎌で体重をかけながら、ぶちぶちと切る方式にに変更。切っても切っても終わらないので、とりあえず一部分の萱を内側に引っ張って降ろそうとする。ぎゅうぎゅうにわらが詰まって、なかなか引き出せない。本来、萱は外からはずすものである。今回内側からにしたのは、茅葺屋根の上が全面トタン屋根になっていて、長期戦で行う解体プロジェクトの最中に、風雨を防いでくれそうだからである。萱は降ろしたとたんに体積が何倍にもなる。厚さは30センチほどだが、1平方メートル分もおろすと、もう、鴨居にとどくほど、積みあがる。1時間も作業をやると、もう手が疲れてたまらない。一休みと、顔を洗ってびっくり、どす黒い水が流れ落ちる。さらに、つばを吐いたら、真っ黒だった。 後で、鼻をかんだら、真っ黒の鼻水が出てきてさらにびっくり。風呂でよく洗ったのに、数日後まで、黒いものが混じった鼻水が出ていた。

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