２番人気ネオユニヴァースが、初めてコンビを組んだイタリアのミルコ・デムーロ騎手のムチに応え、直線力強く伸びて完勝した。タイム１分４８秒２（良）。本番では朝日杯ＦＳ優勝の僚馬エイシンチャンプと激突する。武幸四郎騎乗の１番人気サクラプレジデントは１馬身１／４差の２着。３着のマイネルイェーガーまで皐月賞の優先出走権を獲得した。〔写真上：３４秒７と最速の上がりで直線豪快に伸びたネオユニヴァース。同厩のＧＩ馬エイシンチャンプとの初対決も楽しみだ。同下：積極的な騎乗でネオを優勝に導いたミルコ・デムーロ騎手。昨年２着した皐月賞で今年はＶ獲りだ〕
コンビの力を信じた強気のライディングが印象的だった。ネオユニヴァースに初騎乗のデムーロは道中は外めを追走し、４コーナーでは早くも先頭に立つ勢い。直線はメンバー最速の上がり３ハロン３４秒７と伸び、サクラプレジデントを１馬身１／４突き放した。左手を掲げたデムーロは華麗に投げキッス。そして、派手にガッツポーズだ。
「アリガトウゴザイマ〜ス！」。使い慣れた日本語であいさつすると、通訳を介して、「運良く外枠（（１５）番）に入り、平均ペースの流れを好きな位置から競馬できた。伸び脚が良かった」とＪＲＡ重賞５勝目を素直に喜んだ。１９日の追い切りでは自ら手綱を取り、攻め駆けするエイシンダンズビルを４馬身ちぎった。「初めて乗ったときからフィーリングが良かった。ベリーストロングホース！」。追い切りの感触をしっかり覚えていた。
母国イタリアで９９年ＧＩジョッキークラブ賞などＧＩ３勝。昨年の皐月賞はタイガーカフェで２着に惜敗しているだけに「Ｉ ｗｉｓｈ ｔｏ ｗｉｎ！」と日本のＧＩ獲りに気合十分。ケント・デザーモ（１１年オークス）、ブレッド・ドイル（１４年皐月賞）に続く外国人３人目のクラシック制覇を狙う。
「少しハナに立つのが早いかなと思ったが、並ぶとしぶといから。体にいい肉が付いてきたし、勝負に行っての集中力がいい」と瀬戸口調教師は目を細め、弥生賞を快勝した僚馬エイシンチャンプと挑む皐月賞（４月２０日、中山、ＧＩ、芝２０００メートル）へ期待を寄せる。２頭を比較して「いずれもしぶといが、ネオの方が切れがある。馬場が渋っても大丈夫」とトレーナー。「終いの脚がしっかりとしているので１ハロン延びるいい」とデムーロもヤル気十分だ。
中山のターフで決めた鮮やかな試走。その１ハロン先にはクラシックホースの冠が見えてきた。
|