【共同通信杯】新星誕生!アルバ3連勝でクラシック戦線主役へ
直線半ばで抜け出したショウナンアルバが力強く押し切って重賞初V。クラシックに名乗りを上げた(撮影・金子貞夫) 第42回共同通信杯(11日、東京11R、GIII、3歳オープン、別定、芝1800メートル、1着本賞金4000万円=出走16頭)降雪の影響で1回東京競馬4日目が代替で、2回京都競馬3日目が続行競馬で月曜日に行われた。クラシックへの登竜門・共同通信杯は蛯名正義騎乗で6番人気のショウナンアルバが早め先頭で押し切り3連勝、重賞初制覇を飾った。1分47秒6(良)。圧倒的1番人気に推されたサダムイダテンは直線伸びきれず5着に敗れた。 ◇ クラシック戦線に新星誕生! 6番人気の伏兵ショウナンアルバが直線早め先頭で押し切り、重賞初制覇を飾った。 「この先もあるので、少しケンカしてでも我慢してもらいたかった。まだ力んで走っていたが、何とか我慢してくれましたね」。デビューから手綱を取り続けてきている蛯名正義騎手が愛馬を称える。 スタートして向こう正面では行きたがって何回も頭を上げていたが、3コーナー入り口あたりで折り合いがついた。ショウナンアクロスが5ハロン58秒5で飛ばすHペースも手伝い、3番手の外めをスムーズに追走。馬なりのまま直線で先頭集団を視界に入れると、末脚が見事に爆発。内のタケミカヅチの追撃を1/2馬身凌いだところがゴールだった。「馬の後ろでおとなしく走れたら、もっと切れますよ。ロスなく運べるようになればいいですね」と蛯名はずっと競馬を教えてきたことが、徐々に形になってきていることを頼もしく話す。 「中1週の競馬は初めてだったので、少し心配していましたが、装鞍所で鞍をつけさせず、1回厩舎に戻って鞍をつけました。パドックにはぎりぎり間に合いました。普通はそれで消耗するけど、この馬は何ともなかった」と二ノ宮調教師は見えない苦労をした後の勝利にホッとした表情。 ちょうど10年前の98年、降雪の影響でダート変更になった共同通信杯を制したのは、同じ二ノ宮厩舎のマル外エルコンドルパサーだった。「(今後のレースは未定ながら)エルコンドルパサーとは路線が違うけれど、先につながる競馬ができて楽しみになりました」。舞台は違えど、偉大な先輩に続いてほしいと二ノ宮師は願いを込める。 粗削りだが能力を感じさせる勝ち方でクラシックへ名乗りを挙げたショウナンアルバ。蛯名とともにこの先もファンを魅了する競馬を見せてくれるはずだ。 (高尾幸司) ■ウォーエンブレム産駒重賞初制覇ショウナンアルバはウォーエンブレム2世代目の産駒で重賞初制覇を飾った。現4歳の初年度産駒は4頭しかおらず、その4頭すべてが勝ち上がっていた。ウォーエンブレムは特定の牝馬にしか興味を示さず、初年度となった03年は7頭に種付けをして4頭しか産駒が生まれなかった。アルバ世代の04年は53頭に種付けして34頭の産駒が生まれ、種牡馬生活も順調に思われたが、05年は再び9頭の種付けに終わり産駒は5頭、06年は1頭の種付けで産駒は0頭、07年はとうとう種付け頭数は0となり、種牡馬生命の危機に陥っている。 ■ショウナンアルバ父ウォーエンブレム、母シャンラン、母の父グレートコモーション。鹿毛の牡3歳。美浦・二ノ宮敬宇厩舎所属。北海道浦河町・桑田牧場の生産馬で、馬主は国本哲秀氏。戦績4戦3勝。獲得賞金5875万2000円。重賞初勝利。二ノ宮敬宇調教師は98年エルコンドルパサーに次ぎ共同通信杯2勝目。蛯名正義騎手は初優勝。 ■出世レース共同通信杯の優勝馬は過去10年で4頭がその後、GIレースを制している(98年エルコンドルパサー→98年NHKマイルC、ジャパンC、99年サンクルー大賞、00年イーグルカフェ→00年NHKマイルC、02年ジャパンCダート、01年ジャングルポケット→01年ダービー、ジャパンC、06年アドマイヤムーン→07年ドバイデューティフリー、宝塚記念、ジャパンC)。83年ミスターシービー、94年ナリタブライアンの3冠馬も共同通信杯の優勝馬。ショウナンアルバにも期待がかかる。 ★アンカツ首傾げる・サダムイダテン5着“西の大物”との呼び声高く、単勝1.5倍の圧倒的な1番人気に推されたサダムイダテンは5着に敗退。後方3番手から直線で外に出したときは差し切る勢いがあったが、ラスト200メートルを切ってから完全に息切れ。末脚が鈍り上位を脅かすまでには至らなかった。 安藤勝己騎手は「正直なところ、(抜けて)強いと思っていたので…。考えられない」と信じられない様子。「4コーナーでの反応は悪くなかったし、(追い出してから)ギアが入って伸びると思っていたが…。ラスト1ハロンぐらいしか追っていないのに、ゴール前では脚が上がってしまった」と首を傾げるばかりだった。 ただし、「ちょっとおとなしかった。いい方に考えていたが…」とアンカツ。中村調教師も「元気がなかった。カイバはふつうに食べていたんだが…」。両者とも覇気が欠けていたことを指摘した。雪で1日順延となり、競馬場の滞在時間が長くなったことが影響したのか…。明確な敗因は不明だが、このまま終わるわけにはいかない。 ★2着タケミカヅチ収穫あり最内枠から巧みに立ち回ったタケミカヅチが2着に食い込み、クラシックへ向けて賞金を加算した。 「うまく折り合っていたし、手応えも良かった。きょうのような競馬ができれば、距離が延びても問題ないよ」と新潟の新馬戦(1着)以来、6カ月半ぶりにコンビを組んだ柴田善臣騎手が明るい表情で振り返る。 道中は中団の内で脚をため、直線でも最内から末脚を伸ばした。先に抜け出したショウナンアルバに馬体を寄せながら追い詰め、1/2馬身差でゴール。重賞初制覇こそ逃したものの、左回りで課題だったモタれ癖も見せず、収穫は多かった。 昨年10月のデイリー杯2歳Sに続く重賞2着で賞金を加え、「ジョッキーと相談するが、この後は弥生賞(3月9日、中山、GII、芝2000メートル)へ」と大江原哲調教師。センスの良さと瞬発力を武器に“王道”からクラシックを目指す。 (森田実) ★伏兵連闘で好走・3着マイネルスターリー休み明けのつばき賞5着から連闘で臨んだ11番人気マイネルスターリーが、見せ場たっぷりの内容。後方の内追走から直線に向くと力強く脚を伸ばし、3着に入った。津村明秀騎手は「一瞬、オッと思ったけれど…」とVを逃して残念そうな表情を見せたが、内容には納得の様子だ。「あわてないでじっくりと乗ったが、乗りやすかった。まだ子供っぽいところはあるけれど、力はありますね」と高い素質を感じ取っていたようだった。 ★前走再現ならず・7着スマートファルコン2番人気に支持されたスマートファルコンは最後方を進み、直線では大外から末脚を伸ばしたが、7着まで差を詰めるのがやっと。初芝を克服したジュニアCの再現はならなかった。 「こういうタイプなので自分の形で行った。この馬の脚は使っている」と横山典弘騎手。「最後は一杯になってしまいました。着順は大きく変わっていませんが、サダムイダテン(5着)と同じ位置にいて1ハロンで離されてしまいました」と畠山吉調教師が振り返る。前走から1ハロンの延長も微妙に影響したようだ。 |
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