【シンザン記念】“オーラ”輝く初重賞!圧巻上がり33秒3!
メンバー最速の上がり33秒3を発揮したアドマイヤオーラが、断然人気のダイワスカーレットを完封し、クラシックの有力候補に名乗りを上げた(撮影・安部光翁)
第41回シンザン記念(8日、京都11R、GIII、3歳オープンマル混、別定、芝1600メートル、1着本賞金4000万円=出走10頭)実力拮抗の戦いを制したのは、岩田康誠騎乗の3番人気アドマイヤオーラ。直線で強烈な末脚を発揮して、1分35秒1(良)で重賞初制覇を飾った。母がGI馬ビワハイジ、半兄が菊花賞2着アドマイヤジャパンという良血で、牡馬クラシックの中心となっていきそうだ。前走でオーラに勝っている1番人気のダイワスカーレットは2着に敗れた。
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格好の標的が常に目の前にいた。アドマイヤオーラが、ダイワスカーレットとの一騎打ちを強烈な末脚で制し、重賞勝ちの美酒に浸った。
「すごい瞬発力やったね」。開口一番、目を丸くしたのがデビュー3戦目にして初コンビを組んだ岩田康誠騎手だ。道中は3番手につけた1番人気のダイワから少し離れた外めを追走。常にライバルが視界に入る位置どりで機をうかがった。
直線で、ダイワが粘るエーシンビーエルを捕えにいく。その外からオーラが一気に体を合わせにいった。左ステッキが立て続けに3発入ると、矢のようなスパート。ダイワの抵抗も、もはやここまでだった。上がり3ハロン33秒3の強烈な末脚は当然メンバー中No.1。2着だった前走、中京2歳S(優勝ダイワスカーレット)の借りを返し、1馬身1/2差をつける完璧Vだった。
「このペースでも道中はうまく折り合ってくれたし、ずっとダイワをマークする形で運べた。ホントに瞬発力は相当なものがあるし、これなら距離が延びていっても大丈夫と思う」と、岩田の笑顔も絶えない。昨年3月にJRAへ移籍し、126勝で全国リーディング3位の好成績。さらにこの正月3日間開催の全国リーディングでも、7勝の横山典騎手に次いで5勝で2位につける好スタートだ。
管理する松田博調教師も目尻が下がりっぱなしだ。「ホンマ、幸先のいいスタートが切れたわ。いい瞬発力があるから、今回みたいな競馬ができれば安心して見ていられる。男馬の割に体が小さい(448キロ)から、これから大きくなってくれたらいうことない。この後はひと息入れて、春はどこかのクラシック・トライアルからやな」。
昨年、GI勝利が途絶えてしまった“アドマイヤ軍団”に、オーラが暖かな春を呼び込んでくれるかもしれない。
(正木茂)
■アドマイヤオーラ
父アグネスタキオン、母ビワハイジ、母の父カーリアン。鹿毛の牡3歳。栗東・松田博資厩舎所属。北海道安平町ノーザンファームの生産馬で、馬主は近藤利一氏。通算成績3戦2勝。重賞初勝利。総獲得賞金は5387万5000円。岩田康誠騎手、松田博資調教師とも、GIIIシンザン記念は初勝利。
★紅一点も能力証明…2着ダイワスカーレット
初めての敗戦でも、桜戦線に向けて確実に前進した。“紅一点”ながら圧倒的1番人気に推されたダイワスカーレットが牡馬に交じって2着。能力、素質の高さを改めて証明した。
「牡馬に有利な力のいる馬場だった。それに勝ったアドマイヤがピッチ走法なのに対して、ウチのはゆったりした感じ。切れ味で向こうが上だったし、流れも向こうに向いた」
レースを振り返る安藤勝己騎手にもそうショックはない。直線の競り合いで負けたが、みどころのある走り。前走の中京2歳Sで封じ込めた相手に“仕返し”されてしまったが、サバサバとしていた。
「もう少し早く動けば良かったけど、色々なことを試してみたかったしね」。春、桜花賞(4月8日、阪神、GI、芝1600メートル)で満開へ、アンカツは確かな手応えを感じた。
★まだまだ成長途上…3着ローレルゲレイロ
前走の朝日杯FSを含め3戦連続重賞2着だった2番人気ローレルゲレイロは、前にいたライバル2頭をかわすことができず3着に終わった。「道中で外に出したかったが、できなかった。それで仕掛けのタイミングが遅れた。瞬発力を先に発揮された感じ。ただ距離が延びてもいいし、まだ成長していくと思う」と、本田優騎手は展開を敗因にあげた。次走、皐月賞トライアル(3月4日の弥生賞か3月18日のスプリングS)で巻き返しを狙う。
【アラカルト】
◆良血 オーラの母ビワハイジは95年GIII札幌3歳S、GI阪神3歳牝馬S、98年GIII京都牝馬特別と重賞3勝。兄アドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス)は05年GIII京成杯を勝ち、菊花賞2着などディープインパクト相手に善戦した。オーラは母と兄の果たせなかったクラシック制覇を狙う。
◆アグネスタキオン産駒 アグネスタキオンは昨年、同じSS産駒のスペシャルウィーク、ダンスインザダークらを抑えて、JRA2歳リーディングサイアーに輝いた。重賞制覇はショウナンタキオン(05年新潟2歳S)、ロジック(06年NHKマイルC)に続いて3頭目。2着ダイワスカーレットも同産駒。
◆松田博資調教師 通算重賞36勝目。昨年はアドマイヤムーン、ドリームパスポート、アドマイヤキッスを擁しながらクラシック無冠。今年こその期待がかかる。
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