【ファンタジーＳ】４番人気オディール差し切り重賞初制覇！

ゴール前“芦毛の弾丸”が弾けた！　安藤勝騎手とのコンビで重賞初Ｖを飾ったオディール。目指すは暮れの阪神ＪＦだ（撮影・山田喜貴）

　第１２回ファンタジーＳ（４日、京都１１Ｒ、ＧＩＩＩ、２歳牝馬オープン、馬齢、芝・外１４００メートル、１着本賞金３２００万円＝出走１４頭）第１２回ファンタジーＳは安藤勝騎乗の４番人気オディールが、逃げたエイムアットビップをゴール前できっちり捕らえ、重賞初制覇を飾った。１分２１秒１（良）。管理する橋口調教師は「ゴムまりのように柔らかいし、頼もしい馬なんだよ。勝ったし当然、阪神ＪＦに行く」と約１カ月後の仁川の舞台でＧＩ獲りを宣言した。

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　確実な差し脚でライバルを捕らえた。オディールが未来を切り開くかのような重賞初制覇。ＧＩの舞台も、はっきりと視界に入ってきた。

　「初騎乗だったけど、調教に２回乗せてもらったし、追ってからがしっかりしている馬と思っていた。将来が楽しみ」

　安藤勝己騎手が瞳を輝かせる。道中は自信を持って３番手。最大の強敵エイムアットビップが引き離して逃げたが、深追いは避けた。「最後は止まるだろうと思っていた」。その時の心境をこう振り返る。判断通り、直線半ばで失速気味になったエイムを危なげなくかわし、トップでフィニッシュを決めた。

　橋口調教師も会心の表情。母キュンティアは思い入れのある１頭だった。海外のセリで見つけ、ＧＩ阪神３歳牝馬Ｓ（現阪神ＪＦ）で２着に善戦。「能力は相当にあったんだよ。でも、イレ込みが激しくてね」とトレーナー。気性の問題から大成できなかった母親の分まで…。「母親のようにイレ込むようなところはない。体は大きくないけど、ゴムまりのように柔らかいし、頼もしい馬なんだよ。勝ったし当然、阪神ＪＦに行く。母の雪辱をしたいね」

　力強い口調で師はＧＩ獲りを宣言した。約１カ月後、仁川の舞台で“ドラマ”は生まれるか。

（宇恵英志）

★逃げた１番人気エイムアットビップ２着

　重賞初Ｖの夢はゴール寸前でついえた。逃げた１番人気のエイムアットビップは粘り込みをはかろうとしたが、最後に力尽きて２着に終わった。

　「さすがに止まってしまったね。３角で速くなったから…。外回りだし、難しいね」と福永祐一騎手は天を仰いだ。

　矢作調教師は「これからは抑えていく調教もしていかなければならない。でも、能力は見せたし、マイルも大丈夫」と１ハロン延長となる阪神ＪＦ（１２月２日、阪神、ＧＩ・芝１６００メートル）でのリベンジを誓っていた。

★３４秒２の末脚キラリ！３着エイシンパンサー

　最後は猛然と追い込んできた。２番人気のエイシンパンサーは上がり３ハロン３４秒２の脚を駆使して３着を確保。道中は少し掛かるシーンもあったが、能力の高さを再認識させる内容だった。「道中で（ハミを）かんでしまったね。それでも最後はくるんだから、能力はありますよ」と初コンビの秋山真一郎騎手は手応えをつかんだ様子だった。