【チューリップ賞】ユタカ大興奮！キッス一気に“桜”最前線

アドマイヤキッス（手前）が６カ月のブランクを乗り越え快勝。桜花賞、オークスの有力候補に躍り出た＝撮影・安部光翁

第１３回チューリップ賞（４日、阪神１１Ｒ、Ｇ III 、桜花賞トライアル、３歳牝馬オープン、馬齢、芝１６００メートル、１着本賞金４０００万円）１〜３着馬に桜花賞（４月９日、阪神、Ｇ Ｉ 、芝１６００メートル）の優先出走権＝出走１６頭　桜花賞と同じ舞台で行われた最重要ＴＲは、武豊騎乗のアドマイヤキッスが３コーナーから徐々に進出し、直線での２着シェルズレイとの叩き合いをクビ差制して待望の重賞初Ｖを飾った。１分３６秒５（良）。６カ月ぶり、プラス１８キロをものともしない圧倒的な勝ちっぷりで、桜の最有力候補となった。３着ウインシンシアまでに、桜花賞の優先出走権が与えられる。阪神ＪＦ馬テイエムプリキュアは４着。

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桜戦線に、新星が出現した。天才・武豊騎手の華麗なるアシストで、アドマイヤキッスが一気にＧ Ｉ 候補生に名乗りをあげた。

「返し馬で性能の高さを感じたけれど、実戦に行くとさらに良かった。本当に強い馬ですよ」

興奮気味にユタカが喜びを語る。約半年ぶりの実戦で、しかも格上挑戦の重賞レース。厳しい条件をあっさりと克服したのは非凡な能力の証明だ。

「少し外に振られる場面もあったが、ほぼ道中は折り合いがついた。早く行き過ぎたかなと思ったんだけど、最後まで踏ん張ってくれました」

戦いぶりをユタカが続けた。序盤は後方から進み、３コーナー過ぎで一気に加速。直線の入り口では先頭に立つ勢いで、そのまま押し切った。粘るシェルズレイをクビ差封じ込め、未勝利勝ちの１勝馬が１分３６秒５のドラマで“ミス桜”への最先端に躍り出た。

「能力が違ったな。跳びの大きな馬で外めを通ったのも良かったが、いい勝ち方をしてくれたよ」。松田博調教師からも笑顔が絶えない。松田博＆ユタカ。平成５年の桜花賞＆オークス馬ベガの再来を本番で期待しよう。

（佐藤将美）

★ユタカが西の３歳Ｇ完全制覇

チューリップ賞初勝利の武豊騎手は、これで１３レースある関西の３歳限定重賞をすべて制覇した。現在２９レースある３歳限定重賞の中で勝っていないのは、京成杯、セントライト記念、ラジオＮＩＫＫＥＩ賞（ラジオたんぱ賞から改名）の３つだけ。

★２歳女王プリキュアは４着

無敗の２歳女王に試練の時が訪れた。Ｖ４を狙った１番人気の阪神ＪＦ馬テイエムプリキュアは４着。「ペースが遅くなりそうだったから、ある程度の位置につけた。でも、最後もジワジワとは伸びているんですがね」と上村洋行騎手がしきりに首をひねる。主戦の熊沢重文騎手が右鎖骨を骨折して急遽のコンビを組んだが、結果は出なかった。