【共同通信杯】ムーンに咲いた春一番!ユタカ今季初重賞V![]() 2番人気アドマイヤムーンがゴール前でキッチリとフサイチリシャールを捕らえてV。2歳牡馬チャンプを退けて、クラシックへ大きく前進した(撮影・金子貞夫) 第40回共同通信杯(トキノミノル記念)(5日、東京11R、GIII、3歳オープン、別定、芝1800メートル、1着本賞金4200万円=出走11頭)2強対決はムーンに軍配! 札幌2歳S馬で武豊騎乗アドマイヤムーン、2歳チャンプで福永祐一騎乗フサイチリシャールの初対決が注目されたクラシックの登竜門レースは、2番人気のアドマイヤムーンが力強い末脚で伸び、2番手からの抜け出しを狙った1番人気リシャールをきっちり半馬身とらえ、皐月賞の最有力馬に躍り出た。1分48秒4(良)。ユタカは今季初の重賞V、共同通信杯も初の制覇だった。 ◇ ![]() 初めてのパートナーを巧みに誘導、今年の重賞初勝利を飾った武豊騎手は、デビューから20年連続の重賞制覇を達成。天才が軌道に乗ってきた(撮影・金子貞夫) 2歳チャンプを子供扱いだ。アドマイヤムーンがクラシックに向かって、グンと加速した。武豊騎手の手が動いたのはラスト200メートルを切ってから。上がり3ハロンは最速の33秒9。インで粘るフサイチリシャールを力で捻じ伏せて、一躍皐月賞の主役に浮上した。 デビュー当初の出遅れ癖が嘘のようにスムーズにゲートを出ると、スローな流れにもかかわらず、ユタカはじっくりと中団に下げて前を見た。「手応えが良かったし、あとはどこを抜けようかと、ね」。拍子抜けするほど、馬の手応え、展開ともバッチリだった。 抜け出して気を抜く癖が課題となっていたが、「ソラを使う(気を抜く)と聞いていたからあまり早く抜け出さないようにした」とユタカ。追い出しをギリギリまで我慢して、リシャールを半馬身追い抜くワザは、さすが天才だからこそ。「GOサインの反応も良かったし、全てがうまく行きました」と会心の笑みがこぼれた。 そしてユタカにとっては遅すぎる(?)、今季初の重賞制覇。また未勝利だった共同通信杯を勝ったことで、現在29レースある3歳限定重賞の中で勝っていないのは、東の京成杯、セントライト記念、ラジオNIKKEI賞(ラジオたんぱ賞から改名)、西のチューリップ賞の4つだけとなった。完全制覇も狙っていけば、時間の問題だろう。 「2歳チャンピオンを破ったわけだから、今後が楽しみ」とユタカがほめちぎるムーンは、今後は様子を見ながら、皐月賞(4月16日、中山、GI、芝2000メートル)の前に一戦挟むか決められる。ただユタカには無キズ3連勝中のフサイチジャンクもおり、「まだ何も聞いていません」と本番での騎乗は確定してはいない。当然、アドマイヤの近藤利一オーナーは今後もコンビを続行させたい意向だが、いずれにせよムーンが皐月賞最有力馬となったのは事実。巻き返してくるリシャール、そしてジャンクのフサイチ勢、ラジオたんぱ杯2歳Sで負けたサクラメガワンダーあたりがライバルとなるが、この勝利で一歩リードした。 そしてサンデーサイレンス同様に、エンドスウィープも、この世代がラスト産駒。昨年は桜花賞、NHKマイルCの2冠馬ラインクラフト、宝塚記念、エリザベス女王杯Vのスイープトウショウが活躍したが、最後の最後に牡馬の大物が登場だ。SS絶対王朝にストップをかけるべく、父の最後のクラシックでアドマイヤムーンが大暴れする。 (柴田章利) 【アドマイヤムーン】父エンドスウィープ、母マイケイティーズ、母の父サンデーサイレンス。鹿毛の牡3歳。栗東・松田博資厩舎所属。北海道早来町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は近藤利一氏。戦績5戦4勝。獲得賞金は1億1123万2000円。重賞はGIII平成17年札幌2歳Sに続いて2勝目。松田博資調教師、武豊騎手ともGIII共同通信杯は初勝利。 ★リシャール、負けて強し2位負けても、1番人気の朝日杯FS馬フサイチリシャールに、クラシックへの手応えは十分にあった。「折り合いはついていたし、メドは立ちましたよ。皐月賞に」と福永祐一騎手に落胆の色はない。アドマイヤムーンの末脚の前に屈しはしたが、中身の濃い2着だった。 好スタートから2番手を追走。向正面でモエロタケショウが掛かり気味にハナに立った際もユーイチは慌てず、折り合いは完璧についていた。直線でもムーンが来るのを待って追い出す余裕。結果、半馬身追い負けたが、「やっぱり走りますね。いろいろ再確認できました。余裕残し(プラス12キロ)だと先生は言っていましたが、最後も止まってない」とユーイチはパートナーの力を再確認した。 次はGI3連戦の第1弾・皐月賞(→NHKマイルC→ダービー)。松田国調教師は「皐月賞は前に行く馬が多いので、折り合いをつけて道中を進めるかという課題があった。負けたが悲観する内容ではない」ときっぱり。ユーイチと松田国師が「アドマイヤ(ムーン)の瞬発力はさすが」と口を揃える強敵が出現したが、最優秀2歳牡馬フサイチリシャールの真価は、皐月賞でこそ発揮される。 (高尾幸司) ★見せ場たっぷり…3着マッチレスバロー2戦2勝で4番人気に推されたマッチレスバローはやや出遅れ気味だったが、後方追走から外を回して力強い伸び脚。2強には屈したが、上がり3ハロンはムーンと同じ最速の33秒9と、見せ場たっぷりの3着に好走した。「まだレースを覚えている途中だから、それを思えば」と後藤浩輝騎手は収穫あり。「最初はマイル路線の馬かと思ったけど、距離のメドは立ちましたね」。この収穫は次走以降で生かされるはずだ。 ★弾けなかった…4着タキオン「弾けなかったなぁ」。クビをひねる田中勝春騎手の言葉が、3番人気ショウナンタキオンへの失望を示していた。「イメージ通りの競馬だったんだけど、モタモタしちゃってね。もうちょっと走るはずなんだけど…」。直線入り口で先頭に立ちながら伸びを欠く4着に、カッチーは歯がゆそう。上原調教師も「冬場は馬場が硬いせいか、夏場の柔らか味がないですね。もう少し暖かくなった方がいいのかなあ…」と春が待ち遠しい様子だった。 |
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<払戻金>
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