2006年2回東京6日( 5月 7日) 11R
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第11回
NHKマイルカップ(GI) |
サラ系3歳 |
1600m |
芝・左 |
(混合)牡・牝(指定)オープン |
定量 |
本賞金: 9200、 3700、 2300、 1400、 920万円 |
発走 15:40 |
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天候:雨 |
芝:良 |
着順 |
枠 |
馬番 |
記号 |
馬名 |
性 |
齢 |
負担 重量 |
騎手 |
タイム |
着差 |
馬体重 |
調教師 |
単勝 人気 |
1 |
3 |
6 |
(父)(市) |
ロジック |
牡 |
3 |
57.0kg |
武豊 |
1:33.2 |
|
488Kg |
0 |
橋口弘次郎 |
3 |
2 |
1 |
2 |
(父) |
ファイングレイン |
牡 |
3 |
57.0kg |
横山典弘 |
1:33.2 |
クビ |
476Kg |
-6 |
長浜博之 |
9 |
3 |
7 |
15 |
(外) |
キンシャサノキセキ |
牡 |
3 |
55.0kg |
安藤勝己 |
1:33.4 |
1 1/2馬身 |
472Kg |
+8 |
堀宣行 |
6 |
4 |
2 |
4 |
(外) |
アポロノサトリ |
牡 |
3 |
57.0kg |
蛯名正義 |
1:33.7 |
1 3/4馬身 |
436Kg |
-6 |
堀井雅広 |
7 |
5 |
8 |
17 |
(外) |
ドラゴンウェルズ |
牡 |
3 |
57.0kg |
藤田伸二 |
1:33.7 |
クビ |
486Kg |
0 |
藤原英昭 |
11 |
6 |
8 |
18 |
(市) |
フサイチリシャール |
牡 |
3 |
57.0kg |
福永祐一 |
1:34.0 |
1 3/4馬身 |
490Kg |
+4 |
松田国英 |
1 |
7 |
4 |
7 |
(父)(市) |
エムエスワールド |
牡 |
3 |
57.0kg |
藤岡佑介 |
1:34.1 |
1/2馬身 |
448Kg |
-4 |
湯窪幸雄 |
14 |
8 |
6 |
11 |
|
タガノバスティーユ |
牡 |
3 |
57.0kg |
池添謙一 |
1:34.2 |
3/4馬身 |
512Kg |
-2 |
池添兼雄 |
8 |
9 |
7 |
13 |
(父) |
アドマイヤカリブ |
牡 |
3 |
57.0kg |
後藤浩輝 |
1:34.3 |
1/2馬身 |
502Kg |
-2 |
小島太 |
5 |
10 |
1 |
1 |
(市) |
マイネルスケルツィ |
牡 |
3 |
57.0kg |
柴田善臣 |
1:34.5 |
1 1/2馬身 |
500Kg |
0 |
稲葉隆一 |
2 |
11 |
5 |
10 |
(市) |
ダイアモンドヘッド |
牡 |
3 |
57.0kg |
岩田康誠 |
1:34.6 |
クビ |
490Kg |
-10 |
池江泰寿 |
10 |
12 |
8 |
16 |
|
ディープエアー |
牡 |
3 |
57.0kg |
四位洋文 |
1:34.9 |
1 3/4馬身 |
472Kg |
0 |
池添兼雄 |
12 |
13 |
2 |
3 |
(地) |
モエレフィールド |
牡 |
3 |
57.0kg |
田中勝春 |
1:34.9 |
ハナ |
496Kg |
0 |
中野栄治 |
18 |
14 |
7 |
14 |
(外) |
セレスダイナミック |
牡 |
3 |
57.0kg |
和田竜二 |
1:35.1 |
1馬身 |
480Kg |
+4 |
福永甲 |
13 |
15 |
5 |
9 |
(父)(市) |
ゴウゴウキリシマ |
牡 |
3 |
57.0kg |
石橋守 |
1:35.3 |
1 1/4馬身 |
456Kg |
+4 |
梅田康雄 |
15 |
16 |
6 |
12 |
|
ユウカージナル |
牡 |
3 |
57.0kg |
小牧太 |
1:35.4 |
1/2馬身 |
476Kg |
-4 |
松元茂樹 |
16 |
17 |
4 |
8 |
(外) |
ステキシンスケクン |
牡 |
3 |
57.0kg |
G.ボス |
1:35.4 |
クビ |
446Kg |
-2 |
森秀行 |
4 |
18 |
3 |
5 |
(市)(地) |
モエレソーブラッズ |
牡 |
3 |
57.0kg |
柴山雄一 |
1:35.6 |
1馬身 |
492Kg |
+2 |
小島太 |
17 |
ハロンタイム |
12.1 - 10.8 - 11.3 - 11.5 - 11.8 - 11.7 - 11.5 - 12.5
|
3コーナー |
3,8(2,12)(1,18)(5,13)(4,15)6,7,10(11,17,9)16,14 |
4コーナー |
3(8,12)(2,18)(1,13)(4,15)(6,5)(17,10,7)-11(14,9,16)
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<払戻金>
単勝 |
06 |
870円 |
3番人気 |
複勝 |
06 |
290円 |
3番人気 |
02 |
630円 |
9番人気 |
15 |
590円 |
8番人気 |
枠連 |
1-3 |
1,140円 |
5番人気 |
馬連 |
02-06 |
6,110円 |
22番人気 |
ワイド |
02-06 |
1,720円 |
20番人気 |
06-15 |
1,870円 |
21番人気 |
02-15 |
4,250円 |
43番人気 |
馬単 |
06-02 |
11,590円 |
39番人気 |
3連複 |
02-06-15 |
30,100円 |
82番人気 |
3連単 |
06-02-15 |
201,600円 |
497番人気 |
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【NHKマイルC】武マジック!3番人気ロジックを王者へと導く
断然の1番人気でも、伏兵馬でもお構いなし。武豊騎手の絶妙な手綱さばきに導かれて、ロジックがV。2週連続のGI制覇に、ユタカも思わず右手を高く突き上げた(撮影・佐藤雄彦)
第11回NHKマイルC(5月7日、東京11R、GI、3歳オープンマル混マル指、せん馬不可、定量、芝1600メートル、1着本賞金9200万円=出走18頭)またしても天才の腕が冴え渡った! 武豊騎手の3番人気ロジック(栗・橋口、牡)が、直線で内からしぶとく伸びて快勝。ユタカはディープインパクトで制した前週の天皇賞・春に続いてGI連覇を飾った。タイム1分33秒2(良)。2着には横山典弘騎手のファイングレインが入り、天皇賞と同じ騎手でのワンツー。3歳マイル王となったロジックは、次走のダービー(28日、東京、GI、芝2400メートル)で3歳牡馬の頂点を目指す。
◇
雨に煙る府中での直線の攻防。息詰まる叩き合いの末、最後に勝利を引き寄せたのは、世界を知る男たちだった。騎手・武豊、調教師・橋口弘次郎、厩務員・蒔田淳。ユートピアでゴドルフィンマイルを制したトリオが手掛ける3番人気のロジックが、3歳マイル王の座に君臨した。今年の3歳が初年度の皐月賞馬アグネスタキオン産駒は、これがGI初V。世界の腕が、父内国産馬を初のNHKマイルC王者へと導いた。
道中は中団で先行集団を見据えるユタカだったが、その心中は半信半疑。「正直言って今回は厳しいと思っていた。馬の状態はすごく良かったけど、これまでGII、GIIIで2、3着が精一杯でしたから…」。しかし、その疑問は直線を向いたときに払拭される。「思った以上の反応。これなら前は捕まえてくれる。あとは、外から何かが差してこないかだけ」。想像以上の手応えに、ユタカのムチにも力がこもる。粘るファイングレインとの激しい競り合いをクビ差制し、歓喜のフィニッシュを迎えた。
天皇賞・春のディープインパクトに続いて2週連続のGI勝ちも、今回は意味合いが違う。「きょうは気楽に乗れた。先週とは全然違いましたよ」と笑顔を見せるユタカ。断然の人気馬も、3番人気とはいえ伏兵扱いの馬でも結果を出してしまうのが、天才の天才たる所以だ。「きょうがロジックのベストパフォーマンス。まだまだ強くなる馬だね」と、パートナーのさらなる飛躍に期待を寄せた。
勝利の興奮冷めやらぬ橋口調教師は、「厩務員はユートピアを担当していたからね。きょうはユートピアが勝たせてくれた」。ドバイでのパフォーマンスが評価されて、そのゴドルフィンに400万ドル(約4億5000万円)でトレードされた愛馬を引き合いに出した。すべてのサイクルが、ユートピアの勝利から好転し始めた印象もある橋口厩舎。「ニュージーランドTでのゴール前の脚色から、東京なら差してくると思っていた。精神面の成長で掛からなくなったし、ダービーに挑戦したい」と勢いに乗って、3歳馬頂点の座を目指すことを明言した。
「私の1年はダービーに始まりダービーに終わる」と言うほど、ダービー制覇を夢見る橋口師は、これで11年ロサードから8年連続でのダービー挑戦となる。ダンスインザダーク(平成8年)、ハーツクライ(16年)で2着惜敗の橋口師の夢は、今年はマイル王に託された。今の橋口厩舎の勢いなら距離の壁も乗り越えて、ロジックが世代の真のトップに立つことも夢ではない。
(柴田章利)
■ロジック
父アグネスタキオン、母エイプリルドラマ、母の父サクラユタカオー。黒鹿毛の牡3歳。栗東・橋口弘次郎厩舎所属。北海道・新冠町の武田修一氏の生産馬で、馬主は前田幸治氏。戦績8戦3勝、重賞は初勝利。獲得賞金1億6084万2000円。GI・NHKマイルCは橋口弘次郎調教師は初優勝、武豊騎手は9年シーキングザパール、13年クロフネに次ぐ3勝目。
★前田幸治オーナー感激「勝ちたかったレース」
ロジックの前田幸治オーナーはテレビ観戦となったが、さすがにゴール前は力が入り、大きな声が出たそうだ。「(マイルCは)1回目からゼネラリスト(8年3着)を使っているし、2回のブレーブテンダーは2着(9年)。ずっと勝ちたいと思っていたレースなので本当にうれしい。これでアペリティフ(京都新聞杯2着)と2頭でダービーに向かいます」と声を弾ませた。ロジック、アペリティフとも、鳥取県に築いた新拠点の大山ヒルズに早い時期に移動し、育成した馬だけに喜びもひとしおだったようだ。
■ユタカは今年GI3勝目!
◆武豊騎手はマイルGI11勝目 平成9年シーキングザパール、13年クロフネに次ぐNHKマイル3勝目は、JRAGI通算54勝目。マイルGIでは2位の河内洋騎手(現調教師)の9勝を引き離して単独トップ。今年はフェブラリーS(カネヒキリ)、天皇賞・春(ディープインパクト)に次ぐGI3勝目で、JRAのGIは【3、1、0、1】と抜群の成績だ。
◆マル父初勝利 設立から6連勝と外国産馬が優勢だったが、近年は内国産馬の活躍が目立っていた。父内国産馬は昨年まで【0、1、0、27】だったが、今年はワンツーを達成。
◆アグネスタキオン産駒初GI ロジックはアグネスタキオンの初年度産駒。JRA重賞はショウナンタキオン(新潟2歳S)に次いで2勝目。
2頭による叩き合いはロジック(左)が制し、ファイングレイン(右)はクビ差の2着に惜敗。1着ユタカ、2着ノリは、天皇賞・春(ディープインパクト、リンカーン)と同じ決着だった
★クビ差およばず…ファイングレイン
あまりにも大きなクビ差だった。9番人気ファイングレインは好位の内で経済コースをスムーズに追走。直線は横山典弘騎手のGOサインに瞬時に反応してラチ沿いを鋭く伸び、残り1ハロンからは後ろから迫る武豊ロジックと壮絶な叩き合いを演じたが、ゴール寸前で力尽きてクビ差及ばす無念の2着に敗れた。
「先入観なしでリズム良く走らせた。馬ごみも問題ないし、見ての通りよく頑張っているよ」と言葉少なに立ち去ったノリだが、長浜博之調教師は「きっちり1600メートルを走ってきたからね。最後は差されてしまったが、まだまだこれから良くなる馬だし」と、納得の表情。ただし、レース後に脚元に違和感を感じたため、栗東に帰厩した後に詳しく診察する予定でいる。
★安勝「突き抜けるかと思った」…3着キンシャサノキセキ
「一瞬、突き抜けるかと思ったよ」。安藤勝己騎手の表情が紅潮している。豪州産のフジキセキ産駒の6番人気キンシャサノキセキは直線、大外から鋭く末脚を伸ばして差し切る勢いを見せたが、ラスト100メートル手前で1、2着馬と同じ脚色になってしまいロジックからクビ、1馬身半差の3着。9月24日生で他馬より生まれが半年遅いことを考えれば、今後に繋がる健闘と言っていい。「(直線で)1頭になったら躊躇していたよ。内と体が合っていれば、もっと際どかった。まだ他馬を頼る幼い面はあるが、乗り味や能力は間違いなくGI級だね」と絶賛するアンカツ。ひと夏を越せば、ひと皮剥けた姿が見られるに違いない。
★手応え絶好も次々抜かれ6着…1番人気フサイチリシャール
2歳王者の面影は消え失せていた。好位を進んだ1番人気のフサイチリシャールは絶好の手応えで直線に入ったが、後続に次々と抜かれ、よもやの6着に敗れ去った。「ソラを使って(気を抜く)やめているわけではないし…。体を使って、もっとぐんぐん伸びてほしいんやけど、皐月賞(5着)と同じような感じになってしまった」と福永祐一騎手は敗因をつかみきれず、首を傾げるばかり。
「これで終わったわけじゃない。試行錯誤をして、もっと能力を引き出せるようにしたい」と松田国英調教師は強気な姿勢を崩さないが、ダービーへの見通しは決して明るくない。なお福永がマルカシェンクに騎乗するため、リシャールは短期免許で来日中のG・ボス騎手とのコンビでダービーに向かうことになった。
★スタートで躓き10着…マイネルスケルツィ
関東の期待を背負って出陣したニュージーランドTの勝ち馬マイネルスケルツィは、スタートで躓いたことが響いたのか、2番人気の支持を裏切り10着に大敗した。「いつもは返し馬ですごいフットワークで行くのに、今日はフットワークが小さく、返し馬の雰囲気が今ひとつ。それにしても…。動かなかったね。どうしてだろう」。道中は好位を追走したが、直線でまったく伸びず。不本意な結果に、柴田善臣騎手はガックリ。「馬場を気にしている様子はなかったし、精神面も大丈夫だった」と、ヨシトミは首を傾げるばかり。出遅れでリズムを崩したことが最大の敗因なのだろうか。なお、今後の動向については白紙の状況だ。
★レジャー疲れ出た!?入場売上げダウン
7日の東京競馬場の入場人員は5万933人で前年比76・2%と落ち込んだ。ゴールデンウイークの最終日でレジャー疲れしたファンが多く、はっきりしない空模様ということもあり、大幅にダウンした。NHKマイルCの売り上げも157億9067万7800円で前年比95・3%にとどまった。
★審議
NHKマイルCは第4コーナーで(9)ゴウゴウキリシマの進路が狭くなった件について審議となったが、到達順位通り確定した。審議の対象馬は(11)タガノバスティーユだった。
★戦い終わって一言
◆蛯名正義騎手(アポロノサトリ4着)
「凄く具合が良かったし、道中もスムーズに運べた。現状の力は出し切っている」
◆藤田伸二騎手(ドラゴンウェルズ5着)
「この枠順だと一旦、後ろに下げなきゃならないロス。今回も枠順に泣かされた」
◆藤岡佑介騎手(エムエスワールド7着)
「思ったほどペースが速く流れてくれなかった。最後はしぶとく伸びているが…」
◆池添謙一騎手(タガノバスティーユ8着)
「ずっとノメって走っていた」
◆後藤浩輝騎手(アドマイヤカリブ9着)
「初めての我慢をさせる競馬。雰囲気は前回に乗った時よりもずっと良かったが…」
◆岩田康誠騎手(ダイアモンドヘッド11着)
「前で競馬するつもりだったが、ゲートが遅かったからね。終いは伸びているけど…」
◆四位洋文騎手(ディープエアー12着)
「もうちょっと伸びるかと思ったが…」
◆田中勝春騎手(モエレフィールド13着)
「いいペースでハナに行けたが、最後は伸びなかった」
◆和田竜二騎手(セレスダイナミック14着)
「前半から掛かっていた」
◆石橋守騎手(ゴウゴウキリシマ15着)
「3コーナー過ぎから押っつけ気味。目に見えない疲れがあるのかも…」
◆小牧太騎手(ユウカージナル16着)
「前々で自分の型の競馬はできた」
◆グレン・ボス騎手(ステキシンスケクン17着)
「前々で自分の型の競馬はできた」
◆柴山雄一騎手(モエレソーブラッズ18着)
「馬群を気にしていた。揉まれない競馬が良さそう」